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保育業界の未来を考える

文/愛知県本部副代表(兼)青年局長 中根 ひろみ

◆「認定こども園」とは

「子ども・子育て支援制度」が、平成27年4月から本格スタートしました。

新制度では、幼稚園と保育所(園)に加えて「認定こども園」が普及され、小学校就学前のお子様をお持ちの方から、その違いを尋ねられることが多くなりました。

新制度では、保育・教育の場が下記のように増えています。

【幼稚園】「※教育標準時間(1号)認定」のお子様を対象とし、小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期教育を行う学校。

【認定こども園】「教育標準時間(1号)」「※保育(2号)認定」「※保育(3号)認定」のお子様を対象とし、教育と保育を一体的に行う施設。

【保育所(園)】「保育(2号)認定」「保育(3号)認定」のお子様を対象とし、就労などのために家庭で保育のできない保護者に代わって保育する施設。

【地域型保育】0~2才を対象にした小規模保育事業や、事業内保育など、地域の状況に対応した施設。

※「教育標準時間(1号)」満3歳以上の小学校就学前の子どもであって、2号認定子ども以外のもの。

※「保育(2号)認定」満3歳以上の小学校就学前の子どもであって、保護者の労働又は疾病その他内閣府令で定める自由により家庭において必要な保育を受けることが困難であるもの

※「保育(3号)認定」満3歳未満の小学校就学前の子どもであって、保護者の労働又は疾病その他内閣府令で定める自由により家庭において必要な保育を受けることが困難であるもの

◆保育の質は向上するのか

「認定こども園」は、教育と保育を一体的に行う施設ということで、「幼稚園と保育園の両方の良さをあわせ持つ」ということが謳われております。

主に私立の保育園では、少子化に伴い、園児を確保するためにも「保育の質の向上」を目指して、切磋琢磨されている園は少なくありません。

私が施設長を務める「保育園」でも、保育内容は幼稚園同様の教育を取り入れ、仏教園ですので「心の保育」にも力を入れています。

また、その逆も然りで、「こども園」だから「保育の質が高い」とは言い切れないのが現状です。

やはり、保育の質を向上させるには、規制を緩和し、新規参入も受け入れていく中で競い合い、切磋琢磨することが大切ではないでしょうか。

◆利用契約と保育料

新制度においても、保育所(園)の利用のしくみや公費の流れは大きく変わりません。

利用者は市町村に認定申請・入所申請をし、保育料を市町村に納め、保育所(園)は、保育を行うための経費を市町村から委託費として受け取ります。

一方、「認定こども園」では、利用者は認定申請・入所申請を園に直接することができ、保育料も園に直接納めます。

◆保育バウチャーの提案

私はこの「直接契約」という方式を、園の体系に関係なく、すべての園で実施することで、保育の質を引き上げられるのではないかと考えます。

その方法としては、就学前の保育・教育に対する「クーポン」を保護者に直接支給し、園は、受け入れた園児の数に応じて決定された補助金額を受け取るという「保育バウチャー」政策です。

園はより多くの利用者を集めるために、質の向上を図らずにはいられません。

公費で成り立つ保育業界の改革も、一筋縄では行かない、手ごわい業界ではありますが、補助金がなくてはやっていけない事業に発展は期待できません。

利用者が園を選択し、利用者と園が直接契約をする体制をとることで、「質の向上」に繋がり、利用者から必要とされるところが発展していく「保育バウチャー」の導入から改革を進めていきたいものです。

中根 ひろみ

執筆者:中根 ひろみ

幸福実現党 愛知県本部副代表(兼)青年局長

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