憲法改正に必要なのは高く貴い理想―今こそ、「新・日本国憲法試案」を世に問う【後編】
http://hrp-newsfile.jp/2017/3173/
幸福実現党兵庫県本部たつの市地区代表 和田みな
◆「新・日本国憲法試案」
我が党は、2009年5月の立党から約1か月後、「新・日本国憲法試案」を発表しました。
この憲法によって成し遂げたいことは「自由の創設」です。
平和・繁栄・自由を基本理念とした国家を創り、未来型の国家を創りたいと考えています。憲法の議論が加速している今こそ、「新・日本国憲法試案」の理念を世に問いたいと思います。
1.平和
「新・日本国憲法試案」の第一条は、「国民は、和を以て尊しとなし、争うことなきを旨とせよ。また、世界平和実現のため、積極的にその建設に努力せよ。」から始まります。
日本国民は、聖徳太子の十七条憲法以来、「和を以て貴しと為す」ことを基本理念に、平和で寛容性のある国家を建設してきました。
東京大学の名誉教授である平川祐弘氏が3月15日付の産経新聞「正論」の中で、この「和の精神」である寛容の素晴らしさに触れ、「今度、日本が自前の憲法を制定する際は、前文に『和ヲ以テ貴シトナス』と宣べるが良くはないか。(中略)日本発の世界に誇り得る憲法理念ではあるまいか。」と述べておられます。
日本国の憲法に最も相応しい理念が「和の精神」なのです。
また、聖徳太子の憲法では「和の精神」を大切にしながらも、6条には、善を推し進め、悪をみては必ず正せ、という勧善懲悪の理念も入っています。
平和を愛さず、自国民を苦しめ、他国を侵略しようとしている国に対して弱い態度を示すことは悪を増長させ、さらなる大きな悪を侵させてしまうことになります。
日本の真の平和主義はそのような見せかけの「平和主義」であってはいけません。
2.繁栄
「新・日本国憲法試案」の第11条には「国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し(以下略)」とあります。
財産権を守ることは、近代憲法の最も大切な部分、近代立憲主義の本来の目的でもあります。
「新・日本国憲法試案」はスリムながらも、近代憲法の核心部分が成文化されており、現在の政治家のように票のための増税をする「バラマキ政治」から国民を守り、憲法に増税の防波堤をつくることが目的です。
そして、これによって個人が自由に繁栄するチャンスを得ることができるのです。
3.自由
「新・日本国憲法試案」の前文には「われら日本国国民は、神仏の心を心とし、日本と地球すべての平和と発展・繁栄を目指し、神の子、仏の子として本質を人間の尊厳の根拠と定めここに新・日本国憲法を制定する。」とあります。
この部分は初代神武天皇以来の日本建国の精神を現しています。
天上界の理想を地上界に実現するために天から降りてきた存在である私たちが、天上界にあるような理想の国を地上界に実現することが日本建国の理念でした。
天皇陛下はその肉体子孫であり、その日本国民の崇高な精神の象徴です。
一方で、世界には生まれながらに罪の意識を背負って人生を送っている人々や様々な差別や唯物論国家の中で苦しんでいる人が多くいます。
だからこそ、日本国民は「神仏の子としての自由と尊厳」を人間の尊さの根拠として明確に謳い、崇高な理想をもう一度掲げるべきです。
そして、一人一人が神仏の子として尊重され、自由からの発展を体現することが世界の人々への福音となるのです。
今、世界中で苦しんでいる多くの人々がその想いを共有することができれば、日本は精神的に世界のリーダー国家になることができるのです。
◆今こそ「新・日本国憲法試案」を世に問う
「新・日本国憲法試案」は、日本の歴史や伝統、文化に基づきつつ、近代憲法の要点を押さえ、人間の神仏の子としての自由と尊厳を守る新しい時代の憲法です。
安倍首相は自分の総理在籍中に憲法改正をする、ということが目的になり、憲法改正の高い理念や志を失っています。戦後初の憲法改正は力のいる大きな仕事になるでしょう。
支持率の高い安倍首相であっても容易なものでなく、妥協せざるを得ないという気持ちもわかります。
しかし、だからこそ、憲法改正には高く尊い理想が必要なのではないでしょうか。
その理想が国民の心を動かした時、憲法改正への動きを後押しする力になるはずです。2020年に憲法を改正し、日本を世界に輝く理想国家にするために、「国民の心を打つ」正々堂々とした憲法議論が必要です。
参考:
「新・日本国憲法試案」https://hr-party.jp/policy/constitution/
平川祐弘「正論」(2017年3月15日付「産経新聞」より)http://www.sankei.com/column/news/170315/clm1703150005-n1.html
憲法記念日にあたって(党声明)https://info.hr-party.jp/press-release/2017/4402/
安倍首相による憲法改正発言を受けて(党声明)https://info.hr-party.jp/press-release/2017/4415/
執筆者:和田みな