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現代の「禁酒法」から飲食業界を守れ! 【後編】

https://youtu.be/WUmB2EbzOOE
(6月9日収録)

幸福実現党党首 釈量子

◆行政による「飲食店潰し」は関連業界に波及する

行政によって血祭りにあげられたのが、飲食業界ですが、その倒産のウネリが、取引業者や関連業界にも波及しつつあります。

帝国データバンクによると、新型コロナの影響で倒産した企業数は昨年2月から6月15日までで累計1,606社に上り、そのうち16.5%にあたる265社が「飲食店」、次いで「建設・工事業」が156社となっています。

また、「飲食店や宿泊業の倒産に伴い、こうした業種から修繕や電気工事などを請け負っていた中小の事業者が連鎖的に倒産するケースが増えている。緊急事態宣言が再延長となれば、更なる増加につながる懸念もある」としています。

連鎖倒産が予想される業界は「建設・工事業」に止まりません。

実際に、飲食業界と密接な「飲食料品製造業」は-6.2%、「飲食料品卸売業」は-5%と大幅に減収し、氷やおしぼり業者なども大変な苦境に陥っているようです。

◆中小企業の約3分の1が「過剰債務」に

飲食業界を中心に暗雲が立ち込めるなか、2021年4月度の全国の企業倒産件数は、50年間で「最少」を記録しています。

これは「実質無利子・無担保融資」など、緊急避難的な金融支援が、企業の資金繰りを一時的に緩和しているわけですが、今後計り知れない「副作用」につながる恐れも予想されます。

具体的には、企業の経営状態にこだわらない緩慢な貸出が横行したことで、経営側のモラルハザードを誘発してしまい、気が付いた時には「売上減少、借入増加」によって、本業での償還が難しい「過剰債務」に陥る企業が続出するという恐れが言われています。

東京商工リサーチが4月下旬に行った調査によると、実に法人の99.7%を占める中小企業の約3分の1がいま「過剰債務」にあるとされ、この夏を境に倒産が一気に増える展開が現実味を帯びてきていると分析しています。

◆底をつきつつある「雇用調整助成金」

また、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対し、従業員の雇用を維持することを目的に給付されている「雇用調整助成金」の財源も底をつきつつあるとも報じられています。

雇用調整助成金は特別会計の一つ、労働保険特別会計の中の「雇用安定資金」が財源にあたりますが、2019年度末には1.5兆円もあった資金が、2020年度末には864億円にまで一気に激減しています。

政府は21年の通常国会で臨時特例法を制定し、一般会計からの投入で雇調金の給付停止はひとまず回避されましたが、今後倒産企業が急増し、失業者が大量に出た場合、失業給付等に回るはず財源が枯渇しているという事態に直面する可能性も否めません。

実際、東京都の財政調整基金の残高は、19年度末9345億円もあったのに、20年度末には21億円と、約99.8%減少しています。

◆いまこそ必要な「抵抗権」

考え方を転換すべき時が来ており、それが「抵抗権」です。

幸福実現党としては、前述の旭酒造の意見広告の主旨に全面的に賛成で、それ以外の業種でも、勇気をもって営業を継続する経営者の判断には、心からの声援を送りたいと思っています。

「お上に従順に従う」という姿勢は、一見、日本人的には美徳に見えますが、政府や自治体の言い分がエビデンスとして根拠に欠け、理不尽な命令を乱発している最中にあるわけです。

抵抗権とは「人民により信託された政府による権力の不当な行使に対して人民が抵抗する権利」とされ、17世紀イギリスの思想家ジョン・ロックの社会契約論でも認められた正統な権利であり、無秩序に暴徒化するのとは全くもって異なります。

自由に対する侵害に対しては、根本的な人間の生存権があるので、国の行政命令や、不当な法律に対して、「抵抗する」という努力もするべきです。

もはや、全ての業種の全ての損害を政府が請け負うことなど出来やしませんし、国家財政破綻は必定でしょう。

そして変異株の流行が続くことが予想されている以上、「自らの生活は自らで守る」という姿勢がどうしても必要となっているわけです。

そして、行政においては飲食店を血祭りにあげ、経済を破壊するのをやめて、一刻も早く「通常モード」に戻すべきでしょう。

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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