コロナ禍で政治家が合法的買収?国民の血税を使ったそのカラクリ【前編】
https://youtu.be/JYfiPWmgdO4
(8月28日収録)
幸福実現党党首 釈量子
◆政府の「大盤振る舞い」
政府は、中国発新型コロナウイルス対策で一次補正、ニ次補正を合わせた財政支出は120兆円を超え、「大盤振る舞い」を行っています。
個人への一律10万円の定額給付金や事業者への休業補償をはじめ各種補助金が配られていますが、もともとは国民の血税です。
今回は、国や地方のバラマキの実態について考えてみます。
◆たった千円で高級ホテルに宿泊できる?
この夏、政府による「GOTOトラベルキャンペーン」が行われ、政府は「観光復興支援策」として総額1.7兆円を投じました。
おかしいのは、県や市も全く同様の補助金を計上していることです。
例えば、北海道は「どうみん割り」、さらに網走市では「さぁ、網走に行こうキャンペーン」があり、たつの市では「たつのおもてなしキャンペーン」があるそうです。
国と県と市と併用が可能なところも多いため、千円札1枚出せば高額の宿泊費が賄えてしまうというケースもあるようです。
このような地方自治体の取り組みを可能にしたのが、国からコロナウイルス感染症対策として配られた「地方創生臨時交付金」です。
一次補正で1兆円、ニ次補正に2兆円、休業要請に応じた事業所への協力金などに幅広く活用できるとされています。交付金を希望する自治体は実施計画を国に提出でき、すべての自治体が我も我もと手をあげました。
その額は、人口7〜8万ぐらいの市で約10億円ぐらいです。小さな町や村でも数億円です。
◆地方自治体の困惑
自治体ごとの交付金の振り分けについては、「人口」「感染率(人口当たりコロナ感染者数)」「財政力指数(税収など自治体の稼ぐ力)」の指標に応じて配られています。
稼ぐ力の弱い自治体には比較的手厚くなる配分になっており、使い道に苦慮する自治体もあるようです。
こうした自治体の困惑を見越したのか、内閣府からは懇切丁寧に100以上の補助金事業の実例集がホームページにアップされておりました。
例えば、旅行券の他に、グルメ券、商品券、高齢者、妊婦への補助金、また図書館パワーアップ事業として蔵書を増やしたり、巣ごもりを支えるものです。
また、文科省から昨年より計画に上がっている「GIGAスクリール構想」は、小中高校生にタブレットを配るものですが、コロナ問題で前倒しで実施されています。
合わせて「地方蘇生臨時交付金」で市や町の議員全員にもタブレットを配布して、オンライン議会であるとか、ネット配信をするそうです。
「持続化給付金」に関しても国・県・市がそれぞれ同じような事業支援の給付があり、国や県の給付の併用も可能です。
このように自治体が交付金の使い方がわからずに、国の政策にぶら下がるようにばらまくことは問題ですが、それを望む国民にも問題があります。
◆一銭も出さずにエアコンを5台つけた家庭
ある市では春先から建築業界の仕事が減ったことで、その負の連鎖を止めるため住宅リフォーム補助金を設けました。
リフォーム工事に関わる経費の一部補助で、エアコンが買えるため、補助金をフル活用してお金を一銭も出さずに、エアコンを5台もつけた家庭があったそうです。ちなみにこの市の感染者数はゼロです。
それから、ある自治体は水道の基本料金を数ヶ月無償化したのですが、無償化していない周辺の自治体の住民から不満の声が上がり、他の自治体もバラマキや無償化をやらざるを得なくなっているそうです。
多くの組長に圧力が働き、「この方面にいくらの補助金をつけました」、あるいは「我が市は県内で一番早く配りました」と競っている話が耳に入っています。
(つづく)