このエントリーをはてなブックマークに追加

日台の理想実現を目指す地方議員としての日台友好活動

茨城県古河市議会議員 古川一美

台湾の頼清徳氏の新総統就任式が5月20日に行われました。

就任式直前の5月中旬に、台湾を訪問し、新政権に待ち受ける試練や日本の重要性をお聞きして、日本への期待感を大変強く感じました。今回は、その訪台記録をお伝えさせていただきます。

最初のきっかけは、昨年10月の幸福実現党・日台友好議員連盟の訪台です。

有志議員18名で訪問し、台湾の民進党立法委員(国会議員)、シンクタンクの識者の方々と意見交換を行いました。その後、シンクタンクの識者を党本部にお招きし、帰朝報告会を行うなど交流を深めてきました。

地方議員として個人的にも信頼関係を深めていきたいと思い、帰国後メールのやり取りをしていた立法委員の方に、選挙の勝利のお祝いを伝えに台湾に再訪したいと連絡したところ、立法院の研究室で会えるというお返事をいただきました。

そこで、幸福の科学東アジア本部の王本部長や政党スタッフにも同行をお願いし、前回お世話になったシンクタンクの識者ともお会いできることになりました。

◆地方議員は、日台関係構築に向けて大きな役割を担える

地元茨城空港から台北に向かい、まずお会いしたのは、蔡易餘(TSAI YI-YU)立法委員です。

蔡委員は、2020年の米大統領選の際、トランプ氏を「過去30~40年で、最も台湾を支持してくれた大統領」と公然とトランプ支持を表明された方です。

その蔡委員の研究室(議員会館)に伺ったのですが、立法院は会期中で、呼び出しのベルが会館中に鳴り響いている大変お忙しい状況でした。それにもかかわらず、限られた時間を割いていただき、再開することができました。

蔡委員からは、「私たちは日本の地方議会と台湾の国会との交流を通じて友情を育むことを非常に大切にしています。

会期が終わったら是非、あなたの地元の古河にも行きたいと思います」と温かい言葉をいただきました。これは通常“ありえない”話です。

普通なら、国会にあたる立法委員と対等なのは、当然、日本の国会です。それを飛び越えて、地方議員との友情を大切にされるのは、いかに日本との関係を重視しているかが伺えます。

帰国後も丁寧なメールを頂き、日本への期待感を感じました。日本にお迎えし、更に交流が深まることを願っています。

◆行政と立法の「ねじれ」で大きな試練が予想される頼清徳 新政権

次にお会いしたのは台湾教授協会会長の陳俐甫(CHEN LI-FU)博士です。台湾教授教会とは、台湾独自の文化やアイデンティティを重視する「本土派」の大学教授ら集まる団体です。

陳博士とは昨年の訪台時にお会いし、幸福実現党の台湾政策をお伝えしたところ、とても感動されていました。

その後、陳博士は台湾のケーブルテレビで「国会議員はまだいないが、台湾を独立国と認め、日台同盟まで主張している政党が日本にあることに驚いた」と、幸福実現党を興奮気味にPRしてくださっていました。

その陳博士と1時間にわたり意見交換を行いました。

以下、陳先生の講話のポイントを紹介します。

「アメリカ、欧州、日本などは台湾海峡の安定に強い関心を示しているが、日本はあまり発言してこなかった。日本は台湾の安定に具体的な行動で関与することが望ましい。

現在、台湾では単独過半数をしめている政党はなく多党制が続いている。しかも、中国の台湾政党への浸透は進んでおり、政策決定が難航し、民主主義の危機を招く恐れがある。特に、台湾の軍事近代化に必要な予算化が阻害されれば、安全保障上重大な影響を及ぼす」

台湾では、今年1月の総統選で、蔡英文氏の流れを引き継ぐ民進党の頼清徳氏が勝利したものの、立法委員選挙では事実上、民進党が敗北し、国民党に第一党を譲りました。いわば、「ねじれ」の状態となり、頼総統が進めたい政策を立法院が阻む危険性があるのです。

◆今の台湾には、目先の利益に走らない、崇高な理想を掲げる宗教政党の存在が必要

「そのような状況の中で、利益集団ではなく、崇高な理想を掲げる理想主義的な政党の台頭が必要である。利益誘導に走りがちな他の政党を監視し、理想主義の回復を促す役割を担う幸福実現党のような宗教政党は、台湾の政治的混迷を収束し、台湾の安全保障を確保するためにも重要だと考える」と、幸福実現党に大きな期待を寄せてくださいました。

陳博士のお話を聞くと、大川総裁がかつて「『理想と現実がぶつかったら、理想が勝たねばならない』と思う人が信仰者なのです」(『君よ、涙の谷を渡れ。』)と語った御言葉が思い出されます。

目先の利益に屈することなく、真実を訴え続ける宗教政党だからこそ、民主主義を守り、その理想実現の担い手となることができるのです。

◆日台問題でも、目先の利益を乗り越えて、正義の実現を

日台問題についても全く同じです。

日本では、日本と台湾の関係について、詳しくは知らない方も多くおられますが、台湾(中華民国)は、中国共産党一党独裁体制の中華人民共和国の一部であったことは過去一度もありません。

台湾はかつて日本であり、日本の敗戦により日本から独立したのです。中国共産党との内戦に敗れた蒋介石率いる国民党が、台湾島にのがれ、別の国家・中華民国として独自に民主国家として発展してきました。

日本が中華人民共和国と国交を結ぶまでは、日本は中華民国(台湾)と国交がありました。しかし、日中国交正常化と引き換えに台湾と断交したのです。

それまでは独立国として認めていたということですが、巨大な中国大陸という目先の利益を優先し、台湾を見捨てたのです。日本が正義を曲げた瞬間でもあります。

ですから、日本は、正義の心を取り戻し、台湾を独立国として国家承認し、国交を回復させ、日台同盟をも樹立していく必要があると幸福実現党は訴えています。

言論による啓蒙活動を推し進めつつ、地方議員としても、台湾との交流を更に深め、アジアの平和に寄与するためにもこれからも活動してまいります。

古川一美

執筆者:古川一美

茨城県古河市議会議員 党日台友好議連会長

page top