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核シェアリングによる自国防衛

http://hrp-newsfile.jp/2017/3287/

幸福実現党・東京都本部江東区代表 HS政経塾第5期卒塾生 表なつこ

◆日本上空核ミサイル通過の可能性

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は9月22日、アメリカのドナルド・トランプ大統領の演説に対抗する形で、異例となる国家最高位の「国務委員長」名義での声明を発表しました。

これを受けて北朝鮮外相は、太平洋上での水爆実験の可能性に言及しました。

専門家は、北朝鮮が核ミサイルを撃ち、太平洋上空で爆破させる可能性を指摘しています。その場合は、北朝鮮の核ミサイルが、日本の上空を通過することになります。

日本は主権国家として、北朝鮮のこれ以上の暴挙を許してはなりません。

◆日本がしなくてはならないこと

幸福実現党は、2009年に行われた北朝鮮のミサイル発射を受けて立党し、8年間継続して、日本政府に対し国防の必要性を訴えてきました。

今年に入ってからは、緊迫の度合いを増す北朝鮮情勢を受けて、核シェルター設置要請なども含んだ「北朝鮮のミサイルに備えた避難訓練等の実施を求める陳情書」を全国各地の自治体に提出するなど、国民一人ひとりの命を守るための具体的活動を、各地で展開しています。

今の国際情勢を踏まえて日本がしなくてはならないことを、簡単に二点挙げたいと思います。

(1)国民保護の徹底

まず、有事の際に命を守る備えをする事です。今の状況では、いつ、北朝鮮のミサイルが日本に着弾するかわかりません。

スイスでは、災害や戦争、侵略という危機的事態が起こった時、国民が自分の身を護れるように、政府が国民に『民間防衛』という本を配布しています。

日本でもあらゆる事態を想定し、前述した「避難訓練の実施」や「核シェルター」設置に関する法制化などを進める必要があります。

(2)核装備の検討

核兵器は非人道的兵器であり、廃絶することが理想です。

ですが、「核に対抗できるのは核しかない」ということも事実です。

内閣法制局の見解では、日本でも核兵器の保有は否定されていません(※1)。昨年3月の内閣法制局長官の発言で覚えていらっしゃる方も多いと思います。

ただし核兵器保有に関しては、国際条約の縛りがあったり(※2)、国内の法律に反したり(※3)するため、既存の法律との整合性から、日本が自前で開発・配備するには時間がかかると考えられます。

そこで、現時点で日本が自国防衛のための核装備をする方法として挙げられるのが、アメリカとの「核シェアリング」です。

◆ 核シェアリングとは

核シェアリングは、現在、アメリカとNATO内のベルギー、ドイツ、イタリア、オランダの間で結ばれている条約で、アメリカはこの4か国と核兵器をシェアしています。

シェアされた国は、米軍の核作戦計画策定への参加や、核関連情報の共有が認められます。また核兵器運用について米軍と共同訓練をし、有事の際にはアメリカの合意のもと核兵器の使用権を譲り受けることになります(※4)。

日米間でも、この核シェアリング実現に向け検討作業を進めるべきでしょう。

まずは「非核三原則」を撤廃すること、そして相手国の国土に届く武力を持たない現状を改善し「敵基地攻撃能力」を保有することが必要です。

◆自分の国は自分で守れ

幸福実現党は、一貫して北の脅威を訴え続けてきました。

しかし日本政府は、北朝鮮という、国家的命令によって日本人を拉致し自国民を虐げてでも核の力を手に入れようとする隣国に対して、有効な手を打たずにきました。

そして今、日本がこのような危機的状況にあるにもかかわらず、自らの政治生命を優先する政治家によって衆議院が解散され、政治的空白が生まれようとしています。

私達幸福実現党は、北朝鮮のような人権を踏みにじる独裁国家が、核兵器で他国を恫喝し、国際社会で地位を得ようとすることを、断じて容認できません。

また、本当に有効な手段を打たず、パフォーマンスとごまかしだけで日本の状況を悪化させていく今の政治のあり方も、断じて変えなければならないと考えております。

幸福実現党は、この国の未来に責任を持ちたいと強く思います。どうか皆様のご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

※1 否定されていない理由は、国連憲章51条で、各国には「固有の個別的および集団的自衛の権利」があるとされているからです。「自衛のための必要最小限の武力=核兵器、という判断なら、自衛のためなので持ってもOK」と解釈されます。

※2 国連常任理事国以外に核を持たせることを禁じた「核拡散禁止条約(NPT)」や「日米原子力協定」など。

※3 日本の核利用を「平和利用」のみに限った「原子力基本法」など。

※4 参照:郷友総合研究所編『日本の核議論はこれだ』(展転社、平成21年)

表奈就子

執筆者:表奈就子

幸福実現党・東京都本部江東地区代表 HS政経塾第5期卒塾生

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