メタンハイドレート開発を進め、「資源大国」を目指せ!!
19日の報道によると、政府は「メタンハイドレート」の実用化を目指し、来年1月からアメリカの大手エネルギー会社と共同で採掘実験を行うことで合意しました。
メタンハイドレートは天然ガスの一種で、メタンガスと水が結びついて氷状になったもので、日本近海の海底にも豊富な埋蔵量が確認されており、石油などに代わる新たなエネルギーとして期待されています。
今回の合意では、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構がアメリカの大手エネルギー会社・コノコフィリップスと共同してアラスカ州北部で採掘実験を開始。
地下1000メートルまで井戸を掘り、陸上でどの程度の量のメタンガスを採掘できるのかを検証し、海底からの採掘の実用化につなげていく方針です。
「資源小国」といわれる日本ですが、実は日本近海には、莫大な資源が眠っていることが分かっています。
特にメタンハイドレートは世界有数の埋蔵量を誇っており、1996年の時点でわかっているだけでも、天然ガス換算で7.35兆m3(日本で消費される天然ガスの約96年分)以上と推定されています。
さらに、尖閣諸島近海の海底には、実にイラクの埋蔵量に匹敵する石油が眠っていると言われ、天然ガスなどを含めると、日本は世界有数のエネルギー資源大国になれる可能性があるのです。
なお、中国が尖閣諸島の領有権を主張しはじめたのは、こうした調査結果が明らかになった直後であり、中国の海洋進出の一端がこうした日本の海洋資源確保を目的としているのは明らかです。
しかし、残念ながら、技術とコスト面などから、日本ではこうした海洋資源の採掘がほとんど進んでいません。
メタンハイドレートに関しては、2001年~2008年で基礎研究、2015年までが実証研究、2018年まで技術整備を行い、その後、商業ベースに乗せるという、かなりゆっくりとした計画が組まれているだけです(独立法人・科学技術振興機構ホームページより)。
そうした採掘技術開発の最大ネックになっているのが、我が国の政治家のビジョンと指導力の不足、そして予算でしょう。
実際、今回の共同採掘実験で、日本側の石油天然ガス・金属鉱物資源機構が負担する費用は、わずか700万ドル(5億4000万円)に過ぎません。
もちろん、実験の規模にもよりますが、民主党による「子供手当て」(初年度2010年度の総支給額が約2兆2500億円)などのバラマキ予算と比較すれが、いかに少ないかが分かります。(ちなみに、日本の国家予算における科学技術関係予算の総額は約4兆円です)。
幸福実現党は、増税によらない景気回復によって経済復興を実現し、しっかりとエネルギー戦略を実行し、日本の科学技術の発展と国家の繁栄を実現して参ります。
(文責・矢内筆勝)