“大政翼賛会”化する日本のマスコミ
「すべての国民の皆さまへ――社会保障と税の一体化について」――政府は12月4日、全国紙と地方紙すべてに、日本の社会保障制度を維持するために消費税が必要だとする政府広報(全面広告)を掲載しました。(PDF⇒http://p.tl/hfJ3)
その主旨は「社会保障費は毎年1兆円以上も増えていく。社会保障を維持するためには、税制の抜本改革(消費税増税)が必要。消費税は公平感のある税金であり、一番景気に左右されない。政治家として覚悟を決めて決断する」という内容です。
「国民の血税を大量に使って、国民に増税の必要性を訴える」という、全く不届きで“オカシイ”広告ですが、もっと“オカシイ”のが、翌5日に掲載された「社会保障と税の改革―消費増税は避けられない」と題する朝日新聞の社説です。
その主旨は「社会保障費は毎年1兆円ほど膨らんでいく。制度が破綻しないよう、見直していかねばならない。社会保障費をまかなう税には、すべての世代が負担し、税収も安定している消費税がふさわしい。野田首相は『私が先頭に立って政府・与党内の議論を引っ張る』と強調した。不退転の決意で取り組んでほしい」という内容です。
論理や文脈まで政府広報とそっくりな、見事な「提灯(ちょうちん)記事」です。
なぜ、朝日新聞がここまで、政府・民主党に迎合して、“大政翼賛会”的に政府の「消費税増税」政策を後押ししているのでしょうか?
日本BS放送報道局長の核心リポート「“影の首相”おぞましい増税“裏工作”…広告会社にも強烈圧力」に以下のように記載されています。(夕刊フジのWEBニュースサイト「ZAKZAK」⇒http://p.tl/OYH6)
・「増税反対」の世論が高まるなか、焦燥感を強める財務省は必死の裏工作を展開。
・11月半ば過ぎ、複数の大手広告代理店に、財務省の勝栄二郎事務次官からFAXが届いた。代理店社員がいう。「税と社会保障の一体改革が大詰めを迎えている。PRしたくよろしく、という趣旨でした」一見、何の変哲もない文章だが、強烈なプレッシャーだという。
・「広告代理店にとって、政府広報は大きな収入源であり、政府は最重要クライアントの1つ。その元締めである財務省トップからのFAXは『何をしている。消費税増税キャンペーンで知恵を絞れ』という暗黙の圧力です」(代理店幹部)
「政府広報が大きな収入源」であるのは、新聞社も同じです。財務省が広告代理店を使って、アメとムチによってマスコミを巧みに操る――そんな構図が見えてきます。
さらに、以前から幸福実現党が指摘してきたように、朝日新聞をはじめとした大手新聞は、毎日紙面で「増税増税」「増税やむなし」と扇動する一方で、その裏でちゃっかりと「日本新聞協会」を通して、消費税の「軽減税率の適用」を政府に求めています。(日本新聞協会HP「税制改正で経産省に要望」⇒http://p.tl/Mfoz)
つまり、新聞業界だけ「軽減税率」によって消費税を軽減してしてもらう代わりに、紙面で「増税キャンペーン」を張り、政府の増税路線に協力するという、新聞業界と政府の「裏取引」がなされている可能性が「大」なのです。
このように、官僚に操られ、マスコミと“連立政権”を組んだ、民主党・野田政権が推し進めているもの――それは、政府・官僚・マスコミが一枚岩となった「国家社会主義」に他なりません。
中国共産党政権や北朝鮮にも似た、左翼政権による日本版・一党独裁政権の出現であり、鳩山、菅に続く、「国難」の到来と言えるでしょう。
幸福実現党の大川隆法名誉総裁は12月10日、幸福実現党・ついき秀学党首と「国家社会主義への警鐘」と題する公開対談を行い、民主党政権下で混迷を極める現代日本の進むべき方途を指し示しました。
ぜひ、多くの方に、日本に迫り来る危機の本質を知って頂き、共に日本を国難から救う運動に参画頂きたいと思います。
(文責・矢内筆勝)