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増税容認論を斬る!安定政権を目指すなら、増税の十字架から国民を解き放て!

今回の参院選挙では都議選に続き、自公圧勝の結果となり、デフレ脱却からの経済再生を最優先課題とする安倍政権に国民からの信認が与えられた形となりました。

しかし本来、経済論戦の主戦場となるべきであった消費増税に関しては、かろうじて野党第一党の民主党も賛成であったためか、選挙の争点としてはいまいち盛り上がりに欠いた印象です。

そこで消費増税中止を訴える急先鋒の幸福実現党として、改めて増税容認論の問題点を指摘したいと思います。

◆増税しなければ財政収支は改善しない!?

政府は2日、中長期財政計画の骨子案を公表し、15年度までに基礎的財政収支の赤字額を17兆円程度圧縮する必要があることを示しました。

一方、日経・読売を中心に新聞各紙は、財政収支改善の「最も有力な手段であるはずの消費税増税」(8/3 日経)の実施が明記されなかったとして批判しております。

果たして、「増税しなければ財政収支は改善しない」――この主張は事実に照らして正しいのでしょうか?

実は03年度から07年度までの「実感なき好景気」と言われた期間、日本の基礎的財政収支は約22兆円も圧縮しております。もちろん増税は1%もしていません。

しかもこの間、日本の平均的な名目経済成長率はたったの1.1%。もしも先進国平均の5%程度の成長を持続していれば、基礎的財政収支の黒字化は間違いなく達成していました。

◆97年不況の原因はアジア通貨危機!?

財政収支を改善させるのに1%の増税もいりません。必要なのは日本経済の活性化、すなわち名目GDPを拡大させることです。

実際、日本の名目GDPは97年の523兆円をピークに、同じく政府の税収も97年の54兆円をピークに、97年の水準を超えて成長・回復したことがありません。

97年の3%から5%への消費増税が重くのしかかり、日本経済は十字架に掛けられたが如く、成長と回復を止めてしまいました。

しかし、このように主張すると、財務省からレクチャーを受けた政治家は「97年不況の原因は増税ではなく、アジア通貨危機だ」と言い逃れします。

確かに、97年夏、タイの通貨暴落に始まったアジア通貨危機は新興アジア諸国だけでなく、ブラジルやロシアの政府債務危機にまで拡大し、日本経済、世界経済もダメージを受けたのは事実です。

しかし、当の新興アジア諸国は、その後1~2年で経済を回復させました。しかもアジア危機の鎮圧に最も貢献したのはアメリカでもなければ、IMFでもなく、当時の日本です。

1~2年で収束したアジア通貨危機で、97年の水準をその後15年以上も超えられない日本の低迷を説明するのは土台無理な話です。

◆安定政権を目指すなら、増税の十字架から国民を解き放て!

歴史認識の転換や憲法9条の改正を始め、安倍首相が志す「戦後レジームからの脱却」を実現するには、確かに安定政権は不可欠です。

かつて岸信介元首相の後を継いだ池田勇人元首相は「所得倍増計画」を打ち出すことで左派勢力を分断し、長期政権を実現したと言われます。

その観点から、政権の安定化のために「デフレ脱却・経済再生」を最優先課題に位置付けた第二次安倍政権の狙いも理解できないわけではありません。

しかし、97年4月に実施された消費増税は、国内での金融パニックの引き金となり、日本は戦後世界で唯一の長期デフレに突入。失業者や就職にあぶれる若者を作り出し、経済不安は政治の不安定化につながりました。

97年の失敗を省みず、予定通り2014年4月に消費増税を強行するならば、安倍政権の最優先課題である「デフレ脱却・経済再生」が頓挫するだけではありません。

経済危機が政権不安に転化し、憲法改正や歴史認識の転換など「戦後レジームからの脱却」がいっそう遠のいていくことが容易に予想されます。

増税の十字架は国民の生活を苦しめるだけでなく、政権の十字架となって政治を不安定化させ、引いては外交・国防・国家存亡の危機を引き起こしかねません。

安倍首相が真に「戦後レジームからの脱却」を目指し、安定政権を望むならば、増税の十字架から日本の繁栄を、国民の自由を解放すべきです。(文責・HS政経塾2期生 川辺賢一)

川辺 賢一

執筆者:川辺 賢一

HS政経塾2期卒塾生

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