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【政策比較:教育】幸福実現党は、なぜ無償化に反対するのか 

http://hrp-newsfile.jp/2019/3652/

HS政経塾スタッフ 遠藤明成

◆政策比較:教育無償化を巡る主張

まず、高校・大学教育の無償化に関する各党の公約を比較してみます。

与党と野党の違いは「所得制限」の有無です。

そして、野党のほうが、大学の学費減免の規模が大きいのが特徴です。

(以下、消費税増税賛成は「賛」、反対は「反」で表記)

・自民党「賛」:年収590万円未満の世帯で私立まで含めた実質無償化。低所得者向け奨学金拡充。
・公明党「賛」:同上+大学の学費減免の促進、所得連動返還型奨学金の拡充。
・日本維新の会「反」:教育完全無償化(幼児教育~大学)
・立憲民主党「反」:国公立校の学費半減。私学助成の拡大。給付型奨学金と無利子奨学金の拡充
・国民民主党「反」:大学の学費減免拡大。所得連動返還型無利子奨学金の拡充。
・共産党「反」:高校以下の完全無償化、大学学費半額、奨学金無利子化、給付型奨学金の拡充

(※自公政権は無償化の対象を現行の年収380万円未満から590万円にまで広げる案)

現在、教育無償化に反対しているのは、幸福実現党だけです。

幸福実現党は、所得水準に応じて、無利子や給付型なども含めた「奨学金制度の拡充」は掲げていますが、その枠を超えた「無償化」に反対しています。

◆無償化反対から推進に転じた自民党

教育無償化で注意すべきなのは、現在、無償化を推進する安倍政権は、旧民主党政権の教育無償化や子供手当てなどを「バラマキ政策だ」と批判していたということです。

17年5月に、安倍首相が憲法改正案に無償化を入れることを提言したのは、「日本維新の会」を取り込むための戦略でした。

維新の会は改憲案(※)で教育無償化の拡充を掲げているので、そうすれば「改憲」への支持が取り付けられると見込んだわけです。

(※「法律に定める学校における教育」はすべて「公の性質」を有するとして幼児教育から高等教育までを無償化するとした〕

◆「大学無償化」の現状

そして、本年5月10日に、衆院選で自公政権が公約した「無償化」が法案として成立しました。

この「無償化」というのは、消費税の増収分を財源に、政府が就学支援金を出し、保護者の負担を「ゼロ」にする仕組みです。

来年4月から、年収約270万円未満の世帯(住民税非課税世帯)は上限額まで教育費を支援され、年収270万~380万円未満の世帯は段階的に支援されることが見込まれています。

★学費減免の上限額

(以下、入学金/授業料)

・国公立大:約28万円/約54万円
・私立大:約26万円/約70万円

★給付型奨学金の上限額

(以下、自宅通学/自宅外通学)

・国公立大:約35万円/約80万円
・私大:約46万円/約91万円

旧民主党とは、所得制限などの違いがありますが、結局、「お金を配る」という行為である点は同じです。

◆教育無償化で無視された論点

安倍首相は、2017年に「貧困の連鎖を断ち切り、家庭の経済事情にかかわらず、子どもたちが夢に向かって頑張ることができる日本」をつくるという名目で、無償化推進に転じました。

教育のチャンスの拡大が、その大義名分となっています。

また、教育費低減が少子化対策につながることや、高齢者よりも若年層へのほうが投資効果が高いことなどが挙げられています。

しかし、そこには抜けている論点があります。

その一つは、日本では、公立校が受験指導能力を失い、子供たちが塾通いを余儀なくされた結果、高い教育費が必要になっているということです。

「公立校の学力向上を抜きにして、お金を配ることで格差是正を図る」という考え方は、問題の根本解決をなおざりにしています。

そのため、無償化を訴える各党は、公教育関係者の票を失わないために、公立校の学力再建にはまともに論じていません。

◆教育無償化が生む「三つの問題」

(1)無償化によって、教育の質が下がる

無償化すれば、当然、高校や大学の入学者は増えます。

そして、学校の収入が底上げされた結果、自由競争の中ではつぶれる学校も生き延びられるようになります。

これは、裏を返せば国の経費で入学者を増やし、学費を負担し、本来、市場から退出する学校をつぶさないため政策でもあるわけです。

また、学ぶ意欲がない学生が「タダだから」という理由で進学するという問題もあります。

その結果、学校の教育レベルが下がります。

(2)私学の自由の形骸化

また、教育無償化は生徒の奨学金負担という形で、間接的に私学を支援するので、政府の私学への介入が強まる危険性があります。

日本の教育行政は「金を出す時は口も出す」というやり方になっているからです。

私学は、自由な教育のためにありますが、政府のお金が流れるようになると、それが形骸化する危険性があります。

(3)財源負担が公平ではない

その財源が消費税であるため、結果的に、教育無償化は、子供のいない世帯から集めたお金を子供のある世帯に移転させる政策になっています。

消費税を無償化の財源とした場合、中卒や高卒で働いている現役世代(経済統計では生涯年収が低いとされる)の人たちが払った消費税で、次世代の大学生の学費を賄うという矛盾も生まれます。

これで大卒の人が有利な会社に就職できるのならば、前世代と次世代の間での不公平が実現するわけです。

◆教育無償化に反対。公立校の立て直しが必要

既成政党は、無償化がいかに有意義な政策かを語っていますが、その問題点は無視されています。

そのため、幸福実現党は、そのデメリットは無視できないと考え、無償化に反対しています。

所得水準に応じた、無利子や給付型などの「奨学金制度の拡充」は掲げていますが、それは「実質無償化」となるほどの規模ではなく、学費そのものの減免などはうたっていないわけです。

奨学金による低所得者層への支援は想定していますが、最重要課題は「公立校の立て直し」にあると考えています。

塾に行けなければ不利になるのなら、お金のある家庭が自動的に受験に有利になるからです。

本来は、公立校の立て直しこそが、貧富の差に関係なく、夢を追える社会をつくるために必要です。

幸福実現党は、世の流れにこびず、正論を貫き通してまいります。

【参照】

・各党公約は、各党HPを参照

・時事ドットコム「高等教育無償化法が成立=来年4月施行、低所得世帯向け」(2019/5/10)
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遠藤 明成

執筆者:遠藤 明成

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