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日本の魂の象徴――廃館の危機にある「新渡戸記念館」を守れ!

文/幸福実現党・青森県本部副代表 三國佑貴

◆日本の誇りのために闘い抜いた国際連盟の良心「新渡戸稲造」

1899年(明治32年)新渡戸稲造は、『Bushido ― The Soul of Japan 』(『武士道』) を著し、日本人の精神的な高みを世界に知らしめました。

そして、日本の文化水準を低く見ている西洋諸国に対して日本の誇りを示し、世界中で反日の嵐が吹き荒れる中、国際連盟の良心として、命が尽きるまで闘いを続け、太平洋の架け橋となり続けたのです。

新渡戸稲造、その父 新渡戸十次郎、祖父 新渡戸伝(つとう)の御魂が、青森県十和田市の太素塚(たいそづか ※新渡戸家三代のお墓)に祀られています。

不毛の荒野であった十和田市・三本木原を開拓した父と祖父、そして、国連事務局次長として世界正義の実現に尽くした新渡戸稲造の業績を顕彰する目的で、新渡戸記念館は、お墓に並立する形で建設されました。

記念館には、新渡戸稲造の遺品や蔵書、愛蔵品など、約8000点の文化遺産が展示されています。

◆新渡戸記念館廃館に揺れる十和田市

現在、その新渡戸記念館が、廃館の危機に直面しています。

※記念館廃館決定、法廷闘争へ 十和田市と新渡戸家、深まる対立(産経7/18)
http://www.sankei.com/region/news/150718/rgn1507180044-n1.html

十和田市が記念館の耐震診断を行ったところ、コンクリートの強度不足により危険と判定され、6月末までに廃館、建物を取り壊し、今年度中に撤去するよう新渡戸家に求めているからです。

再調査を市に求めるも、小山田久市長は6月26日、廃館の決議を下しました。

一方的に廃館を決められた新渡戸家は、弁護団を結成。行政訴訟に踏み切り、青森地裁に提訴、法廷闘争へと発展しています。現在、新渡戸家は、十和田市に対して全面対決の姿勢を示しています。

代理人の松澤弁護士は、「急いで取り壊しが必要なほど本当に危険な建物なのか」と耐震性に疑義を示し、記念館の調査では強度的に問題はなく、現地を視察した建築家の話として補強は可能だとしています。

先日、新渡戸家8代目当主、新渡戸常憲館長をご訪問した際に、館長は「稲造と同じように、私も不正に対して、一歩も引くつもりはない」と熱く語っておられました。

また、「廃館の通知は2枚の文書のみ。何の対話もないまま、HPが削除され、電気、ガス、水道等も止めると言ってきた。あまりにも理不尽な対応。地域の文化や歴史を後世に遺していくということに関して、何の配慮も感じられない。」と怒りを露わにされました。

いま、新渡戸家の方々の訴えは、全国の有志の方々へと広がっています。

新渡戸記念館 HP 「新渡戸記念館休館の経緯と現状ならびに諸問題について」
http://www.nitobe.jp/  ※十和田市長宛ての抗議署名活動を展開中。

十和田市と「武士道の源流」となった新渡戸家の争いは、市政を超えた、国家の未来に関わる重大問題です。

◆武士道精神を未来に

太素塚を守る新渡戸家の皆様には、決して信念を曲げない稲造先生の遺志と共に、勝訴を勝ち取って頂きたいと強く祈念します。

そして、市政が、命を懸けて日本を守ってきてくださった先人の方々の歴史を葬り去り、国家の誇りに傷をつけるような悪を犯させないよう、武士道精神を後世に伝えていって欲しいと思います。

どうか、日本の未来を憂うる有志の皆様の応援をお願いします。

【参考】
・新渡戸稲造著「武士道」
・産経ニュース2015.7.18
・河北新報 2015.5.29 / 6.03

三國佑貴

執筆者:三國佑貴

青森県本部副代表

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