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ロシアよ、ともに中国包囲網を築こう

文/HS政経塾 第3期生 兼 幸福実現党新潟県本部副代表  横井基至 

◆今が日本の外交の山場

ロシアがクリミア半島を編入したことに対し、日本と欧米諸国からロシアへの圧力が続いています。

ロシア国内ではプーチン大統領の支持率は依然高く、4月の調査時点では、82%を記録しており、現在も高い支持率を維持しているようです。

しかし欧米諸国また日本の報道の多くはロシア・プーチン大統領に対する警戒心を緩めるべきではないとして、対露圧力路線を強調しています。

4日と5日に行われる先進7カ国(G7)首脳会議においても対露圧力への「結束力」が焦点になるとみられています。

北方領土返還という日露間の問題や、尖閣諸島周辺で挑発行為を繰り返す中国に対する国防上の問題がある中で、世界から孤立したロシアと、ロシアに同調する中国との距離が近くなることは何としても避けなければなりません。

日本としては自身の首を絞めないよう、非常に難しい外交を行わなければいけません。

◆足並みをそろえることだけが外交ではない

また、このG7の場では、エネルギーの「脱ロシア依存」を再確認し共同声明に盛り込むものと見られています。

欧州各国がエネルギーをロシアに依存している実情を踏まえ、圧力に対する足並みの乱れを矯正するねらいがあると見られますが、欧州諸国のロシアに対する天然ガスの依存度は大変高いうえに、欧州では経済が減速している国が多いことから、「脱ロシア依存」の圧力がかえって各国自らの首を絞める可能性があります。

この中で、G7各国が先進国としてどれだけ具体的な方針を打ち出し、世界経済への貢献を打ち出せるかが見せ場となります。

先にも述べたように、日本はロシアとの関係改善が急務なことと、サハリンでの天然ガスの共同開発や、日本へのパイプラインプロジェクトがすでに事業化されており、ロシアからエネルギー輸入を拡大しようとする日本の国家戦略との間で齟齬が生じます。

よって、安倍首相はトーンダウンせざるをえません。

◆日本は自信をもってロシア制裁を解除せよ

日本が正々堂々の外交をするためには、今一度、ロシアのクリミア編入に対する日本の立場を明確にする必要があります。

ウクライナ問題は、親露派のヤヌコビッチ大統領がEUとの調印を取りやめたことで、親欧米派の住民が暴徒化したことが発端です。

無政府状態となった国内ではロシア系住民への暴力が横行していたため、プーチン大統領はロシア系住民の保護のため軍隊を派遣しクリミヤ半島を制圧し、その後住民投票で97%の賛成票が投じられ、ロシアに編入しました。

この背景には、米国の国防費の削減による欧州からの撤退が大きくかかわっているとの見方もあります。

もしウクライナがEU入りをしたら、次に起こることはNATO(北大西洋条約機構)への加盟です。

NATOはアメリカを中心とした、ロシアに対する軍事的包囲網であり、ウクライナがNATOに加盟するということは、ロシアにとって軍事的脅威が迫ることであり、クリミヤ半島にあるロシア黒海艦隊の基地を守る必要も生じるのです。

ウクライナはいわば、アメリカ・NATOとロシアとの軍事的な緩衝地帯だったのです。この均衡を破ったのは、アメリカの財政難による米軍の撤退を目前にしたNATOの勢力拡大であり、アメリカが直接米軍基地を置くことができなくなったので、米軍の代わりにNATOの力を使いロシアを牽制しようとしたと考えられます。

ただでさえ財政的に厳しいEUが、赤字国のウクライナをEUに加盟させようとしたのは、NATO東欧拡大のシナリオの一つで、これに対抗したロシアはクリミアを編入し、防衛ラインを築き、昔の同朋であるロシア系住民の安全を守ったのです。

よって今回のロシアの行動は、領土拡張欲で行った軍事侵攻ではなく、「防衛」のための武力の行使だったのです。

これは、アジア諸国を欧米列強の植民地体制から解放し、防衛のため大東亜戦争に突入した日本と同じ状況といえます。

今のロシアの状況を一番理解してあげられるのは日本のはずです。日本は直ちにロシアへの制裁を解除すべきです。

◆世界が求めるもう一段上の価値観外交を日本が示せ

現在の報道では真実が見えにくいのが現状ではあります。大勢だから正しく、大勢に協調することをもって正義とは言いません。

しかし今回の件で、欧米諸国を非難することも得策ではありません。

現に、2万1千人の在日米軍は、日本と東アジアの平和を守ってくださっています。

今世界の外交力を駆使して対処しなければいけないのは、中国の軍事拡大と北朝鮮の暴走、そしてそれらの国内で行われている人権の蹂躙です。

よって中国が示すロシアへの同調と、日本が示す理解とは全く意味の違う話であり、中国が行っているのは領土拡張欲による侵略行為です。

戦後レジームからの脱却は日本一国のみではなく、全世界同時に行わなければ意味がありません。

だからこそ「真実」の価値を知る日本が主導し、全世界をもう一段上の価値観へと導いてゆかねばなりません。

これが日本の使命であると強く信じるものです。

横井基至

執筆者:横井基至

HS政経塾第3期生 新潟県本部副代表

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