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スマホの弊害に気付こう!

文/幸福実現党・兵庫県本部副代表 湊 侑子

◆子供たちを取り巻くスマホ環境の危険

現在、携帯電話やスマートホン(以下スマホ)を持っている子どもたちの割合は、高校生でほぼ全員、中学生で60%以上、小学生で55%以上です。

この割合は毎年増えていますが、中でもスマホを持つ率が増えており、小学生は5人に二人、中学生では3人に2人、高校生はほぼ全員がスマホです。(内閣府:平成27年度 青少年のインターネット利用環境実態調査)

便利な一方で弊害も大きく、スマホを使っての動画・写真撮影したものをインターネット上に投稿したいじめが横行しています。

またネット上で初めて知り合った人と実際に出会った結果、性的被害を受けた18歳未満の子供が年間1000人を超えています。

親の知らないところで危険な目に合う子どもも少なくありません。遊び半分での行為が、後の人生に大きな影響を与える可能性を、親も子も認識する必要があります。

青少年インターネット環境整備法では、携帯電話の提供事業者の義務として提供者が青少年である場合、青少年有害情報フィルタリングを提供しなければならないと定めてはいますが、保護者が利用しない旨を申し出た場合は適用されません。

有害サイトを制限するフィルタリングの利用率が50%である現状を鑑み、これ以上犯罪に巻き込まないためにも、フィルタリングをすべての青少年のスマホに適用するべきだと思います。

◆スマホによって失われる大切な時間と未来

家族で食事に出かけても、それぞれにスマホを持ち出し、無言でいじっている姿をよく街中で見かけます。

電車の中でもスマホをいじり、オンラインゲームをするか友達とメッセージ交換をする人ばかりです。そんな中で本を読んでいると、見知らぬ年配の方に「あなたはえらいねぇ…」と声をかけられ、複雑な気持ちになったこともあります。

小学生にスマホを持たせる親の理由としては、習い事をさせるときの連絡用などで渡すことが多いようですが、安易に渡した結果、スマホが手放せなくなり依存症になる子供が多くいます。

スマホの利用時間に関し、小学生は平均で1時間、中学生で1時間半、高校生は2時間半使う、という調査結果も出ています。そして保護者のスマホ利用は平均1時間半です。

スマホに費やすことで犠牲になるのは、勉強や運動の時間、読書や趣味の時間、家族の団らんの時間です。

勉強や運動を通して身に着ける忍耐力や継続の力、読書や趣味を通しての世界の広がりや自分の才能の発見をスマホによって得ることはできません。また家族の結びつきも薄くなります。

青少年の未来や家族の絆を犠牲にするほどの価値があるものなのか、社会全体でよく考える必要があります。

◆スマホを控え、読書によって人生を豊かにする

スマホは疑問に思ったことをすぐに調べることができますし、見知らぬ人がそれに対する回答をしてくれます。

しかし自分の興味範囲までしか広げられず、その先に進むことができません。また知識も表面的です。

対して読書は、全く知らない世界を教えてくれます。特に偉人伝は、別の人生を生きたような智慧を与えてくれます。

一例ですが兵庫県に関する偉人では、戦前の日本人であれば皆知っていた日本最大の忠臣の楠正成、函館の発展に役立った高田屋嘉兵衛、大石内蔵助を中心とした赤穂浪士、鉄道を中心とした関西の街づくりを行った小林一三、一時は三菱や三井をも凌ぐ総合商社を作った鈴木商店の女主人の鈴木よね、マッカーサーに唯一の従順ならざる日本人と言われた白洲次郎などがいます。

偉人の人生に散りばめられた智慧と気概は、必ずや青少年に夢と勇気を与えるでしょう。

読書する習慣づくりは、親が子に与えられる最大の宝物であるとも言われます。

まずは私たち大人からスマホを控え、読書を始めるべきでしょう。

みなと 侑子

執筆者:みなと 侑子

HS政経塾1期卒塾生

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