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科学技術立国こそ世界No.1国家日本への道

文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一

◆小保方氏のSTAP細胞に集まる国民の期待と疑惑

「STAP細胞はあります!」――。

今月9日、STAP細胞の論文が不正と認定された問題で、記者会見した理化学研究所の小保方晴子氏は記者たちを前にはっきりと述べました。この記者会見を視聴した国民の多くが彼女の言葉に聞き入り、インターネット調査によれば半数以上の視聴者が彼女の言葉を信じるという結果となりました。

一方、多くの幹細胞研究の専門家らにとっては、今回の記者会見でも新しく科学的根拠を示すデータが得られなかったため、捏造騒動以降、STAP細胞の存在は仮説の一つに戻ったままです。

もちろん捏造を疑う人たちも「小保方氏はSTAP細胞を作っていなかった」と100%証明することはできません。しかしだからこそ、「STAP細胞はある」という論文執筆者側に論文の確からしさを証明する説明責任があります。

ゆえに今、この問題を収束させるために必要なことは、もう一度、小保方氏ら研究メンバーがSTAP細胞の実験研究をする場を整え、真実をはっきりと突き止めることです。

大手新聞社も「STAP細胞は科学史上の大輪の花なのか、幻の花なのか、(中略)本人を理研の再現実験に加えればいいと思うが、どうだろう」(4/10朝日)、「最大の関心事である『STAP細胞が本当に存在するのか』については、研究不正の有無とは別問題として検証が不可欠だ」(4/9読売)としており、小保方氏の研究への国民的期待は決して揺るいでいません。

STAP細胞の研究に成功すれば、新たな再生医療の道が開かれ、巨大な市場創造につながります。

すでに香港中文大学の李教授はハーバード大学のヴァカンティ氏の手法の応用に取りかかり、STAP細胞の正しい作成手法を特定できた可能性があると発表しています。

ゆえに理研が責任を負えないならば、政府が小保方氏を守り、早急に実験研究の環境を整えなければなりません。

◆理研に本来の資本主義精神を

さて小保方氏の論文に不正があったとする問題で、早期に理研は小保方氏一人の問題であるとして、トカゲの尻尾切りと批判されてもおかしくない判断をしました。

しかし理研研究者への聞き取り調査によれば、理研のトカゲの尻尾切り体質は小保方氏の問題に限ったことではありません。

例えば理研は総計3000人程の研究者を抱えておりますが、そのうちほとんどは単年度契約での雇用であり、1年間で研究成果を出すことを求められます。

さらに研究予算の枠が決まってから実際に使えるのは12月からであり、実質2~3ヶ月で研究成果を出さなければなりません。「これでは思うような研究ができない」というのが研究者の実感であり、資本主義精神に満ちたリスクを取った研究がやりにくい環境にあるといえます。

昭和の初め理研は「理研コンツェルン」といわれる産業団を形成し、理研発のベンチャー企業群の数は実に63社に上ります。理研は研究者自らベンチャーを設立し、事業展開の仕組みを確立した実践的パイオニア集団でした。

安倍政権は理研を新しく特定国立研究開発法人とし、日本の技術立国構想の中軸に据えようとしていましたが、いずれにせよ、研究者が自由にリスクをとって研究をし、理研発ベンチャー企業群が続出していくような環境を整えていくべきです。

◆国は正しく研究開発に助成し、世界No.1を目指せ!

さて日本が今後、さらに成長し、発展していくためには、科学技術立国を果たし、産学連携により新産業・新企業群を生み出し続けていくことが不可欠です。そのためには政府が正しく研究開発に助成していくことが必要です。

しかしながら筆者の聞き取り調査によれば、毎回同じ研究グループ、しかもそれ程成果の上がっていない研究グループに予算が配分されているという声を聞きます。政府はこうした声を知っているのでしょうか。

このような悪循環に終止符を打ち、智慧と情報と技術、そして富が自由に交わることができる日本を創造することこそ、世界No.1への道であると確信します。

川辺 賢一

執筆者:川辺 賢一

HS政経塾2期卒塾生

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