日本の繁栄へ向け、それでも「ストップ!消費増税」を訴える!
◆「2014年の年末までに消費増税10%を決めたい」
文/政務調査会チーフ 小鮒将人
昨年の日本経済は、日銀による大胆な金融緩和の影響で株価も年初の1万円から16,000円にまで上昇し、さらに2020年の東京五輪開催も決定したことで、好況への期待が高まりました。
このような状況で2014年を迎えることになりましたが、麻生財務大臣が1月8日の閣議後の記者会見において「消費増税を年末までに10%にすることを決めたい」という主旨を述べました。法律で定められているわけではありませんが、2015年の予算編成をおこなうために必要であるというわけです。
さらに、1月19日にNHKで放送された番組で、安倍総理も「消費増税の判断は、今年中に決断したい」との発言がありました。二人の発言を聞く限り、昨年同様、今年も10月から11月にかけてさらなる消費増税の可否について判断がなされるようです。
また、報道では安倍総理は、19日に開催された自民党大会で「企業の賃金上昇も主導する」と、かねてからの主張を改めて訴えています。
確かに一人一人の賃金が上昇することは望ましいのですが、幸福実現党としては本来、経済成長によって企業業績が良くなることで、賃金の上昇が行なわれることが望ましいと考えております。
そうした意味では皮肉なことに、民主党を破った自民党政権の下で社会主義化が進められているかのように見えます。
例えば、昨年、国民一人一人に番号を割り振って所得や納税実績、社会保障に関する個人情報を1つの番号で管理することを定めた法律「マイナンバー法」が成立しました。
一見、事務手続きが簡素化されるための法律に見えますが、やはりこれも国家が一人一人の資産を管理するための一つの道筋でもあるのです。
◆なぜ増税にこだわるのか
財務省は、消費増税の理由として「持続的な社会保障制度の確立」を挙げています。
確かに統計を見る限りでは、消費税は「安定的、持続的」な税収で、税率3%の時には、約5兆円、5%になると約10兆円のレベルを維持しています。
一方、所得税や法人税は景気の影響を受けることが多く、1990年代以降、10兆円から20兆円の間を上下しています。景気がよいときはよいが、悪くなると見込みがなくなる、官僚はここに不安があるという事のようです。
しかし逆に「失われた20年」の間にも、それだけの税収があったと見ることは出来るはずで、なぜ、経済成長による税収増を考えないのでしょうか。アメリカは、この20年間で、GDPがおよそ倍増に近いレベルに達しています。
一方日本は、20年間ほぼゼロ成長。本来の日本経済の力を考えると、そろそろ「通常のレベル」に戻るべきで、政府が掲げている2%程度の目標は最低レベルと考えるべきです。
そうした意味で、昨年の好景気による税収増が、7兆円という事は注目すべきです。一方、2014年の消費増税による税収増は、5.1兆円といわれています。
この数字自体、1997年の消費増税の時のように、一気に消費が冷え込むことで不景気となり、達成できるかどうか、大きな疑問があります。
◆誤ったデータによる消費税導入決定
特に、昨年の消費増税導入の際、決定的な指標と言われたGDP速報値「1.9%」について、昨年12月9日の報道によると、この数字が最終的に「1.1%」へ修正されたことが分かりました。
政府は「約2%」という数字を見て、消費増税を決めたはずなのですが、実際はおよそ半分の数字であったということで、あえて言うと「誤ったデータ」によって増税が決まっているのです。安倍総理は、今から消費増税撤回を主張しても遅くないのです。
日本の株式市場の動向は、昨年末に16,000円超えを果たしたものの、今年に入ってからは下落の傾向が続いています。
本来は、2020年の東京五輪が決まり、株価は上昇すべきところなのですが、やや反対の状況になっており、4月に消費増税が決まっていることの影響と見ることができます。
消費増税の影響がでると思われるのは、まずは中小企業です。中小企業は、激烈な競争の中で製品の価格を上げることができません。
また小売業においても、値段を据え置くか値上げになるか、いずれにしても今後、利益の減少を免れることはできず、大きな不安を抱えることになりました。
◆日本の大繁栄に向けてGDP倍増を目指そう!
日本経済の潜在力を現実のものとするためには、「減税」や、「規制緩和」で企業の自由な経済活動を促す必要があります。
そして世界のリーダー国家になるために、2020年東京五輪のこの大成功を目指し、経済的な繁栄を実現するための政策を実行に移していくべきです。
年率2%以下の成長率でも7兆円の増収が見込める以上、それ以上の成長ができれば間違いなく消費増税以上の税収が見込めます。
今年は消費税の8%への増税が4月に施行され、10%への更なる税率アップへの判断がなされますが、文字通り日本の大繁栄への大きな試金石となる一年になります。幸福実現党は「ストップ!消費増税」に向けて、更なる活動を展開して参ります。
執筆者:こぶな 将人