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【露朝首脳会談】軍事協力の本格化で北朝鮮の脅威が現実化する。

https://youtu.be/ZlRfh864RTk

幸福実現党党首 釈量子

◆国連には従わないという両国の意思表示か

会談内でプーチン大統領と金正恩総書記が握手をする1時間前、北朝鮮から2発の弾道ミサイルが発射され、日本の排他的経済水域の外に落下しました。

弾道ミサイルの発射は、国連安保理決議で禁止されていますが、国連安保理の常任理事国として当事者のプーチン大統領は、「お会いできてうれしいです」と金氏に話しかけています。

プーチン大統領が弾道ミサイル発射を事前に知らされていなかったとは考えにくく、会談直前という発射のタイミングも計画的なものであると考えざるをえません。

さらに言えば、国連の決定には従わないという両国の意思表示とも取れます。

◆露朝の軍事協力の本格化

首脳会談での具体的な合意内容は明らかになっていませんが、人工衛星や潜水艦など、ロシアから北朝鮮に対する技術協力について話し合われた可能性があります。

プーチン大統領は、「北朝鮮の人工衛星開発を支援するか」という記者からの質問に、「そのためにわれわれはここにいる。(金正恩氏は)ロケット技術に大きな関心を示しており、宇宙開発も進めようとしている」と答えています。

7月にも、ショイグ露国防相が北朝鮮を訪問しており、両国の防衛協力を強化する考えを表明しています。

カービー米戦略広報調整官は今月13日、「もし、なんらかの武器の取引が行われれば、北朝鮮はアメリカや国際社会からしっぺ返しを受けることになる」と警告を発しており、一連の露朝接近に対してこれまで以上に警戒を強めなければなりません。

◆三正面作戦を回避し、外交方針を転換せよ

北朝鮮は昨年9月「核武力政策法」を制定して核兵器の使用条件等を整え、今年の3月には戦術核弾頭を初公開して「戦術核攻撃潜水艦」の進水式も行うなど、北朝鮮の核の脅威は、ますます現実性を帯びています。

そんな北朝鮮と同じく、核を保有するロシアと中国に囲まれた日本は、この三国を一気に敵に回す、いわゆる「三正面作戦」となっている状況をいち早く回避しなければなりません。

ロシア・ウクライナ戦争を停戦に持ち込み、第三次世界大戦の勃発を喰い止めるためにも、ロシアを完全に敵にはしないという判断が重要です。

国際社会においても、露朝会談前にインドで開かれたG20では、共同声明にウクライナ戦争についてのロシアを非難する文言を入れようとして、半数の国が反対するなど、ロシアを悪とする西欧の姿勢には、一定の見直しがかかっています。

一方でプーチン大統領は、西欧諸国に対する対立路線を強めるかのように、金正恩氏からの北朝鮮訪問要請を快諾し、ロシアと北朝鮮は、「欧米の優越思考を打ち砕く」という点で共通しています。

しかし、神仏を否定した共産主義を展開する唯物論国家の中国とそれに追随する北朝鮮の両国と、2020年の憲法改正にて「神への信仰」という文言を加えたロシアとは、本質的に相容れない国だと考えます。

ロシアの隣国である日本は、ロシアに対しての対話の道を閉ざしてはなりません。

ロシアのラブロフ外相は、9月1日の国内での大学で次のように語っており、未だ日本との対話の余地を残しています。

「日本は米国の政策を疑わず愚かに従うことを決めた。悲しいことだ。日本は依然として隣国だ。外交関係を維持しており、これにはわれわれも賛成している。対話にもオープンだ。」

こうしたシグナルを逃さずに活路を見出し、ロシアに対する外交方針を転換するべきだと考えます。

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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