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日本はトランプ・プーチンと手を結び、強靭なエネルギー政策を確立せよ【前編】

HS政経塾第5期生 表なつこ

アメリカの次期大統領にトランプ氏が決まり、ロシアのプーチン大統領の訪日も迫るなど、日本を取り巻く国際情勢はますます変化しています。この観点から日本の生命線であるエネルギー政策を考えてみたいと思います。

◆日本のエネルギー事情と中国の海洋進出

日本のエネルギー自給率はわずか6%(2014年度)で、そのほとんどを輸入に頼っています。全原発が停止していた2014年度の一次エネルギー供給の構成比は、水力・再生可能エネルギー8%、天然ガス25%、石油41%、石炭26%であり、実に92%を化石燃料に依存しています。(※1)

その化石燃料は、原油の8割以上、LNG(液化天然ガス)の3割程度を中東に依存しており、これにオーストラリア、インドネシア等からの輸入を加えると、原油・LNG・石炭の9割程度が(※1)、南シナ海など南側のシーレーン(海上交通路)を経由して日本に輸入されています。

※1 経済産業省「エネルギー白書2016」

現在、南シナ海では中国が一方的に領有権を主張し、人工島を建設するなど軍事拠点化を進めていますが、今後もし中国が南シナ海を実効支配した場合には、日本へのエネルギー供給は、ほぼ完全に中国に支配されることになります。

アメリカは、中国の軍事拡張を問題視し、定期的に米軍の艦船や航空機を派遣する「航行の自由作戦」を行っています。中国は、これに対抗して、「アメリカの介入によって南シナ海の問題は過熱し、複雑・拡大した」とアメリカをけん制、自国を正当化しようとしています。

日本もアメリカや東南アジア諸国と協調して、中国の不当な海洋進出を阻止するために毅然とした対応を取るべきですが、少なくとも日本の安定したエネルギー供給を考えると、このような政情不安定な地域だけに生命線を置いておくべきではないでしょう。

◆原子力は命綱

そのための方策として、まず、ひとたび核燃料を装荷すれば長期にわたって国内でエネルギーを生産できる原子力発電の比率を、大幅に増やすことです。

日本の発電電力量に占める原子力の比率は、東日本大震災前の2010年度には29%でしたが(※2)、民主党政権の原発停止政策によってゼロまで落ち込み、自民党政権に戻ってからも、原子力規制委員会の厳しい新規制基準により、再稼働がほとんど進んでいないのが現状です。

※2 電気事業連合会 「電源別発電電力量の推移」

また、原発立地県で原発再稼働に慎重な知事が当選し、再稼働の障害になっています。鹿児島県の三反園知事は川内原発を停止することができず、再稼働を事実上容認しています。

しかし、新潟県の米山知事は前任の泉田知事と同様に原発再稼働に反対の姿勢を崩しておらず、世界最大の原発(総出力約820万キロワット)である東京電力・柏崎刈羽原発が全く動かず、首都圏の電力コストが高止まりする異常事態が続いています。

幸福実現党は、国の安全保障に深く関わる原子力政策に地方の首長が介入することを防止するため、原子力政策への地方の関与のあり方を見直す必要があると考えています。

政府は地方の選挙結果によらず、エネルギー安全保障と経済成長の両面から原発が必要であることを国民に明確に発信し、国の責任において原発の再稼働を進めていく必要があります。

◆化石燃料も絶対に手放せない

しかし、残念ながら、原発を全て再稼働し計画中の原発を新増設したとしても、日本のエネルギー供給には不十分です。電気の約3割が原発で供給されていた震災前の2010年度でも、日本の一次エネルギー供給に占める原子力の比率は、わずか11%しかありませんでした。(※3)

※3 経済産業省「エネルギー白書2012」

これは、エネルギー資源は工業生産の原料や輸送用燃料(国防を含む)など、さまざまな場面で使われており、電気として消費されているエネルギーは一部に過ぎないことが原因です。

経済成長とともにエネルギー消費の「電化」が進む傾向にありますが、最も基本的なエネルギー使用の形態である「燃焼」は、今後数百年経ってもなくならないでしょう。

よって、現在の日本には原油・LNG・石炭など化石燃料の輸入を確保することが不可欠であり、南側のシーレーンに過度に依存しないよう、多様なエネルギー資源の輸入経路を持つ必要があります。

【後編】へつづく

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幸福実現党・及川外務局長、トランプ次期米大統領選出で「ドル高円安に」

http://www.sanspo.com/geino/news/20161210/pol16121005000004-n1.html

【主な内容】
アメリカで受け入れられたトランプ氏の政策とは?
日本への影響は?経済への余波は?など

表奈就子

執筆者:表奈就子

幸福実現党・東京都本部江東区代表 HS政経塾第5期卒塾生

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