岩盤規制の打破に挑戦する幸福実現党
文/HS政経塾スタッフ 遠藤明成
◆自公政権に規制緩和は出来るのか?
自公政権は「成長戦略」を掲げていますが、本当に規制緩和ができるのでしょうか。
本年4月に公務員制度改革法が改正されましたが、内閣人事局が縦割り行政を排して、国全体に奉仕する人事を目指すという趣旨は失われ、新設された内閣人事局と従来の人事院が並立し、人事が二つの組織で行なわれることになりました。
元官僚の高橋洋一氏らは、内閣人事局は人事院の意図を無視できず、主導権を握れないので、これは人事に携わる部局が増えただけの焼け太りの“改革”だと批判しています。(これは単なる組織いじり)
07年に公務員制度改革に踏み込み、官僚の抵抗で退陣させられた安倍首相は、前回の轍を踏むことを恐れてか、「大臣が幹部公務員を解雇できない」という、外国から見たら信じがたい、日本行政の欠陥を改革できませんでした。
規制改革の先には許認可権を握る官僚との対決が待っています。前回、官僚に敗れた安倍政権が岩盤規制を緩和し、成長戦略を実現するのは、極めて難しいことなのです。
◆学力テストの結果を公表し、教育に競争原理を
しかし、幸福実現党は立党以来、党綱領で、「行政に経営の思想を入れ」、小さな政府を実現し、「企業家精神を鼓舞」することを訴えてきました。成長戦略を本当に実現するには、本気の改革を目指す政党が国会で議席を持つ必要があるからです。
今、規制だらけの分野としては教育が典型的です。
例えば、11月30日の朝日新聞では、文科省が大都市圏の私大の定員超過に対して助成金を減額し、志願者がたくさん集まる大学は定員を増やすべからずという方針を出したことが報道されています。
これは計画経済の発想です。各大学の努力相応に志願者が集まり、生徒が増えるのが当然なのに、国がお金にものを言わせて大学の入学者数を統制しているからです。
そして、公立中学と高校を見ても、川勝平太・静岡県知事と下村博文・文科省との間で、全国学力テストの結果公表について論争が起きています。
二人は11月6日に会談したのですが、下村文科相は「知事に結果公表の権限はない」と主張し、川勝知事が「県教育委員会の委員長から(権限を)一任されている」と反論する物別れに終わりました。(11/7産経電子版)
学力テストの学校別成績の公表率は6パーセントであり、下村文科相自身も「6パーセントという結果は十分とは言えない」と述べているので(12/9日経電子版)、川勝知事の行動が安倍政権の方針に反しているとは考えにくいのですが、なぜか文科大臣が文句をつけています。
下村文科相のポスターには「使命感が原動力」と書かれていますが、今の教育行政を見ると、安倍首相の規制改革路線に反しているように見えてしかたがありません。
しかし、幸福実現党は、公務員の仕事の情報公開として、学力テストの結果を公表し、教育に競争原理を働かせることを訴えています。教育に自由主義を持ち込み、日本の学力を建て直さなければならないからです。
◆岩盤規制の打破を
教育以外にも、日本には信じがたい規制がたくさんあります。
例えば、建物の中で野菜をつくる「植物工場」も広がってきていますが、いまだに植物工場を農地に立てることはできません。野菜を栽培するためでも立てられないのですから、岩盤規制、恐るべしです。(6/23フジサンケイビジネスアイ電子版)
また、自民党は「移民政策ではないことを前提に」して、「外国人材が日本で活躍しやすい環境を整備」することと、「クールジャパンの推進」を公約しましたが、今のままでは、日本料理の修行をしに来た外国人は規制の壁にぶつかります。
省令が外国料理のプロ以外の入国を認めておらず、14年に農林水産省のプログラムで例外規定が認められても、「習得機関2年以内」「1事業所2人以内」の範囲でしか外国人は日本料理の修行ができないからです。(原英史著『日本を縛りつける役人の掟』)
安倍政権は規制緩和を訴えていますが、長さの足りないロープのように、成長の可能性を引っ張れないのが現状なので、このロープを伸ばす政党が国会に必要なのです。
これらの政策は、幸福実現党は立党以来、実現を目指してきたものです。植物工場の推進、意欲ある外国人労働者の導入、日本の魅力のPRを提言してきたのです。
成長戦略を本物にするには「自由の大国」を目指す幸福実現党が必要です。幸福実現党は、国会に「岩盤規制の打破」を求める国民の声を届けてまいります。