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バブル崩壊に向かう中国と日本の対応(3)

■バブル崩壊に向かう中国と日本の対応(3)

文/幸福実現党・京都府本部副代表 植松満雄

今回はさらに中国政府が打ち出す経済政策を明らかにし、また日本が取るべき対応についてどうすべきなのかを述べて参ります。

◆そのときに、習近平政権はどうするのか?

(1)「バブル崩壊」はさせない。

共産党政府の威信に懸けてデフォルト(債務不履行)を起こさせないでしょう。

中国当局が札を刷ってでも潤沢に資金(公的資金)を入れるので、下手に国民が「取り付け騒ぎ」など起こそうものなら、逆に「暴動」として武装警察、最悪の場合は軍隊を導入することも考えられます。

(2)「中国は安全だ」と嘘をつく。

また中国のマスコミは国家に完全コントロールされているので、平気で「中国の財務指標は健全だ」と報道官が嘘をつくでしょう。

かつて、2000年初頭、地方の銀行で取り付け騒ぎがあったときに、人民解放軍がトラックいっぱいの人民元をどんどん銀行に運び入れる様子をTVで流し、暴動を収めたことがあります。こうして嘘の映像は簡単につくられるのです。

(3)地方政府に圧力を掛け、無駄な投資を無くさせ、「緊縮財政」へと移行させる。

これまでの無駄な投資を止め、野放しになっていた開発を止めることになるでしょう。人の粛正もする可能性もあります。これは周永康、薄熙来の胡錦濤一派な等、次々と消していっているのを見れば分かります。

中国は乱脈開発をしているので、都市部には公害は広がり、山林は荒れ果ててきているので、洪水や災害が多発しています。

(4)「人民元による中華帝国の創造」

東南アジアやアフリカなど新興国は、中国との貿易をしようとすれば、人民元での決済を余儀なくされます。

かく言う日本企業だって同じです。そのように人民元による通貨支配を繰り広げ、ドルに変わって基軸通貨としようとしています。事実、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)において、ドル支配のIMFから離れた投資銀行をつくりました。

このまま、日本が自国の経済を成長されることもなく、ゼロ成長を続けてゆくならば、「中華帝国」に飲み込まれ、「中華帝国」の一員(日本自治区)となって生きてゆくことになる可能性もあるわけです。

「それもいい?」と思う人もいるかもしれませんが、そんなに甘くはありません。例えば、新疆ウイグル自治区やチベット自治区を見る限り、漢民族以外の民族は自由と人権は無いに等しいのです。

新疆ウイグル自治区で1000万人、チベットで750万人の人々が粛正されている事実を知れば、中華帝国思想の枠組みから遠く離れることが、日本の安全のためには重要だと言えます。

(5)外に敵を作り、人民解放軍を掌握し、軍事力を金に換えようとする。

チャイナ・ナチズムの台頭が見え始めています。チャイナ・ナチズムとは、いわゆるドイツ・ナチズムの中国版の復活です。

外に対しては極端な「民族主義」や「領土拡大戦略」を掲げ、周辺国を侵略し、内に対しては少数派民族との融和を掲げながら、理由を付けて迫害しています。

今、考えられる一番危険な地域は、南シナ海であり、次に東シナ海です。香港デモが片付いたら、今度は台湾を緩やかに経済面から吸収していくでしょう。

その次は、いよいよ日本の領土である尖閣諸島、沖縄へと触手を伸ばしてくるのは必至です。

◆今後の「日本の対策」はどうあるべきか

上記のような、習近平政権による中華膨張主義が存在する限り、日本の国土および国民の生命、財産、安全は常に危険に晒されています。

こうした事態に対して日本国政府がやるべき対策として何があるでしょうか。

それは、「教育と情報の自由化」と「経済成長」、そして「日米同盟の強化」と「自前による国防強化」です。

かつて、ソ連がゴルバチョフ時代に行った改革の中で、ソ連の崩壊を一番早めたものは「情報の自由化(グラスノスチ)」でした。

現在の日本でいえば、マスコミと官僚の癒着を切ることが大事で、そのためには、各行政機関にある護送船団方式の記者クラブを廃止させることも考えるべきです。

その上で、国民の「知る権利」を担保させるために、報道機関としてルールを法律で定め、登録制度によって業者を確定させ、マスコミ各社に報道の自由と言論の自由を与えることです。

そうすることによってマスコミの質の向上と官僚の隠蔽体質が露見し、行政改革が進み、役人国家が滅びに到るでしょう。

その次に、日本はもっと経済界で、中国に対抗できる国力を付けることです。

何故なら、経済力こそが国防力であり、技術力こそが国の安全を担保する源泉だからです。但し、日米軍事同盟と経済関係を強化しつつ、その上で出来る限り自前の防衛技術を開発することも大切です。

その防衛技術は取りも直さず、航空産業や未来のエネルギー産業へと進化させます。

更に付加すれば、エネルギー安保としてロシアを味方に巻き込むことも重要です。その時に、アメリカを刺激しないようにしないといけません。

そして、アジアの周辺諸国のために、日本がリーダーとしての役割を担い、アジアの平和を守る気概を外交力で勝ち取ることです。

こうした根回し手をしながら、「中国の国連安保理常任理事国廃止要求」を提案するくらいの国際的な発言力を高めることが大事なことです。

植松満雄

執筆者:植松満雄

京都府本部副代表

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