東京オリンピックで話題「LGBTQ」。過度な保護は文明を崩壊する【後編】
幸福実現党党首 釈量子
◆同性婚への道を開くことの問題点
更に、LGBTQへの過度な保護で心配されるのは、同性婚法制化の道が開かれることです。
現在、100を超える自治体が、結婚に相当する関係と認める「パートナーシップ制度」を導入していますが、自治体によって具体的内容は異なります。
例えば、原則夫婦でないと認められない、住宅のペアローンや、公営住宅への入居が可能になったり、緊急手術などへの承認や面会が認められたりします。
ただ、正式な婚姻関係とは認められず、所得税の配偶者控除、子供の共同親権などを得ることは出来ません。
海外では、米国や英国、フランスなど、28の国・地域で同性婚が認められ(2020年5月時点)、日本も認めるべきではないかという意見も出ています。
しかしながら、これは国力を衰退させる危険な道だと、私たちは考えています。
◆結婚は公的な精神を学ぶ場
なぜ、結婚という制度が社会的に認められ、法的な保護が与えられているのでしょうか。
結婚は完全にプライベートな関係で、好きな人同士が一緒になればいいという考えがある一方、「家庭は社会の最小単位」と言われるように、家庭を築く始まりとなる「結婚」は社会的な意味もあるのだという考え方もあります。
ドイツの哲学者ヘーゲルは『法の哲学』において、「家族とは、普遍的で永続的な人格である」とし、家族を形成することで、それまで欲望やエゴイズムに基づく個人の資産が、配慮を必要とする共同財産となり、倫理的なものに変わるという趣旨を述べています。
また、子供は家族の資産で扶養され、教育される権利を持っているとも指摘されています。
ヘーゲルの考えに基づけば、家族は、倫理観を身につける場、次の世代の子供たちを教育する公的な場ともいえます。
夫婦や家族にしか与えられない公的なサポートがある一方、夫婦の道を踏み外せば、法律的にも社会的にも制裁があります。
もし同性婚を認め、家庭制度が崩壊に向かうと、公共心や倫理の乱れ、子孫の減少によって、国力が弱まる可能性が高まります。
気の合う同性で一緒に暮らし、支え合う関係を持つことはあってもよいでしょうが、これを法制化し、公的に認めることは望ましくありません。
◆LGBTQの奥にある魂の真実
この問題については、魂の真実について考える必要があります。
幸福実現党は宗教政党ですので、政策を考える上では、霊的人生観、宗教的価値観は外せませんし、「何が善で、何が悪か」は神の心に戻るしかありません。
私たちは「人間の本質は魂で、永遠の生命を持って転生輪廻を繰り返している」という人生観を前提に、たいていは自分で人生計画を立て、生まれる前に自分の性別は自分で選ぶと考えています。
ただ、長く男性の転生を経験した魂が女性の肉体に宿ると、女性の体に違和感をおぼえたり、女性に惹かれたりすることもあるわけです。
また、大川総裁によるリーディング(霊的リサーチ)によれば、宇宙には、中性の存在や単性生殖の星などもあり、必ずしも男女が分かれているわけではない星もあると言われています。
このように、LGBTQの人たちは、魂の記憶が強く残っているだけで、決して「おかしな人」「特殊な人」ではありませんし、こうした霊的真実に目を向けることで、救われる方も多いはずです。
◆宗教的アプローチなしに解決できないLGBTQ
大切なことは、今世与えられた性で生き切るということが、魂の向上になる側面があるわけです。
故に、LGBTQへの行き過ぎた配慮や同性婚の法制化が、国家としての取るべき道かといえば、魂修行の阻害につながり、神仏がこの地上に男女を置いた本来の趣旨から外れてしまうという考えを訴えて参りたいと思います。
もう一つ、宗教的真実として、LGBTQには憑依現象もあることが、大川隆法総裁の最新刊『コロナ不況にどう立ち向かうか』にて指摘されています。
心の世界は波長の世界なので、怒りや悲しみなどのマイナス感情を持っていると、波長同通の法則で悪い霊が引き寄せられてくるのですが、現在医学では、霊的知識が欠如しているため、これを見抜くことはほぼ不可能でしょう。
性転換を後悔したという人も少なからずおり、米国では、元の性別に戻ったという人が8%ほどいるという調査もあり、特に、性転換手術は後戻りできないため、慎重さが求められます。
男女を創造され、お互いに磨きあっていく環境を与えてくださった神仏の心を踏まえて、私たちはLGBTQの人たちに理解を示しながらも、彼らの魂修行を応援していく道を示していきたいと思います。