このエントリーをはてなブックマークに追加

戦後70年談話に向けて、必要な「世論づくり」

文/HS政経塾2期卒塾生服部まさみ

◆「安倍談話」を実現できる環境づくり

安倍談話の発表まであと少しです。自虐史観を払拭し、日本の誇りを取り戻す談話は発表されるのでしょうか。

ここで必要になってくるのが安倍談話を実現しやすい環境づくりです。環境づくりとは、政策を実現しやすいように国内外の「世論」を動かすことです。

言い換えれば、国内外に安倍談話を理解してくれる人を増やすことです。

これは、「広報外交(パブリック・ディプロマシー)」と言います。それでは、どのように国内外の世論を動かしていけば良いのでしょうか。3つのポイントを挙げたいと思います。

◆ポイント1「働きかけるターゲット層を明確にする」

ポイントの一つめは、働きかける層を明確にすることです。

新しい談話を発表する場合、特に米国の説得が不可欠です。

一言で米国と言っても、様々な存在があります。オバマ政権、連邦議会や地方議会、民間の学者や識者、メディアなど価値観の異なる人々や機関に、それぞれ効果的に働きかける必要があります。

実は、この方法で米国で影響力を持ってきたのが中国なのです。中国政府と繋がりがある民間団体や個人が票やお金を武器に各ターゲット層の有力な人物に対してアプローチを仕掛けていきます。

例えば、マイク・ホンダという従軍慰安婦問題で日本を非難する決議案可決のために動いた政治家がいますが、この人物に下積み時代から中国は目を付け、「世界抗日連合会」という反日団体を使って動かしています。

また、政治家だけでなく、政権に近いシンクタンクの研究者や大学教授、影響力があるジャーナリストを中国に招待して、手厚くもてなし、研究機関に巨額の寄付を行います。

その恩恵を受けた研究者やジャーナリストは、中国の悪口を書けなくなるという構図が出来上がっています。

06年から11年までの6年間で、米国議会の補佐官を招く回数は、中国が803件で世界一。次に台湾が106件、サウジアラビアが62件と続きます。

それに比べて同盟国の日本は、たった13件しかありません。日本の政府や民間機関は明確な目標を持たず、それぞれがバラバラに活動しているのが現状です。

中国は、お金と人を思い通りに動かし、成功しているように見えますが、一党独裁の政治体制下の偏ったメッセージは国際社会から警戒されているのも事実です。

日本は中国の真似をする必要はありませんが、米国を説得するために何が必要か。どんな論拠でどこを攻めるのか。どの層の誰を味方につけるのか。

明確な目標と戦略を立てて、考え方と行動を決めることが重要です。

◆ポイント2「民間の草の根活動の重要性」

ポイントの二つめは、民間の草の根活動の重要性です。

特に、歴史問題について相手国を説得することは国益がぶつかり合う政府同士では限界があります。

そのため、政府から距離を置いた民間機関や個人が、政府の主張に説得力と正当性が出るように、草の根的に国内外の世論を動かしていく活動が重要になってきます。次に具体案を提示します。

(1)国内外のメディアに寄稿、投稿する

民間の研究機関や大学、個人が自虐史観の見直しを行った論文や意見を数多く、英語で発信していく。

また、日本は、中国が現在、チベットやウイグルで行っていることは非人道的な侵略行為であることを「普遍的な人権を重視する国」の立場として世界に事実を発信するべきです。

(2)日本の歴史についてシンポジウムを開催する

米国のシンクタンクや大学などと共催、または日本の研究機関や団体主催で日本の歴史や文化について様々なシンポジウムを数多く開催していく。

戦後体制だけではなく、聖徳太子がおられた飛鳥時代から民主主義の土壌があったことを伝えることも日本の本当の魅力を伝える上で重要です。

(3)署名活動

現在、幸福実現党が行っている署名活動は重要なカギを握ります。一人でも多くの賛同者が生まれることが国内外の世論を動かす大きな力です。

今後はインターネットなどを使い、親日国での署名活動も視野に入れていく必要があると考えます。

◆ポイント3歴史問題と安全保障は一体

ポイントの三つめは、歴史問題と安全保障は一体であるということです。

日米の保守系の有識者の中には、歴史問題と安全保障は分けて考えるべきだという意見があります。その考え方は、安全保障を「粛々と」進めるための知恵なのかも知れません。

しかし、歴史問題の裏には中国が「日米同盟を破棄させ、アジアの覇権を握ろう」という侵略的意図を持って、宣伝工作を仕掛けている事実があることを見失ってはなりません。

これ以上、謝罪外交を続けるのなら、日本は独立国家として自国を守ることも世界の平和に貢献することもできません。

米国が歴史認識について公正な態度を示し、日本が正しい歴史観に立脚した新談話を発表することは、真なる意味において、強固な日米同盟が堅持されることに他なりません。

それこそが日本を世界の平和と繁栄に貢献できる国家へとクォンタム・リープ(量子的飛躍的)させる道なのです。

服部 まさみ

執筆者:服部 まさみ

HS政経塾2期卒塾生

page top