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地域貢献・国際貢献から考える新たな大学像

文/幸福実現党秋田県本部副代表 三國佑貴

◆国際観光文化都市の創造へ

10月4日、国内最大の文化の祭典「第29回国民文化祭あきた2014」が、皇太子殿下ご臨席のもと、秋田県立武道館で開幕しました。

皇太子殿下は「東日本大震災以降、初めて東北で開催される国民文化祭。多くの困難に立ち向かっている方々に夢と希望を与えるものとして、大きな役割を果たすことを期待しています」とお言葉を述べられました。

約1ヶ月間に渡って、秋田県内全市町村が舞台となり、美術、文芸、音楽、舞踊、伝統芸能、アートプロジェクト等、多彩な事業が展開され、日本、そして世界から、多くの観光客が訪れます。

秋田県は6年連続で、小、中学校の学力テストにおいて、全国上位を占めている教育立県です。その理由として、質の高い文化、美術、芸術を愛し、理解する心が、秋田全土に根付いていること、これが要因のひとつではないかと考えます。

◆国際教養大学(AIU ※Akita International University)の躍進

秋田の新しい文化創造、国際化を強力に推進しているのが、開学10周年を迎えた、AIU(公立)の存在です。

2010年4月、国際基督教大学、立命館アジア太平洋大学、早稲田大学国際教養学部と、AIUがグローバル4大学交流協定を結び、2012年には上智大学が加わりました。

そして先月、文部科学省より、世界レベルの研究を行う大学を支援するための「スーパーグローバル大学」として、AIUが選定され、総額15億円の助成を受けることが決まりました。

世界に拡がる160を越える大学と提携、世界26ヶ国、全国47都道府県から学生が集まり、約9割の学生が、キャンパス内で24時間生活しています。秋田市の郊外に「世界の縮図」とも言えるような多文化共生の空間ができあがっています。

Pharrell Williams – Happy (We are from AIU) #AIUHAPPYDAYS #国際教養大学 #HAPPYDAY
https://www.youtube.com/watch?v=8klvHb1N-V8 

24時間365日開館している図書館は「学習意欲を喚起する本のコロッセウム」をテーマとした、半円のユニークなデザイン。多くの学生達が、寸暇を惜しんで知的格闘に励んでいる姿は、緊迫感に満ちており、決闘前のグラディエーターの姿を彷彿とさせられます。

◆国際教養大学の知られざる地域貢献力

AIUは、県内の6市町村と国際交流に関する交流協定を結び、留学生や、大学訪問の受け入れを実施。2013年実施回数は215回、参加留学生は1100人以上にのぼります。(国際シンポジウム、県職員と合同の国民文化祭委託事業、地元小中高生たちとの交流 ※由利本荘市、留学生による着物姿秋の観光キャンペーン、等々)

学生が県内の小、中学生に英語を教え、教員が小中高の先生に英語指導をするという取り組みも始まっています。

また、卒業生による秋田発のプロバスケットボールチーム(秋田ノーザンハピネッツ)の立ち上げ、東アジア調査研究センター(AIU内)主導の、日露関係強化に向けたロシア沿岸部産業育成、海外展開に意欲のある企業に向けた「攻める秋田企業応援プロジェクト」などが進んでいます。

AIUは年間で約40億円の経済効果(消費や県内生産の誘発)をもたらしており、県内のグローバル化と産業活性化に大きな貢献を果たしています。

国際性に加えて「大和の心」を学んだ多数の海外留学生が、県内企業や、日本有数の大手企業で活躍しており、全国の大学関係者、国内メディアから注目を集めています。

◆大学の教育改革から世界の担うリーダーの輩出を

以上のように国際教養大学のような、これまでの既存の概念にとらわれない理念を持った大学から、国際性とチャレンジ精神があふれる学生がどんどん輩出されることは、大学がある地域ばかりではなく、日本の発展を促し世界への貢献にも繋がっていきます。

東京オリンピックも2020年に開幕致しますが、これを契機にこれまでの既存の大学にはない新しい発想に基づく大学を創設し、政治や経済、芸術をはじめ、宇宙開発や海洋開発などにも国際貢献する世界のリーダーを日本から輩出していくことが求められます。

≪参考≫
・国際教養大学(AIU)学校案内
・産経2014.9.27 10.5
・月刊「事業構想」2014年9月号
・第29回国民文化祭・あきた2014プレガイドブック
・秋田県大型観光キャンペーンガイドブック

三國佑貴

執筆者:三國佑貴

青森県本部副代表

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