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大学入試改革によるゆとり教育復活の危機

幸福実現党神奈川県本部副代表 HS政経塾 第4期生 壹岐愛子

◆新テスト導入は教育改革になりうるのか

文部科学省は、「大学入学者選抜改革」として2020年度から大学入試センター試験を改め、新テストを導入する計画です。現在大学側と文部科学省で会合が繰り広げられていますが、様々な問題が浮き彫りになっております。

たとえば開催時期は1月のままで変更なしにも関わらず、記述式になれば、多数が受験する私学は「採点が間に合わない」問題も発生してきます。

対策として、文部科学省が解答文字数の少ない一部の問題を、大学入試センターで採点する案を新たに検討しているなど、制度面において大学側に大幅な負担を増やし、大学入試に携われる関係者を混乱させております。

◆公平性が疑問視される「思考力・判断力・表現力」重視の新テスト

文部科学省による「大学入学者選抜改革」は、「確かな学力」のうち「知識・技能」を単独で評価するのではなく、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価します。

従来の「教科型」に加えて、「合教科・科目型」「総合型」の問題を組み合わせて出題する予定です。新しい試験では「人が人を選ぶ」個別選抜を確立していくことに重きを置き、将来的には「総合型」に集約する方向性です。(文部科学省ホームページより)

この背景には、従来のセンター試験方式は、知識の再現を一度の一斉試験で問うもので「評価が偏っている」とみている点があるからです。しかし、本当に評価は偏っているのでしょうか。

大学入試で一定期間みっちり勉強して基礎学力をつけることはその後の人生において必要なその人の胆力を鍛えることにつながります。

テストで合理的に判定されることは悪いことではなく、努力した人が報われる点においては至って公平な評価です。

むしろ改革後に重きをおく「思考力・判断力・表現力」を評価する方式では、採用する人の考えによるところもあり、恣意的な介入が入る可能性は十分にあり公平を保つことは難しくなっていくでしょう。

◆ゆとり教育がもたらした、学力低下と不登校増加

知識の詰め込みを悪とする考えは、ゆとり教育の再来を感じさせます。2002年にゆとり教育が本格的に導入されてから日本の子供の学力は大幅に低下し、結果的に私立受験や塾通いする子供が増大し、公立高校の存在意義を貶めることになりました。

また、ゆとり教育が本格的に始まってから、不登校生数も増えているのが実状です。

大学入試で培った経験はたとえ志望校に合格しなかったとしても、努力した経験は糧となり、その後の大学、社会で生きていくための強さを養うことにもつながります。

これまでの大学入試は知的訓練を行う上での大きなモチベーションにつながっていることを見落としてはいけません。

◆学校・塾間で切磋琢磨していくことが質の高い教育を生む

学力を底上げしていくことは、国家を下支えしていく大きな力になります。

今回の「大学選抜制度改革」により、知識を教えることを主としていた塾の存在は大きく揺らぐ可能性がでてきます。

しかし、塾のようにサービス・質の高い教育があるからこそ、日本はゆとり教育後もなんとか世界上位クラスの学力を維持することができました。

今、国家がすることは大学入試の制度の中身を変えることではなく、公教育にそのものの質を上げ、切磋琢磨していく環境を整備してくことです。

幸福実現党は、教育分野に市場原理を導入する必要性を掲げ、全国学力テストの公開、教育バウチャー制度の導入など、学校間での競争を促してまいります。

壹岐 愛子

執筆者:壹岐 愛子

幸福実現党神奈川県本部副代表 HS政経塾4期生 川崎から日本の未来を考える会代表

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