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天皇陛下の生前退位と憲法9条―日本の政治家よ、今こそ高貴なる義務を果たせ

HS政経塾第5期生 表なつこ

◆天皇陛下が「生前退位」の強いお気持ちを示唆

天皇陛下は、加齢によって、「国と国民のために活動し続ける」という象徴天皇としての信念を果たし続けることができなくなる懸念に対して、「生前退位」のお気持ちがあることを示されました。

このことについて、マスコミ各社が行ったアンケートでは、生前退位を容認する人が多数を占めています。

政府は、来月にも専門家などによる有識者会議を設置して、議論を始める予定です。天皇陛下の生前退位に対して国民の容認があることや、ご高齢である天皇陛下のご体調の観点からも、早急に結論を出す必要があるでしょう。

◆国会の改憲議論に影響も

ただ、天皇陛下が「生前退位」の意向を強く示されたことによって、安倍晋三首相が目指す憲法改正の論議に影響が出そうだとの報道がなされています。(8月11日(木)日本経済新聞など)

7月の参院選で、改憲に前向きな勢力が衆参両院の3分の2を超える議席を確保し、首相は9月の臨時国会から、改憲論議を始めようとしていました。生前退位を最優先課題として検討すれば、改憲議論に遅れが生じそうです。

天皇陛下の生前退位については、論点が膨大なので、今の天皇に限った特例法で対応するという手もあるでしょう。

ですが、このような話題は、本来、象徴天皇のあり方などを定めた憲法と、密接不可分な関係にあるものです。それは、先の大戦における日本のポツダム宣言受諾までさかのぼります。

◆憲法9条と天皇制の切っても切れない歴史

ポツダム宣言は、先の大戦で日本軍の降伏を求めた文書です。日本の完全武装解除や、再軍備を可能とするような産業の禁止、また、しばらくの間、日本を連合国が占領することも規定されていました。

降伏するにあたり一番の問題は、「日本は古来より天皇が国を治め、国民はこれをたすけていく」という「国体」が護持されるかどうかということでした。

そこで、日本政府は、「この宣言は、天皇の国家統治の大権を変更するという要求を含んでいないという了解のもとに受諾する」という条件付きで受諾したのです。

そして、天皇の権限は占領軍の最高司令官マッカーサーの下に置かれることとなり、この占領時下、戦争放棄や、軍備と交戦権の否認、「国民の総意に基づく」と天皇の地位を規定した、現在の日本の憲法ができたわけです。

これが、天皇制の存続と、日本の平和憲法が、ある意味でバーター(取引)のようなものだったと言われるゆえんです。

◆矛盾する状況にある天皇陛下のお立場

話を現代に戻します。

安保関連法案の是非に関しては国論も二分していました。

先に述べたとおり、この7月の参院選で、改憲勢力が3分の2を超えましたが、選挙戦では、改憲勢力の主体である与党自民党は、憲法改正の是非を有権者の皆さまに問うことをしませんでした。

平和憲法の制定と引き換えに「国民の総意に基づく」象徴としての地位にあり続けた天皇が、以上のような、国民の総意があると言えない状況で、平和憲法の根幹にかかわる「憲法改正の交付」をしなければならなくなる可能性がある。

これは、大きな矛盾だと言わざるを得ません。

◆政治家は正々堂々と責任を果たせ

日本国憲法が公表された日、マッカーサーは憲法9条を指し、「これによって日本は本来その主権に固有の諸権利を放棄した」と発言しています。

日本はこのような主権のない状態をいち早く脱し、中国や北朝鮮の軍拡という、現実に迫っている国防の危機に自国で対処できる法改正を急ぐべきです。

ですが、この重大な法改正には、元首の地位が不明確である、今の憲法を改正する必要があります。

対外的に国家を代表する存在が誰かを明確にせずに、万が一軍拡を進める国々と戦争が起こってしまった場合、誰が責任を取るのか。

この点、自民党の憲法改正草案では、天皇を元首と規定しており、天皇陛下が政治責任や戦争責任を負う危険性をはらんでいると言えます。

皇室が2000年以上も連綿と続いてきた要素の一つとして、「天皇が直接政治を執らなかったこと」が挙げられると、明治天皇の玄孫である竹田恒泰氏は指摘しています。(『旧皇族が語る天皇の日本史』PHP新書)

天皇のお仕事とは、今回のビデオメッセージで天皇陛下ご自身がおっしゃっている通り、「国民の安寧と幸せを祈ること」です。

日々国民の幸せを祈ってくださり、清らかな日本の心を体現してくださっている天皇というご存在をお守りするためにも、政治家は現代日本に適合した「国体のあり方」を提示し、国民に信を問う必要があるでしょう。

また、政治家や首相が国民の安全を実質的に守る存在だと、その責任を明確に憲法に記す時期が来たと言えます。

●幸福実現党HP
天皇陛下の「お気持ち」の表明を受けて(党声明)
https://info.hr-party.jp/press-release/2016/3455/ 
宗教立国・国家ビジョン 
https://hr-party.jp/policy/future-nation/

●幸福の科学出版公式サイト
『今上天皇の「生前退位」報道の真意を探る』(大川隆法)
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1712

表奈就子

執筆者:表奈就子

幸福実現党・東京都本部江東区代表 HS政経塾第5期卒塾生

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