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「地方創生」をただの選挙対策で終わらせないために

文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太

◆安倍政権が発信する「地方創生」は選挙対策か?

「政権の最大の課題は豊かで明るい地方をつくることだ。大切なのは現場主義で霞が関の常識を忘れて、地域にどんどん出てほしい」

安倍首相は5日、地方創生の司令塔となる「まち・ひと・しごと創生本部」の看板掛けに立ち会い、このように職員たちに訓示し、地方創生相に就任した石破氏も「日本の消滅という事態を避けるための処方箋を出さないとこの国はなくなる」と危機感を露わにしました。

各省から出ている予算案を見ても、地域経済を支える企業の支援、地方部でのベンチャー企業の育成や若者の就職支援など、「地方の活性化」を現政権として最重要課題の一つとして取り組んでいく姿勢が見て取れます。

しかし一方で、来年春に全国で行われる統一地方選を見据えた「選挙対策」ではないかという声も根強く、「地方の味方であり、地域のことを誰よりも理解している。(高橋はるみ北海道知事)」と地方で大人気の石破元幹事長の地方創生相起用もその疑念をより一層強くさせます。

地方の活性化が日本を明るくすることは間違いありませんが、同時に地方部の過疎という問題は、今始まったことではなく、数十年といった長いスパンで継続しているトレンドであるということをまず受け止めることです。

その上で、メッセージ先行型や予算バラマキ型ではなく、長期的視点に立った実効性のある政策にじっくりととりくんでいく姿勢が必要であります。
 

◆地方創生のためには「移民政策」から目を背けてはいけない

地方創生という視点に立って、行うべき必要な政策は多岐に渡りますが、最も重要だと考える2つに絞って述べると、まずは「人口自体を維持し、増やしていく」という視点が重要だということです。

いまの出生率1.4%前後では、2060年に日本の人口は現在の3分の2にあたる8700万人にまで減少し、2040年には私が住んでいる東北地方を筆頭に、全国で896の地方自治体が消滅すると言われています。(東北では青森35、岩手27、秋田24、山形28、宮城23の合計137が消滅)

これに対し、政権側では「2060年に人口1億人維持」という目標を掲げていますが、そのためにはここ十数年で出生率が2%以上にまで回復しなければならず、今までの政策の実効性から見ると考え難い数値だと言えます。

こうした点から、地方創生のみならず、日本の未来を守っていくためにも、真剣に「移民導入」を検討すべき時期に来ていると考えますが、現政権の支持基盤である保守層からも「移民政策」への嫌悪感が根強いために腰が引けている状態でしょう。

確かに、今のシリア・イラクで勢力拡張を続ける「イスラム国」の中に、ヨーロッパで育ったイスラム教徒たちが多数参加しているという事実や、社会に溶け込めない移民が犯罪を犯しているという事例がヨーロッパでは多数あり、「移民は怖い」という先入観があることは否めません。

しかし逆を返せば、移民たちが社会に溶け込めない要因は「言葉や文化」と「仕事」の問題が大半であり、これらに対する教育支援を徹底して行っていくことで解決は可能であると考えるべきです。

指を咥えながら日本の人口崩壊をただ見届けるだけでなく、彼ら外国人たちが我々日本人と共に、先人たちから受け継がれた伝統や文化、言葉などをそれぞれの地域で「守り保ってくれる」パートナーになってもらう未来図を信じ、努力を行うことで、地方創生は動き始めていくと考えます。

◆地方創生と消費増税はまさに「水と油」の関係

また、野党からは「消費増税内閣」と揶揄されているそうですが、もう一つの重要な点は、「地方創生と消費増税は全く両立しない」という点です。

それは消費税には、低所得者ほど負担比率が高くなる「逆進性」という特質があることから明らかです。

2012年の都道府県別の年収を見ると、1位の東京(582万円)と下位の沖縄、東北各県(350万円前後)のように、個人所得で200万以上もの開きがあります。

消費税が10%に更に上がるとなると、逆進性という性質上、まるで指先やつま先から冷えが始まっていくように、「地方創生」という掛け声むなしく、所得が低い地域から景気の冷え込みが始まっていくはずです。

このように国家の観点から、真に「地方創生」を成し遂げる前提条件として、今の政権が踏み込めずにいる「移民政策」と「消費増税の撤廃」に解がある気がしてなりません。

◆地方創生にとって必要なマインドとは

最後に、地方創生にとって最も重要なことは、何より各地方自治体の自助努力でありましょう。

ケネディ大統領が就任演説で述べた「国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何が出来るかを考えよ」という言葉こそ、地方側が持つべき必要なマインドなのではないでしょうか。

今の人口動態が続いていくならば、残念ながら限界集落化する自治体は後を絶たないでしょう。

しかしながら、自助努力の精神をしっかりと持った市民がおり、新しい価値を生み出そうとする若い起業家たちを惹きつけ、違った価値観を持つ外国人たちを受け入れる寛容さを持った自治体は、その個性を最大限に開花させ、未来を切り拓いていくはずです。

そうした面白い自治体が全国で名乗りを挙げ、百花繚乱の地方創生が成し遂げられていくことを心待ちにしたいと思います。

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しろとり 良太

執筆者:しろとり 良太

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