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国民を愚民視する野田・谷垣“密談”――既成政党の終わりの始まり

野田首相と自民党の谷垣総裁が、2月25日に首相公邸でひそかに極秘会談をしていたと報道されています。当事者の二人は強く否定していますが、複数の関係者が明らかにしており、会談があったことは間違いありません。

両氏とも「消費税増税は必要」とする点で一致しており、「消費税増税で協力」「話し合い解散」「衆院選後の大連立」等について意見の交換がなされたのではないかと憶測されています。

その証拠に、2月29日の党首討論では、野田首相と谷垣氏が消費増税の必要性で認識を共有するなど、歩調が合っていることが指摘されています。(3/1 読売)

極秘会談では、野田首相は、消費税増税法案を成立させてからの解散を主張。一方、谷垣総裁は解散総選挙が先であるとし、両者の意見は一致しなかったという報道もあります。

自民党内では「話し合い解散」の可能性を模索するべきとする森喜朗、安倍晋三元総理の意見もあります。

安倍元総理は、消費税増税の時期の条件を法律に明記した上で「話し合い解散」をする。すなわち、デフレを脱出し、景気が上向いたことが確認できた時点で増税する。現民主党案のように、2014年4月に8%、15年10月に10%と決めてはならないと主張しています。

一方、消費税増税に反対している小沢一郎氏は、3月下旬に予定していた訪中を中止しました。小沢氏は「3月下旬に政局の山が来る」と見ているのではないかと憶測を呼んでいます。

「消費税増税」で一点突破をめざす野田首相にとって、最大の敵は実は自民党ではありません。党内の消費税増税反対派である小沢一派が最大の敵であります。自民党と組むことは「小沢外し」を意味します。

「小沢一派を追い出し、自民党と組んで増税法案を通したい」――これが野田首相の本心でないかと考えられています。

とすれば、これは国民を無視した「増税翼賛会」であり、極めて危険な流れです。

増税路線に突っ走る民主・自民両党は「社会保障」を掲げつつも、その実態は、政治家や官僚の利権や権益拡大に過ぎないといことに、多くの国民は気づき始めています。

このことを裏付ける世論調査の結果も出ています。NHK調査によると、支持政党では民主党支持が17.6%、自民党支持が16.9%、支持政党なしが49.4%となっています。「支持政党なし」の数字は2004年以降、最も大きい数字であります。

今、民主党が自民党化し、自民党の独自性が溶解し、二大政党の支持率が上がりません。

「デフレ脱出、景気回復の確認ができてから増税を実施する」という安倍元総理等の意見も、一見、もっともらしく見えますが、近い将来の増税予告は、それだけでブレーキとなります。特に、貯蓄傾向、倹約傾向の強い日本人にとって大きなブレーキ要因となります。

たとえ、「景気回復」という条件付きであっても、増税予告は行ってはなりません。まずは、増税ではなく、景気回復、経済成長を目指すべきです。

幸福実現党が主張して来た「インフレ目標」を日銀が実質的に取り入れたことによって、現在、株価が上昇基調に入っています。

政府、日銀が一体となって責任をもって、マイルドなインフレ基調に導き、景気回復、経済成長を実現し、その結果としての自然税収増を目指すべきです。

財政再建は、経済成長と無駄の排除によってしか実現できません。増税は、税収を減らし、財政を悪化させるだけです。

野田政権が不退転の覚悟で取り組むべきは、経済成長政策であって、断じて消費税増税ではありません。

ましてや、自民党と密室会談で増税を決めるなどということは、国民を愚民視するものであり、断固許してはなりません!
(文責・加納有輝彦)

加納 有輝彦

執筆者:加納 有輝彦

岐阜県本部政調会長

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