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尖閣諸島を守るため、日本はリーダーシップを発揮せよ!

文/幸福実現党・宮城県本部副代表 HS政経塾5期生 油井哲史(ゆい てつし)

◆中国船の尖閣海域航行、新局面へ

中国海警局の公船6隻が8月6日午前、尖閣諸島周辺の接続海域を運行しました。公船周辺では中国漁船約230隻が操業しています。

同日午後には公船1隻が加わり、公船7隻が同時に接続水域に入ることは異例であり、中国漁船の一部も接続水域内に入りました。

これを受け、外務省は在日中国大使館の公使へ2度にわたり、公船の即時退去を求め、厳重に抗議しました。

7日には、中国の公船が午前に2隻、午後には計5隻が領海に侵入(朝日8/8)、過去最多13隻の公船が接族水域を航行し、その周りには400隻の漁船が航行していたとの情報もあります。(読売8/8)

さらに8日には、15隻の中国公船が接続水域を航行し、うち3隻が領海に侵入、公船のうち6隻は「武器のようなものを搭載している」と稲田防衛相は述べています。

公船の領海侵入に対する中国への抗議は、結局4日連続となり、中国船の尖閣海域航行は、新局面を迎えています。

◆中国が狙う尖閣諸島の占拠

近頃、尖閣諸島をめぐる中国の圧力がますます強まっています。6月上旬には尖閣諸島周辺の接続水域で初めて中国軍艦の航海が確認されました。

さらに、6月中旬には中国海軍の情報収集艦が鹿児島県の口永良部島近くの日本領海に進入し、翌日にも情報収集艦が沖縄県の北大東島の接続水域に侵入しました。

軍艦が登場したことにより完全にステージが上がっています。

危惧されるのは尖閣接続水域航行の常態化です。次に軍艦が領海侵犯し、知らないうちに尖閣諸島が占拠されるという事態です。

中国のねらいは、その実現に向け、確実に計画を遂行しています。まさに予断を許さない状態が続いているのです。

日本側がいくら抗議してもこの流れが収まる気配はありません。日本の国防は待ったなしです。中国の暴走を食い止めるためには、日本が「毅然とした対応」を取り、見える形で行動を示していかねばなりません。

◆日本が尖閣諸島を守るために必要なこと

いま尖閣諸島の周辺に海上自衛隊の艦船を2隻配備しており、日本の海を侵犯しないように監視活動を続けていますが、この監視と抑止の構えをしっかりと維持し、強化することが求められます。

そのために同じ価値観を共有する国々が連携し、対応していくことが必要であり、他国の海軍との共同パトロールが考えられます。

日米韓、日米豪、日米印、さらにはアジアの国々とも連携し、共同監視活動を行うことで断固たる態度を示すことです。共同「行動」を通して、一体化した「力」を見せつけるのです。

さらには、海上警備行動を事前に伝達し、抑止力を強化させることです。

海上警備行動とは防衛大臣が海上における人命や財産の保護、または治安の維持のため特別に必要があると判断した場合に命ぜられる、自衛隊の部隊による海上における必要な行動をいいます。

これによって、自衛隊の艦艇はさまざまな制約があるものの「武器の使用」ができるようになり、不正な侵害への対処行動になります。

◆日本は「平和のリーダーシップ」を発揮せよ

近年、東シナ海や南シナ海で膨張しようとする中国に対し、アジア諸国における警戒感が非常に高まっています。中国を抑止するためにアジアの国々は、日本に大きな期待を寄せています。

同盟国のアメリカは、一国平和主義が強まる傾向にあり、内向きの時代に入っています。これまでのような全面的に頼れる相手ではなくなっています。

日本が自分たちの平和を守るための自覚を強め、アジアのリーダーとして「平和のリーダーシップ」を発揮しなければなりません。

自由と民主主義、国際法の遵守といった共通の価値観を共有し連帯を強めることで、多くのアジアの国々と手を携えて、中国包囲網を形成することが重要です。

日本は、アジア諸国を牽引していくという使命を担っていくべきです。

油井哲史

執筆者:油井哲史

幸福実現党・宮城県本部副代表 HS政経塾5期生

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