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日本の海上防衛を考える(2)――中国漁船は九州でも

文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩

◆日本に多大な損害を与えた中国漁船

前回、小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域に現れた中国のサンゴ密漁船は、中国当局の指示で動いていると推定されることを明らかにしました。

日本の海上防衛を考える(1)――中国サンゴ密漁船の実態
http://hrp-newsfile.jp/2014/1887/

もう一方で日本側が考えなくてはならないことは、今回の中国船のサンゴ密漁が多大な損害を日本の漁業に与えたことです。小笠原島漁協・代表理事組合長の菊池勝貴氏はこう語ります。

「(中国漁船は)密漁してサンゴを傷つけるだけでなく、網で海底を荒らしていく。サンゴが育つ場所は魚たちのすみかです。貴重な資源が破壊されると、元に戻るまで数十年はかかると言われています。私たち漁師は、一か月以上も漁ができない日が続き死活問題です。」(12/10朝日)

ちなみにAPECが迫る中で、外務省は中国に配慮して中国船のサンゴ密漁を公表するまで3日間も黙っていました(11/7産経)。自国の漁民の安全や生活より中国への配慮を優先したのです。

今でも遅くはありません。外交ルートを通じて漁民のみなさんへの損害賠償請求を中国側に起こすべきではないでしょうか。サンゴ礁が元に戻るまで数十年に亘る損害を中国漁船は与えたのですから当然のことです。

◆鹿児島にも出没した中国漁船

また、あまり報道されていませんが中国漁船の今回のサンゴ密漁は、小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域だけでなく、鹿児島県南さつま市沖の領海でも行われており、先月11月17日、海上保安庁は、サンゴを密漁した中国漁船の船長2人を逮捕しています。(12/6朝日デジタル)

さらに今月12月16日には、沖縄近海で中国船が少なくとも11隻が東に向かって航行しているのが海保の航空機から確認されており、小笠原諸島へ向かうのではないかと警戒を強めています。(12/18産経)

これまで日本の排他的経済水域で違法操業して罰金は400万円以下、担保金と呼ばれる罰金を関係者が支払うことを保証する書面を提出すれば、早期に釈放されています。

その書面は中国当局が出しているのかどうかわかりませんが、これでは一獲千金を狙う中国漁民が大量に押し寄せるのは当然です。中国漁民にとってなんのリスクもありません。

さすがに日本政府も外国漁船の違法操業の罰金を400万円から3000万円に引き上げるなどの改正法が11月19日の参院本会議で可決され27日に公布、12月7日に施行されることになりました。

なお同様の違法操業は、中国だけでなく北朝鮮のイカ釣り漁船も能登半島沖、日本海の排他的経済水域境界海域で操業しており、今年、北朝鮮漁船の数は昨年の3倍に急増していることも記しておきます。

確認された北朝鮮漁船は延べ約400隻、うち9割が日本の排他的経済水域内に進入しており(11/27朝日新聞デジタル)、こうした事実もあまりマスコミは報道していません。

◆中国漁民の不法上陸も

過去にさかのぼると2012年7月、当時の民主党政権が尖閣諸島の国有化の意思を示した直後に、長崎県の五島列島の入り江に台風で避難したという名目で106隻もの漁船が進入しました。

中国はこうした政治的メッセージを、中国漁船を使って送ってくる国であることを知っておく必要があります。

この漁船団は2000人が乗船しており、五島列島では過去に中国漁民が不法上陸したことがあります。

今回のサンゴ密漁でも台風が接近し同様のことが小笠原諸島・伊豆諸島でも起こり得るため島民のみなさんの間にも不安が広がっていました。

台風の接近の際には国際的なルールとして緊急避難を受け入れざるを得ません。中国船が日本の港に入港し不法上陸の可能性もあるため、今回政府は小笠原に機動隊を派遣し巡回させる対応を取りました。

こうした中国漁船の横暴さは日本近海だけではありません。次回、韓国とパラオの例を紹介し、特に軍隊も持たないパラオが中国という大国に対して取った毅然たる態度を紹介します。

佐々木 勝浩

執筆者:佐々木 勝浩

幸福実現党広報スタッフ 課長代理

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