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広島から真の世界平和運動を!

文/幸福実現党広島県本部副代表 佐伯 知子

◆8月6日の広島

今年8月6日、広島市では67回目となる平和記念式典が執り行われました。43年ぶりの本格的な雨の中、式典で松井一美広島市長は次のような″平和宣言″をしました。

「『絶対悪』である核兵器の廃絶へ、武力ではなく、人と人とのつながりを大切に未来志向の対話ができる世界の構築が不可欠。」

「日本国憲法の崇高な平和主義の下で戦争をしなかった事実を重く受け止め、名実ともに平和国家の道を歩み続けるよう、政府に求める。」(2014年8月7日中国新聞朝刊より)

核保有や武力を「絶対悪」とし、戦後日本を守ってきた憲法9条は決して改正してはならないとする立場での宣言でした。

この日、式典会場の外側では、全国から集まった「平和勢力」と称される運動員らも大きな垂れ幕を掲げ、マイクを握り、憲法改正や集団的自衛権を激しく非難していました。

同日に開催された広島市主催の「被爆者代表から要望を聞く会」では被爆者側が安倍総理に集団的自衛権の閣議決定の撤回を要望し、原水爆禁止世界大会・広島大会においても「集団的自衛権行使容認に反対する特別決議」がなされました。

いずれにしても憲法9条への強い信仰を感じた8月6日でした。

◆原動力は「自虐史観」

彼らが憲法9条死守!を言い続ける原動力となっているのは何でしょうか。その根源にある思想が東京裁判史観、すなわち「自虐史観」です。つまりこういうことです。

☆日本はかつて侵略戦争を行い、南京大虐殺や従軍慰安婦に言われるように、アジアの人々を数多く犠牲にし、多大な迷惑をかけた。

☆日本がそのような犯罪国家であるので、正義の国アメリカはやむをえず日本を空爆し、原爆を落とさざるをえず、結果として多大な犠牲者を出すに至った。

☆こうした多くの犠牲と引きかえに、日本は憲法9条を手に入れたのであり、憲法9条があるからこそ、その後日本は悪事を犯すことなく今日まで平和を享受できたのである。この教訓と反省のために犠牲となった多くの人々の為にも、なんとしても憲法9条は死守しなければならない。

◆明かされる不都合な「真実」

ところが、今年に入って彼らが平和運動の原動力としていたこれらの論拠が大きく崩れ始めました。

河野談話が日韓の合作であったことを報じた1月1日の産経新聞に始まり、2月の石原元官房副長官の河野談話作成過程に関する国会証言、そして8月には「慰安婦問題」について朝日新聞が自らの報道についに誤報を認めました。

続いて、いわゆる「南京大虐殺」の問題も、証拠として上げられた「婦女子を駆り集めて連れて行く日本人兵たち」と解説された写真について、それを取り上げた本多勝一氏が「誤用」を認めました。(週刊新潮9月25日号)

この写真は、当時「アサヒグラフ」(朝日新聞社)に取り上げられた「我が兵に護られて野良仕事より部落へ帰る日の丸部落の女子供の群」であり、歴史の捏造であったということが明かされ始めました。

歴史の捏造でつくられた「自虐史観」が間違いであったのなら、憲法9条を死守しなければならないという根拠が崩れます。

◆真実に基づいた平和運動を

日本が軍事力を持つと、再び侵略国家になるというのが平和勢力の言い分ですが、今、実際にアジアの平和を脅かしているのは日本ではなく、中国や北朝鮮であるということは国際的にも明らかです。

そんな中での現状の反核・平和運動は、これらの国の覇権欲を増徴させ、結果的に戦争を招き寄せてしまうのだということを知らねばなりません。

先の大戦で日本が戦ったことには、欧米列強の植民地支配からアジアの人々を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くという大義がありました。

敗戦し、大きな犠牲を払いましたが、結果としてアジアの多くの国々は独立を果たし、大義は遂げられました。世界中の有色人種にも勇気を与え、アフリカ諸国の独立にも影響を与えました。

この真実を、日本国民に、世界に、そして先の大戦で亡くなられた方々にも伝えなければなりません。日本が悪かったから戦争が起こったのではありません。日本が悪かったから犠牲になったのではないのです。

日本はこの真実に基づき、かつての日本がそうであったように、真の世界平和に貢献するという公的な義務を果たさなければなりません。そのために、誤った自虐史観に基づく「河野談話」「村山談話」を白紙撤回し、政府の公式見解として新たな談話を発表するべきです。

また、憲法9条を改正し、正当な防衛力・軍事力を持つことで、覇権主義国家の暴走を止めなければなりません。戦後70年、自虐史観に終止符を打つ時が来ています。

歴史認識を改め広島の平和運動も、真の世界平和に向けてのリーダーシップをとれる、強く、豊かで精神的高みを有する国づくりへの運動へと変わらなければなりません。

佐伯知子

執筆者:佐伯知子

広島県本部副代表

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