このエントリーをはてなブックマークに追加

アメリカにみる民主主義の新しい形

http://hrp-newsfile.jp/2017/3065/

HS政経塾第6期生 坂本麻貴

◆トランプ大統領に対するイメージ

地元でふれあい訪問をしながら皆様の声を聞いて歩いていると、「トランプ大統領になって本当に大丈夫なの」「テレビを見ているととんでもないね」と言った声をよく聞きます。

テレビや新聞を見ていると、移民のアメリカ国内入国を禁止したり、メキシコとの国境に壁を造ると言って実際予算組ませたりと、「有言実行だが『政治』のやり方を知らない暴君」というような報道が多いかと思います。

◆イスラム移民に対する入国拒否について

2月5日(日)の日経新聞の一面に、「米入国制限 司法の壁」という大きな見出しがでていました。トランプ大統領がイランやイラクなど7か国のイスラム系の国からの入国を禁じ、シリア難民他すべての国の難民受け入れも停止した大統領令に対する記事です。

結局司法が入国制限措置を一時差し止めたことで、3日から7か国の入国が再開しています。

しかし、特にメキシコからの入国者の中には、犯罪や薬物を持ち込んでくることも多いため、これをくい止められるかどうかはアメリカにとって非常に大きな問題です。

またイスラム教徒の中にISISのようなテロ因子が混じっている以上、トランプ大統領の入国制限が一概に人権侵害だとは言い切れない部分もあるかと思います。

◆日本が見習うべきアメリカ精神の源

アメリカとイスラム圏、ヨーロッパあるいは日本との1番の違いは何でしょうか。

民主主義国家なのか軍事国家なのか、大統領制か、主力産業の違い、人口の違いなどいろいろな切り口はありますが、1番大きな違いは、私は神を認めている国かどうかと、更にその宗教が多神教的か一神教的かというところではないかと思います。

「アメリカ独立宣言」には、

『We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.–』

(自明の真理として、すべての人は平等に造られ、創造主によって、一定の奪いがたい天賦の権利を付与され、そのなかに生命、自由および幸福の追求の含まれることを信ずる。また、これらの権利を確保するために政府が組織された)【[注]「人権宣言集」岩波文庫(2014)第66刷 高木八尺他編】

という箇所があります。また、「忠誠の誓い」には、

『I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and to the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.』

(私はアメリカ合衆国国旗と、それが象徴する、万民のための自由と正義を備えた、神の下の分割すべからざる一国家である共和国に、忠誠を誓います)

とあり、これを公立学校では毎朝唱和しています。

「忠誠の誓い」は議会でも暗唱され、アメリカは実質的に神の下に民主主義を行い、宗教立国しているのです。

これとは反対に、フランスでは「ライシテ憲章」で、学校などの公の場所に一切宗教的なものを持ち込まないという憲章をつくっています。

例えば、大きなロザリオやイスラム教徒の女性が被るスカーフなどです。

フランスも移民の多い国で、宗教間の衝突が問題になっていますが、フランスでは宗教を排除することで摩擦を避けようとしました。

しかしその結果、イスラム教徒との間に大きな溝をつくることになり、ISISのテロの原因にもなりました。

◆「神」の下の民主主義

元々アメリカは移民の国であり、移民にとってアメリカは「夢の国」でした。そのためプロテスタントが多いものの、多様な信仰をもった人たちから成り立っています。

その多様な神様を信じている人民をまとめるために、アメリカでは「神」を『キリスト』であるとか『アッラー』であるとか、ひとつの信仰の対象に絞ることをせず、ただ「神」であるとしました。

つまり、宗教間で起こるかもしれない摩擦を、それぞれの宗教を認め、それぞれの神の下に平等であるとして成功しているのです。

神道のような多信仰とは少し違いますが、多様な神の存在を否定していないという点で多信仰的だと言えるのではないでしょうか。

イスラム教の国家は典型的な一神教で、他宗教に対して(宗派によって多少違いますが)排他的です。

宗教の問題は、宗教を排除することでは解決できません。自分の信じる宗教だけが正しく、後は排除されるべきだという考えにも限界が来ています。

日本が目指すべき政治体制は、民主主義は民主主義でも、すべてを包含する「神」の下の民主主義を、アメリカと共に進めていくべきだと考えます。

※参考文献
・ジャン・ボベロ著(2009)「フランスにおける脱宗教(ライシテ)の歴史」白水社
・高木八尺他編(2014)「人権宣言集」岩波文庫第66刷 
・大川隆法著(2016)「トランプ新大統領で世界はこう動く」幸福の科学出版

坂本麻貴

執筆者:坂本麻貴

HS政経塾6期生 

page top