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「要注意“ピケティ”ブームに備えよ!」【前編】

※今注目されている経済学博士ピケティの「格差と貧困の新理論」について、全2回で、幸福実現党・政務調査会長の江夏正敏メルマガからお送り致します。

文/幸福実現党・政務調査会長 江夏正敏

◆“ピケティ”ブーム

ピケティの『21世紀の資本』という本が売れています。そして、書店ではピケティコーナーが拡充され、マスコミでも、特に朝日系やNHKで持ち上げられています。

ピケティは何を主張し、世界にどのような影響を与えようとしているのでしょうか。私は経済学者ではないので、精緻な議論をするつもりはありません。

しかし、政治に携わる者として、国民・世界人類を幸福にするかどうかは大問題となります。

◆ピケティの主張

では、ピケティは何を訴えているのでしょうか。

簡単に言うと「資本主義には根本的に矛盾があり、貧富の差が拡大してしまう」、つまり「このままでは格差が広がる」と訴えています。

それで、格差を無くすためには、(1)累進課税の強化、(2)資産や相続税への課税強化、(3)世界各国の協力による「資本税」の創設を提唱しています。所得の再分配です。

そのためには「世界各国の政府が協調して、個人の“金融情報を共有”しなければならない」とも言っています。

◆マルクスと同じ!?

「ピケティは、マルクスには影響されていない」とか、「21世紀の資本主義を守るため」と言われていますが、単純に見れば、マルクスと同じ結論です。

もっと俗っぽく言えば「相続税をもっと取れ」「資本家からもっと収奪せよ」「金持ちが悪いんだ」となります。

◆ピケティ理論を実践すると

ということは、ピケティ理論を実践した国は貧乏になります。国は発展・繁栄しません。いかにマルクスとの関係性を否定しても、結論が同じなのですから。

マルクスの理論を実践したソ連、東欧などの東側は、すべて没落したので、歴史的に実証済みです。

さらに個人情報を全部把握し、資産を管理するために、巨大な徴税権を持つ官僚独裁国家への道に入ってしまう危険性があります。

◆ピケティの位置づけ

ということで、朝日系やNHKが持ち上げている段階で、ピケティの素性がわかってしまうのですが、フランス社会党の経済顧問をつとめているので、一般的には中道左派とされています。

つまりピケティ理論は、大きな政府を目指すので左翼が喜びます。さらに、増税理論なので財務省が喜びます。

ピケティ理論は、国を貧しくする危ない経済理論ということなのです。

◆ピケティ理論の問題点

ピケティ理論は、今まで学者が手を付けていなかった「各地方に残る古文書」を発掘し、20カ国以上の200年間のデータを駆使しているので、反対派も決定打が出せず、各方面で賛否両論が巻き起こっています。

少し雑にはなるかもしれませんが、ピケティ理論、もしくはピケティ理論から導き出される今後の政治的動きを予想して、問題点を指摘していきたいと思います。

◆資本主義で豊かになった

資本主義では格差が広がると言っているのですが、もっと大きな時間で見ると、昔の単純な農耕社会では、一部の王侯貴族を除いて、多くの人は貧しかったはずです。

当時は、格差はあまりなかったでしょう。産業革命が起き、富を集中して工場などを造り、大規模・効率的に事業が回り始めて、膨大な富が創造されていくと、国全体が豊かになって行きました。

発展段階においては、劣悪な労働環境の問題などもあったかもしれませんが、資本主義のおかけで、国民が豊かになったのは事実です。

◆「大きな政府」は社会主義への道

資本主義は便利で効率的なシステムであって、善悪の問題ではありません。それは、資本(お金など)を集中して、大規模な事業を興し、多くの富を生み出すことができるのです。

その際、その便利で効率的なシステムを、正しく使うための倫理が必ず必要となります。

今の資本主義には倫理が必要なのであって、税金で吸い上げて再分配する「大きな政府」は、社会主義そのものとなり、人間を幸福にしません。

◆相続税、資産・資本課税、累進課税の強化は、大企業が弱まり雇用不安を生む

また、資本の集中によって、大きな事業が可能となり、多くの雇用を生むことができます。

社会保障の究極は、国民に職があるということです。大きな会社は、それだけ多くの人を雇うことができます。ありがたいことです。

しかし、ピケティ理論の結論からは、累進課税、相続税、資本課税を強化していくことですから、大きな事業を継続しにくくなり、小さなお店ばかりが生き残るようになってしまいます。

これでは、国の発展・繁栄は難しく、国民を養うことができなくなります。

(つづく)

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江夏正敏

執筆者:江夏正敏

幸福実現党政調会長 

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