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安倍政権の「実感なき景気回復」 その原因は何?

http://hrp-newsfile.jp/2019/3657/

HS政経塾スタッフ 遠藤明成

◆「家計消費」を語らない自民党

安倍首相は政見放送で、経済政策について、雇用の増加や賃上げなどの成果を強調しました。

自民党の公約をみても、国民総所得や可処分所得の増加などの「よい数字」が並べられています。

しかし、政見放送でも、公約でも、なぜか取り上げられない統計があります。

それは、家計消費です。

国民が景気のよさを実感しているかどうかは消費に反映されますし、参院選は、消費税10%の是非が問われる最後の機会でもあるので、この問題を無視して経済を語ることはできません。

◆実は、家計消費は横ばいに近い

自民党の公約パンフレットでは「消費」ではなく「所得」が増えたことがPRされていました。

・国民総所得:506.8兆円(12年9~12月)⇒573.4兆円(19年1~3月)
・可処分所得:292.7兆円(2012年)⇒302.1兆円(2017年)

伸び率を見ると、国民総所得は13%。可処分所得は3%。

しかし、消費まで見ないと、経済の実態は分かりません。

2012年度から18年度までの消費の伸び率は、所得よりも低いからです。

統計上の家計消費は6000億円ほど増えており(5957億円)、伸び率は2%程度。

これは、GDP統計の中にある「家計最終消費支出」の数字ですが、ここには「帰属家賃」という「みなし」の数字が含まれているので、実態とは違います。

(帰属家賃は、持ち家のある家計が「家賃を自らに支払う」と仮定する。実際のお金は動いていない)

これを引いた「除く持ち家の帰属家賃」での家計消費を見ると、2012年度から18年度までで2000億円程度(2130億円)しか増えていません。

6年間で1%の伸び率なので、ほとんど横ばいに近いのです。

◆近年のGDP統計の傾向

さらに、2012年度から18年度のGDP統計には、以下の傾向があります。

(1)正味での家計消費の伸びが少ない

(2)政府の消費が伸びている

(3)公共投資は増えていない

(4)民間の設備投資が伸びている(※16年度のGDP基準改定での底上げに助けられた)

(5)「輸出ー輸入」の赤字幅が減った

このうち、3つは望ましい傾向とは言えません。

(4)はよい傾向ではありますが、やや上増しの可能性があり、(5)に関しては、単体でよしあしを論じられません。

国内消費が旺盛であれば、米国のように、輸入超過でもGDPは伸びるからです。

◆安倍政権下で、GDPの各項目はどのように増減した?

まず、2012~18年度の実質GDPをみると、50兆円から53.5兆円に増えています。

その6割を占めるのは、家計消費です。

・家計消費:28.6兆円⇒29.2兆円

・家計消費(除く持ち家の帰属家賃):23.6兆円⇒23.8兆円

そして、政府が払う公務員の給料や物品・サービスの購入費などを示す「政府最終消費支出」は、正味の家計消費(約2000億円)の三倍の増額となっています。

・政府消費:10.1兆円⇒10.7兆円

将来のための「公共投資」は500億円しか増えないのに、政府の消費は、その12倍も増えているのです。

・公的資本形成:2.45兆円⇒2.5兆円

民間企業の設備投資は1.5兆円増えました。

・民間設備投資:7.2兆円⇒8.7兆円

そのほか、金融緩和による円安などもあって「純輸出(輸出ー輸入)」の項目は6000億円ほど赤字が減っています。

・純輸出:-8000億円⇒-2000億円

(※その他、民間住宅や在庫などは数百億円程度の変動なので略)

◆やはり、「実感なき景気回復」なのか?

いちばん増えたのは、民間企業の設備投資です。

これは、日本企業が国際競争に取り遅れまいと努力しているためです。

その増加は、金融緩和で金利が下がったことにも助けられています。

また、GDPを国際基準に改定し、近年、増え続ける研究開発費を設備投資に計上したことで、増加分が大きくなりました。

この改定自体に善悪はありませんが、研究開発は実りを生むまでに時間がかかるので、この増加分は、すぐに国民に恩恵が感じられるようなものではありません。

設備投資の増加は将来の成長につながるので、プラスに捉えるべきですが、政府のあり方と家計消費には注意が必要です。

政府消費が伸びても、民間企業で働く国民は豊かさを実感できません。

また、公共投資が増えないことは、国民が使うインフラがよくならないことを意味しています。

◆国民が豊かさを実感できる「景気回復」とは?

現在、安倍首相が訴える、雇用の改善などの「成果」は金融緩和に伴うものが目立っています。

しかし、幸福実現党が09年に金融緩和を訴えた時は、同時に減税を訴えていました。

そうしなければ、国民に恩恵が行き渡らないからです。

金融緩和をすれば、モノに対するお金の量が増え、円安になりますが、その場合、原材料費が上がるので、必需品の値段も上がります。

そこに消費税が上乗せされれば、財布のひもが閉じるのは当たり前です。

円安になれば輸出企業の勢いは増しますが、国内を中心に活動する中小企業がコストアップで苦しむケースが増えます。

やはり、金融緩和だけでは足りません。

そのため、幸福実現党は、同時に消費税5%への減税を目指し、さらなる日本の景気の底上げをはかってまいります。

【参照】

・内閣府HP「国民経済計算(GDP統計)年次GDP実額(実質)時系列データ」
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遠藤 明成

執筆者:遠藤 明成

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