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新しい国づくりへ――「宗教立国」の大義を掲げて

文/幸福実現党石川県本部副代表 宮元智

◆「人の命は地球より重い」は本当か

現在日本において、福島の原発をめぐる問題、沖縄の基地問題など、明確な結論が出せずに混迷しているさまざまな難問があります。

反核、反原発、反戦、反米軍基地など、さまざまな反対運動がありますが、これらは必ずしも悪意ではなく、人の命を守りたい、という純粋な動機で運動に参加している人も多いのではないでしょうか。

しかし、日本では普遍的な真理のように思われている「人命最優先」は、本当に普遍的な真理なのでしょうか?

「人の命は地球より重い」とは、ダッカ日航機ハイジャック事件(1977年)の際の福田赳夫首相(当時)の言葉として有名です。人の体重と地球の質量ならば圧倒的に地球のほうが重いのですが(約10の23乗倍?) 、人の命と地球の重さは、同じ尺度では測れません。

「人命とは何にも増して尊いのだ」ということの美しい比喩だと解釈するとしても、くだんの福田元首相は、犯人の要求どおりテロリストを釈放したことによって、日本人人質の命を最優先する代わりに他の国の人々の命は危険にさらしてしまうという顛末になってしまいました。

また、沖縄の普天間基地の移転先として反対運動が起きている辺野古の海では、人の命よりジュゴンの命のほうが大事になってきているような気配さえあります。

このように、「人の命は地球より重い」という感性に訴え、共感を得やすい言葉も、普遍的な真理でもなんでもない言葉だということがお分かりになると思います。

◆「人命最優先」が“国是”となった日本

しかし、「人命最優先」は日本の国是となっている感があり、わが安倍首相におかれましても、「河野・村山談話」同様、しっかり継承されているようです。

2013年のアルジェリア人質事件、今年に入っての「イスラム国」による日本人人質事件においても、そのように語っておられます(もっともその一方で「テロには断じて屈しない」とも言っておられますが)。

◆「人命最優先」の奥に潜む唯物論

もとより人命は尊重されるべきですが、これを持ち出されると反対できない空気があります。このあたりが、いわゆる左翼勢力に対して、明確に論駁できないでいる原因の一つなのではないでしょうか。

こうした状況を見ていると、右も左も、戦後の唯物論的思潮にどっぷりと浸ってしまっていると感じます。

◆宗教政党としての幸福実現党の存在意義

こうした中で、「この世とあの世を貫く幸福」を探究している幸福の科学を母体とする宗教性党・幸福実現党の存在意義は大きいと言えます。

すなわち、この世での生存のみを尊いと考えるのではなく、この世の人生は、永遠の生命の中で、魂を向上させていく魂修行の場として尊いのです(「霊的人生観」)。

こうした霊的人生観の前提に立って、地上をユートピアに近づけていこうという幸福実現党の考えは、この世での生存や幸福のみを考えている現代の政治状況の中で異彩を放っています。

唯物論の行き着くところは、結局のところ、「自分さえよければいい」というエゴイズムとなり、「今さえよければいい」という刹那主義となりましょう。

こうしたことでは、「国家百年の計」を立てるべき政治の使命は果たせないし、数年に一度の選挙に勝つことのみに腐心した結果、政治はますます劣化していくことになります。

こうした流れに一石を投じるだけでなく、流れ自体を大きく変えようとしているのが幸福実現党です。

◆「宗教立国」を目指して

宗教に対して、まだまだ偏見が強い現代に、敢えて「宗教立国」を掲げることは、「日本を決して唯物論国家にしない。また、唯物論国家の属国にはしない」という強い意志表示でもあります。

神仏や宗教を蔑ろにし、精神的主柱を失った民族は、その誇りも失い、滅びるか、他国の隷属化に置かれるしかありません。

「宗教立国」を掲げることは、わが国に精神的主柱を取り戻し、日本の誇りを取り戻すことに直結します。

◆新しい国づくりを!

戦後の一貫した歴史認識の中で、先の大東亜戦争は、日本が起こした無謀で残虐な侵略戦争だったとされていますが、真実は、祖国防衛と、アジア解放のための、日本神道系の神々の意思を体した“聖戦”でした。

これを世に認めさせることは、まさしく“クォンタム・リープ”と言っていい大転換です。この歴史認識の大転換をやってのけ、戦後体制の総決算をし、新しい国づくりをやっていこうというのが、幸福実現党の志であり、気概です。

かつて聖徳太子は、十七条憲法の中で、「篤く三宝を敬へ。三宝とは仏・法・僧なり」(第二条)と述べておられます。堂々たる宗教立国、仏教立国の宣言です。

かつての聖徳太子の理想を、現代に新しい形で実現することが、幸福実現党の使命でもあります。

その使命は、限りなく大きいものでありますが、国家百年、人類数千年の未来を拓く気概で精進してまいりたいと思います。

一人でも多くの方々が、「幸福維新の志士」として目覚め、この新しい国造り運動に参画されますことを祈念致します。

宮元智

執筆者:宮元智

幸福実現党 石川第2選挙区支部長

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