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ユネスコ記憶遺産登録から考える日本外交

文/幸福実現党・群馬県本部副代表 安永あきら

◆正しいことが通じる外交

世界に対して正しいことが通じる日本の外交姿勢が今ほど求められている時はありません。

今年は戦後70年目の節目にあたり、「安倍談話」の発表によって日本が過去の自虐的な歴史観から脱却し、それによって正しい歴史観を世界に発信するチャンスでもありました。

これまで日本の外交は「弱腰外交」と揶揄されてきましたが、戦後70年を機に外交姿勢が変わる期待感がありました。

しかし、その期待は裏切られたと思っている方々も多いことでしょう。

安倍談話については、一部の保守の識者の方々は、歴史観を前進させたという意味で評価していました。

一方で、それとは真逆の立場から左派のマスコミは、中韓よりに歩み寄ったと評価もしています。

保守と左派の両方から評価を受けるような「たまむしいろ」の談話が、今回の安倍談話であったと思います。

本当は、安倍談話で日本の歴史の正当性をしっかりと発信し、国民が日本の歴史に誇りを持てるような歴史観を世界に発信すべきでした。

◆本来の敵は日本国内の自虐史観

そうした中で、10月初旬に中国がデッチ上げた「南京30万人大虐殺」の歴史がユネスコ記憶遺産に登録されました。今後中国は、「日本は悪い国だった」という「反日宣伝」を世界に対して行っていくことは間違いありません。

ユネスコも、本来の記憶遺産登録の趣旨を逸脱し、特定の国の主張による「政治宣伝」を許してしまいました。その責任はユネスコの姿勢にあることは言うまでもありません。

しかし、日本国の外交戦略、文部科学省の取り組みは、はなはだ「弱腰」で、中国の間違った申請を取り下げさせるための動きは見えませんでした。

◆当初から記憶遺産問題に取り組んだ幸福実現党

その中で当初よりこの問題に取り組んだのが幸福実現党です。釈量子党首が率先してパリのユネスコ本部にも出かけユネスコに対して、中国が申請した資料に対して、批判文書を提出し、中国の記憶遺産登録は認められるものではないと訴えてきました。

こうした幸福実現党の活動については、保守の識者の3人の方も現在発売さている月刊「正論」12月号で紹介してくださっています。

■月刊「正論」12月号 (平成27年10月31日発売)
【特集】「南京」と堕ちたユネスコ・国連」
http://seiron-sankei.com/recent

国内でも幸福実現党の署名活動で政府への早急な対応を求め、また街頭宣伝活動も展開し、「幸福実現ニュース」など全国に配布し啓蒙活動を行って来ました。

◆戦略無くして外交無し

ところが政府与党には、このような「危機感」はまったくなく、外務省と同様に適切な手は打っていなかったのです。それどころか登録が決まってからあわててユネスコに抗議しているような始末です。

このような政府の外交姿勢の根幹には、安倍談話に大きく影響されていると言っても良いでしょう。

国会議員の多くが平和安全保障法案の成立に力を注いでいたかもしれませんが、中国の野望が着々と進められていた時に、日本の外交は単眼的な戦略しか持ち合わせていなかったのです。

「戦略無くして外交無し」、戦略を描ききれない日本外交の見直しは急がなくてはなりません。

今からでも遅くありません。ユネスコ拠出金の見直しを政府は検討していますが、他にもユネスコの規則では、「登録の削除や再評価」をすることができます。

※『ユネスコ記憶遺産・記録遺産保護のための一般指針』「4.8 リストからの削除」(27頁)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2015/07/07/1355545_02_1.pdf

(引用)「記録遺産は、劣化したりその完全性が損なわれたりしてその登録の根拠となった選考基準に適合しなくなった場合、リストから削除されることがある。新たな情報によって登録の再評価が行われ、非適格性が証明された場合も削除の根拠となり得る。」

今後、ユネスコに対して「どの様に対処」させるのか政府・外務省の姿勢が問われてきます。

他にも外交問題は山積しています。強い姿勢を示すことで「拉致人権:北方領土:竹島:尖閣諸島:東シナ海ガス田プラットホーム:強制連行慰安婦問題等など」問題解決の糸口が見えてきます。

幸福実現党としても、今後も自虐史観一掃の取り組みと合わせて強い日本国、自信と誇りを取り戻す国民大運動にして参ります。      

安永陽

執筆者:安永陽

群馬県本部副代表

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