アベノミクスは本物か?増税をするための経済政策か?
アベノミクスの本質
自民党・安部政権下において、「金融緩和」「財政政策」「成長戦略」を柱とする経済政策「アベノミクス」が進められています。
「失われた20年」重症で寝た切りの日本経済を復活させるために、まず、貧血状態に「輸血」にあたる「金融緩和」をし、デフレ脱却を図って健康を安定させています。
実際に、日銀に対して金融緩和を強く促すことによって「円安ドル高」に向かい、株価が上昇しており、経済が体温を取り戻しつつあります。
次に、国会において補正予算案が審議されていますが、「リハビリ」をして体力を身につけることにあたる「財政政策」を行おうとしています。
国家が大規模な税金を投入することで、経済を刺激する音頭を取り、景気復活へのエンジンに点火しようとしています。
このように健康と体力を回復させた上で、さらに積極的に新たな活動を展開するための「成長戦略」で、次世代の新産業を育成して、日本の景気を持続的に拡大していく取り組みを目指そうとしています。
合わせて、新産業を生み出すためには「規制緩和」も重要です。
このような経済政策は、幸福実現党が立党当時より提言して来た政策を採択したものであり、国民生活を豊かにするために、与野党を超えて力を合わせていくことを求めたいと思います。
アベノミクスの懸念材料
しかし、懸念材料があります。「アベノミクス」の課題として指摘されている点は、金融緩和で金利・物価を高めるインフレ路線になることに成功したとしても、給与や利益が上がらなかった場合、個人の負担が増大し、失速が起きる恐れがあることです。
このような指摘に対して、安倍政権・産業競争力会議の民間議員でもあるローソン社長新浪剛史氏は、65%の若者社員に対して年収ベースで約3%(平均15万円)増やすと発表。率先してアベノミクスに賛同する姿勢を示しました。(2/7 朝日)
日本経済を復活させるために企業家として、気概あふれる英断であり、閣僚からは歓迎の声が上がっていますが、春闘に向けて経団連は「雇用確保が最優先でベースアップの余地はない」と主張しており、他の企業が一斉に追随するような状況に無いようです。
消費増税のためのアベノミクス?
ここで問われることは、消費増税のためのアベノミクスであるのか、景気回復のためのアベノミクスであるのか、ということです。
「消費税増税」を判断する「景気条項」として「名目3%」「実質2%」の経済成長率を明記されていますが、本年1月22日に、政府・日銀が共同声明を取りまとめ、「物価上昇率2%」を目標としています。
消費税が増税される2014年4月(5%→8%)、2015年10月(8%→10%)前に、物価上昇2%が実質税負担となるということです。
GDPの60%が個人消費であることを踏まえれば、消費増税で可処分所得(自由に使えるお金)が減れば、消費が萎縮し、景気が腰折れになります。
「減税」こそ、「金融緩和」「財政政策」「成長戦略」と合わせて、景気回復・経済成長に必要不可欠な「4本目の矢」なのです。
「増税」は典型的なデフレ政策で、アベノミクスを根本から崩壊させます。
政府日銀そして財務省は、消費増税のために、景気条項をクリアするためのテクニカルなロジックに陥ることなく、増税をストップし、本物の景気回復を目指すべきです。
政治にマネジメントを!
松下幸之助氏が、政治に「経営的視点」が必要であり、日本国を「株式会社」と考えれば、税金は「出資」であり、税金を食い潰すのでは無く、利益を増やし、出資した国民に「配当」を還元することが理想の政治であり、「無税国家」を目指すべきであると提言しました。
単に増税と言うのは、利益を生み出さない会社が延々と融資を受け続けることと同じです。政治にマネジメントが求められています。
安くてシンプルな税制「フラットタックス」を導入したロシア(13%)やブルガリ(10%)などの報告を見ると、節税や脱税への無用な努力が無くなり、自由に使える「可処分所得」が増えることで経済が活況すると共に、企業の誘致や各国からの投資が増えています。
シンプルで低い税制によって、税収が増えています。
幸福実現党は、本物の景気回復に向け、消費増税を中止し、政治にマネジメント・パワーを導入し、無駄な税金を無くし、国富を増大させること目指して参ります。
(文責・幸福実現参議院選挙区代表 小川俊介)