中国の「三つの脅威」と国を護り抜く覚悟
エスカレートする中国の脅威
16日、尖閣諸島周辺の接続水域を航行していた中国の海洋監視船3隻は、8日連続で尖閣周辺を航行しました。(6/17 NHK「中国監視船 すべて接続水域出る」)
尖閣諸島周辺への中国による公船の派遣は、昨年9月に政府が島を国有化して以降、合わせて200日に達しており、もはや「常態化」しています。
中国は接続水域の航行を常態化させており、このままでは遠くない将来、「領海侵犯」までも常態化させてくることでしょう。
また、5月13日、約10日間で2度にわたり、中国の潜水艦が日本の領海のすぐ外側の接続水域を潜航したことが判明しました。(5/14 産経「異例の公表、政府に危機感 第1列島線にらみ攻防激化」)
中国の潜水艦の潜没航行海域は九州-台湾-フィリピンを結ぶ第一列島線(中国の海域における第一の軍事的防衛ライン。九州・沖縄から台湾・フィリピン・インドネシアなどを結ぶ南シナ海・東シナ海戦略)付近です。
中国が尖閣諸島を含む第一列島線までを「中国の海」とする理由は、莫大な人口を支えるための海底資源や漁業資源を確保する、南シナ海を戦略原潜の基地にする、第二列島線(伊豆・小笠原諸島からグアム・サイパンを含むマリアナ諸島群などを結ぶ中国海軍の第二の防衛ライン。西太平洋戦略)の確保に向けた領域確保などが挙げられます。
現時点では中国の軍事力は米軍に劣っているため、中国としては「日米安保」の発動は避けつつも、日本に対して様々な脅迫を仕掛けてくることが考えられます。
中国の「三つの脅威」
日本としては、中国の「三つの脅迫」に備える必要があります。
第一の脅迫は「通常兵器による脅迫」です。
2013年の中国の国防予算は25年連続となる二桁増が続いており、公表値だけで日本の防衛費の2.3倍に達しており、更に2030年には9~12倍にまで格差が広がるとの指摘もあります。
第二の脅迫は「シーレーンに対する脅迫」です。
日本は原油の90%、全一次エネルギーの50%以上を南シナ海を通る輸送に頼っています。
日本は輸入経路(シーレーン)の安全が阻害されれば、中国にエネルギー供給面で脅迫を受けます。
ちなみに、原発が設置された本当の目的は「シーレーン分断」を想定した「エネルギー安全保障(エネルギーの安定的、継続的確保)」のためであり、国家防衛の根本戦略です。
第三の脅迫は「核による脅迫」です。
中国が日本に照準を合わせている中距離弾道ミサイル「東風21」には水爆が搭載可能で、広島型原爆16発分の威力があります。
中国は既に日本全土を何度も滅ぼすだけの大量の核を有していますが、日本が核の脅威を受けた際、米国が自国が中国からの核攻撃にさらされるリスクを承知で、日本を守ることは現実的ではありません。
日本は、最終的には「核による脅迫」を受けることは避けられないでしょう。
憲法9条による足かせから脱却せよ!
中国による外的脅威もさることながら、更に、日本は「憲法9条」によって、自らの手足を縛っているのが現状です。
世界各国の軍隊は「やってはいけないこと」だけ法律で定め、後は状況に合わせ自国を守るために最善の行動を取っています(「ネガティブリスト」方式)。
一方、日本の自衛隊は、世界で唯一、「やっていいこと」だけ定めた法律で運用されています。(「ポジティブリスト」方式)。
「ポジティブリスト」方式では、予測不能の事態の連続である戦場において、様々な状況を法律で定めきることは不可能です。
そのため、実際の戦場では自衛隊はほとんど何もできないのが現状です。
なぜ日本だけが「ポジティブリスト」を採用しているのでしょうか?
それは、憲法9条により「軍隊」を持つことを禁じられているからです。
「警察予備隊」として発足した「自衛隊」は、「警察」と同じように「ポジティブリストの縛り」を受けているのです。
現実的に、中国の猛烈な軍拡に対して、日本一国で対抗することは難しいでしょう。
だからこそ、日米同盟や中国に脅威を感じる周辺の民主主義国家との連携が欠かせません。
同盟はWin-Winの関係が前提です。だからこそ、同盟国のためにも適切な軍備が必要になりますし、共同防衛に当たれるように「集団的安全保障」の行使を認めることが不可欠です。
日本の置かれた状況をみれば、憲法9条の改正が必要であることは論を待ちません。
幸福実現党は、参院選において正々堂々、「憲法9条改正」を前面に打ち出している唯一の政党です。それは残された時間が少ないことを知っているからです。
参院選において皆様のご支援を得て、この国を護り抜くべく、必ずや早急に憲法改正を成し遂げて参ります。
(文責・HS政経塾三期生、京都府第1選挙区支部長 たなべ雄治)