英国の増税失敗に学べ!――消費増税はアベノミクス失敗を招く
6割の企業が消費増税を懸念
毎日新聞が4月中旬に行った主要企業アンケートによれば、約9割の企業が景気の現状を「回復」「緩やかに回復」と回答し、「景況感の改善が鮮明になった」と評価しています。(5/4 毎日)
しかし、来年4月に現行の5%から8%に引き上げられる予定の消費増税については、「懸念はある」と答えた企業が58.7%で、「懸念はない」の16.5%を大きく上回っています。(同上)
日本の主要企業は、アベノミクスに一定の評価をしつつも、消費増税について懸念していることが分かります。
円安株高が調整局面入
安倍首相は3月の参議院財政金融委員会で、消費税率の引き上げについて「来年4月から8%にするかどうかは今年(2013年)の4月から6月までの四半期のGDPなど経済指標を見て、10月ごろに判断する」と述べています。(3/27 NHK)
日本経済は昨年末から回復基調に入っていますが、このまま景気回復が順調に進むのかについては、慎重な意見も増えています。
昨年末から順調に上昇して来た株価も、4月以降、調整局面に入っています。
これまでの株価上昇は、マネタリーベース増加の効果というよりも、「円安」により、輸出企業が株高を牽引して来たと言えます。
しかし、円/ドルレートは、1ドル=99円53銭(4/11)、99円50銭(4/21日)、99円00銭(5月5日)と、日銀がいくら金融緩和しても「1ドル=100円の壁」を突破することができない状況です。
その背景には、米財務省が日銀の金融緩和策が円安・ドル高につながったことについて、「競争的な通貨切り下げを慎むよう引き続き迫っていく」と発表し、日銀の円安誘導に警戒を強めていることが挙げられます。(4/13 日経「米財務省『緩和後の日本注視』円安誘導をけん制」)
消費増税が景気の腰折れを招く
アベノミクスが調整局面に入る中、その効果が実体経済にまで反映し、地方経済や中小企業まで含めた業績が改善し、給料がアップするまでには、数年単位の時間を要すると見られています。
その間に消費増税を行えば、景気回復に冷や水を浴びせることになり、消費が落ち込むことは不可避です。
これは車のアクセルを吹かしながら、ブレーキを同時に踏み込むようなもので、経済は前に進まなくなります。
付加価値税(日本の消費税に相当)増税で失敗したイギリス
アクセルを吹かしながらブレーキを同時に踏み込こんだ例として、イギリスの例が挙げられます。
イギリスは2008年9月のリーマン・ショック後、中央銀行であるイングランド銀行が米国を上回る速度でお札を大量に刷り続け、量的緩和政策によって、ポンド安に成功。2010年秋までに景気が回復基調にありました。
ところが、個人の消費意欲を示す「消費者信頼度指数」は、2010年後半から急速に悪化し、皮肉にも五輪聖火リレーが始まるころから再び下落します。
ロンドン五輪の経済効果が出なかった理由は、キャメロン政権が「緊縮財政路線」を決め、「付加価値税率」を17.5%から20%へ引き上げたからです。(【参考】2012/7/29 産経「景気無視の増税は必ず大失敗する 五輪効果不発の英国の教訓」田村秀男)
英国は量的緩和政策で景気が回復基調に入ったにもかかわらず、「付加価値税」の引き上げで消費が落ち込み、再び景気を停滞させました。
その後、リーマン・ショック時の3.7倍の量的緩和を行っても、英国経済が浮上しなかった教訓を日本も学ぶべきです。
今こそ、消費税増税をストップせよ!
幸福実現党の大川隆法総裁は「アベノミクスは、私が三年半前からずっと言っていることを、そのままやっているだけです。私が言っていないのは、この後の消費増税だけです。『これは駄目だ』と言っています。 2%の経済成長をつくっても、増税をかけたら、経済成長はストーンと急にゼロになります。景気の腰を折ったら税収は減ります。マイナス成長に変わると思います」と述べています。(3/17 山口支部法話「時代を変える信念の力」)
消費増税は、日本の経済を再び、「失われた20年」へと引き戻します。
新聞各紙の世論調査でも5~6割が「近い将来の消費増税」に反対していますが、私たち国民は参院選を通じて、政府に対して明確に消費増税反対の意志を示す必要があります。
幸福実現党は来る7月の参院選においても一貫して「消費増税中止」を訴え、「減税&規制緩和」路線で企業の活力を高め、日本経済を元気にして参ります。皆さまのご指導ご支援を心よりお願い申し上げます。
(文責・政務調査会・佐々木勝浩)