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「反米反基地」の報道被害に苦しむ町(上)

昨年10月16日、沖縄県中部で2名の米海軍兵士による20代女性に対する暴行致傷事件が起きました。

在日米軍によりますと、二人の容疑者は補給業務を支援する通常業務のため、10月14日から米軍嘉手納基地(沖縄県)で従事しており、16日にグアムに移動する予定でした。

つまり、出張先の沖縄での、わずか3日間の滞在の間に起こした事件であったのです。

外務省はルース駐日大使に「強い遺憾の意」を表明し、再発防止と綱紀粛正を申し入れましたが、米国政府は誠実な対応を約束しています。

米国防総省も米海軍も「県警が捜査を遂行できるよう、協力し支援する。兵員による違法行為を含む事件を真剣に取り扱う」とコメントしています。

そのこと自体、かつて犯罪者が野放しにされていた本土復帰前とは状況が一変しているのではないかと思います。

暴行致傷事件については、今年3月1日の那覇地裁の裁判員裁判の判決で、米兵2名それぞれ懲役10年と懲役9年の判決が言い渡され、両被告が控訴しなかったため、3月18日には実刑が確定しました。

被害者に対しましては心からのお見舞いを申し上げます。また、二人の米兵に対しましては、被害者へ心からの謝罪をし、罪を償って人生をやり直していただきたい、と願ってやみません。

ちなみに、この事件については沖縄の二紙いずれも翌朝刊の一面で取り上げましたが、事件が起きた日は、中国の軍艦7隻が初めて与那国島と西表島の間の接続水域を航行した日でもありました。

翌10月17日の産経新聞朝刊は「中国軍艦七隻通過 対日示威米軍分散狙う」との見出しで一面に報じました。

対する沖縄の二紙は、琉球新報7面(総合欄)にて「中国海軍7隻が与那国沖通過尖閣接続水域は入らず」、沖縄タイムス26面(社会欄)「中国艦7隻が与那国沖通過台風避けるため」と、わずかな内容で、まるで中国政府のスポークスマンを買って出ているような記事でした。

産経新聞には「中国国防相は『通常の訓練と航行であり、正当で合法だ』とコメントした」とありますが、今後とも中国海軍の軍事演習をこの海域を通過して行うということを通告したようなものです。

しかし、沖縄の二紙にはその記述が全くありませんでした。「県民に何を知らせるべきなのか」という視点で考えたときに、全くバランスを欠いた報道であると言わざるを得ません。

ところで暴行致傷事件の3日後、昨年10月19日に在日米軍は、日本に滞在する全ての米軍兵士に、午後11時から午前5時までの夜間外出禁止令(オフリミッツ)を発令し、続いて12月1日には、基地外での飲酒禁止令(基地外でのアルコール類の購入も禁止)を発令しました。

その後、2月13日に在日米軍司令部が発表した「勤務時間外行動指針(リバティー制度)」では、全ての米兵が階級に関係なく、基地外での飲酒を午前0時~午前5時まで禁止し、時間を制限して基地外での飲酒を認めましたが、沖縄県だけは、その後も基地外での禁酒令が継続中です。

米軍人のオフリミッツや禁酒令がもたらす経済的影響は甚大で、基地に隣接する町は今、ゴーストタウンと化しつつあります。

基地周辺に住む人々は、お互い助け合って米軍と共存共栄し繁栄する街を作り上げる努力をしてきただけに、今までの努力を一瞬にして無にしてしまう力が働いていると言っても過言ではないでしょう。

例えば、ある飲食店街では、44店舗中36店舗が休業状態になっており、営業している8店舗の内訳は、3店舗が1~2名の客がいる程度で、他の5店舗の客はゼロでありました。

私は現場を回り、店主の方々から、次のような悲痛な本音をお伺いしました。

「衣料品・お土産品・食堂・雑貨店等、昼夜問わず経営に行き詰っている。」

「ある店では休業に追い込まれ、その上、家賃や固定経費などが出るので、借金しないとやっていけない。」

「外出禁止令発令以来、配達が激減し、納品が大量に低下しました。このまま営業しないわけにはいかないが、休業も考えないといけない状況になっている。」

「外出禁止令が発令される前に何百万円もかけて店舗をオープンしたが、現在は店を閉めて家賃だけを払っている状態で苦しんでいる。」

「13店舗の飲食店を経営しているが、今では3店舗、しかも金・土しか営業出来ない。」

「沖縄市は、本当にゴーストタウンになっている。普通の日は歩く人もいない。ましてや観光団もいない。これでは、店が潰れるのを待つしかない。」

あくまでも、米軍人の外出や飲酒を許可するのは米軍当局ですが、米兵による民家のベランダへの侵入、酒気帯び運転、住宅侵入傷害、一方通行を逆走、民家・施設の敷地内の侵入等、どんな軽微な犯罪でも逃すまいと執拗に事件を追いかけているマスコミの過熱報道と、議会による「県民の生命と人権を守るためには、兵士の基地外への外出を禁止するしか方法はない」との抗議決議により、禁止令が解ける状況ではありません。

さて、「実態は如何に」ということですが、沖縄のマスコミからは伝わって来ない、驚くべき事情が見えてきました。(つづく)

(文責・幸福実現党沖縄県参議院選挙区代表 金城竜郎)

金城 竜郎

執筆者:金城 竜郎

幸福実現党 沖縄県本部副代表

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