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アメリカと中国が交わす新たな「密約」とは?

文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太

◆無神論国家VSイスラム教の対立が激化する新疆ウイグル自治区

シリア・イラクのみならず、中国国内でも体制側とイスラム勢力の対立が激化の一途を辿っております。

その原因は、中国共産党政権による、イスラム教徒が多数を占めるウイグル族への「信教の自由」に対する厳しい制限、言語の使用制限や習慣・風習の破壊、ウイグル人女性の強制連行など、許されざる人権侵害がまかり通っていることへの抵抗運動、分離独立運動であります。

一方で政権側から見ると、新疆ウイグルは天然ガスの生産地であると同時に、中央アジアからの天然ガス輸送ルートに当たり、エネルギー安全保障の要衝であるため、その地で分離独立を主張するウイグル族は、国益を脅かす最大級の脅威に当たると言えます。

最近では、ラマダン明けの7月28日、中国の新疆ウイグル自治区のカシュガルで起きたウイグル人による暴動では、「少なくとも2000人以上のウイグル人が中国の治安部隊に虐殺された」と言われております。

*参考「HRPニュースファイル:ウイグルで死者2000人以上――真実を明らかにし、国際社会に正義を問える日本に」
http://hrp-newsfile.jp/2014/1629/

また9月22日、中国の新疆ウイグル自治区バインゴリン・モンゴル自治州において、相次いでウイグル人による自爆行為が起き、2人が死亡し、多数が負傷したと伝えられており、共産党政権はウイグル族への締め付けを更に強化していく見込みです。

◆対イスラム国でアメリカと中国が交わす「密約」とは?

一方、国際社会では、中国によるウイグル族への人権侵害が世界的な批判の的となりづらい展開になりつつあるのが現状です。

それは、9月7~9日に訪中したライス補佐官と習近平国家主席の間で、イスラム国対策として取り交わされたとされる「密約」が原因です。

具体的には、中国は、アメリカ主導の有志連合による「イスラム国」打倒の動きを支持する一方、アメリカは、新疆ウイグル自治区で、中国当局がウイグル族に対する締め付けを強めることに、あからさまな異論を唱えないという内容です。

アメリカとしても、有志連合の形成を急ぐ中、国連の常任理事国であるロシアとの折り合いが付けられない状況のため、もう一つの常任理事国である中国への支持が必要不可欠であったという苦しい事情があったと言えます。

◆イスラム国の台頭は中国の国益に大きく資する

一方、中国としても、「イスラム国」から事実上の「ジハード(聖戦)宣言」がなされており、同一の敵に対峙することでアメリカとの信頼関係を深めると同時に、「密約」によってウイグル族弾圧の正当性を得ることができ、ウイグル族に対する「信教の自由」の侵害など、国際的な批判をアメリカの黙認によってかわすことが出来ると言えます。

実際に、9.11の同時多発テロ以降、中国は新疆ウイグル自治区に、イスラム過激派アルカイダの勢力が浸透していると主張し、当時のブッシュ政権はイスラム系独立派勢力の「ETIM」をテロ組織に指定するなど、反イスラム過激派を切り口にして同様の「約束」が交わされた過去もあります。

そして何より、しばらくアメリカは中東に釘づけにならざるを得なくなり、アジアへのリバランス戦略は有名無実化することは間違いありません。

中国はアメリカを取り込みつつ、国内における人権弾圧の批判をかわしながら、アメリカ不在のアジアで軍事的な拡張行動を行いやすくなるため、敵対関係にあるはずの「イスラム国」の台頭は、結果的に中国の国益に大きく資することになっていくと考えられます。

◆日本の鉄則は「自主防衛の確立」と「中国における自由の革命」にあり

翻って、日本は今回のイスラム国への対応として、避難民援助など総額約55億円の中東支援を表明する見通しで、アメリカ主導の有志連合を支持する姿勢を強調するに留まっております。

確かに、国内にイスラム教徒を多くは抱えない日本としては、中東周辺国やヨーロッパ、中国などと比較して、イスラム国の脅威は感じにくいですが、既にオーストラリアなどでも、イスラム国関連のテロ計画が露見されるなど、世界中で見えない驚異が進行しているとみてよいでしょう。

また近い将来、中国によって来たるべきアジア有事において、自国民やアジア諸国を守ることが出来る自衛体制をいち早く確立しなくてはなりません。

更に、アメリカが目を背ける今、ウイグルで起こっていることは、イスラム過激派による単なるテロリズムではなく、無神論国家・中国に対して、信教の自由をはじめとするあらゆる自由の抑圧への抵抗運動(レジスタンス)であるということを、我々日本人こそが正しく理解する必要があります。

事実無根の「南京大虐殺」ではなく、現在進行形で起こっている「ウイグル大虐殺」の真実へと世界中の目が向けられ、ウイグルで弾圧される人々を救済する具体的な力となることこそ、日本の使命であると考えます。

*The FACT「よく分かる中東問題」に出演中です。こちらもよろしくお願い致します!
【第2回】「イスラム国はアメリカによって作られた!?」
https://www.youtube.com/watch?v=coT549z3X6U&list=PLF01AwsVyw33VAiV9OENVfi0W-wSMUBez

しろとり 良太

執筆者:しろとり 良太

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