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強まる米中接近――日本は自主防衛体制構築を急げ!

尖閣の危機と日米同盟

4月26日、中国外務省の華春瑩報道官が、尖閣諸島について「中国の核心的利益だ」と明言しました。

中国はこれまでも、尖閣諸島を「核心的利益に準ずる地域」としてきましたが、公の場で「核心的利益」と明言したのは初めてのことです。

これに先立つ23日には、「中国の主権を侵害する日本船の監視」を名目に、尖閣諸島周辺の日本領海内に中国の海洋監視船8隻が侵入しています。

現在では、国際的批判を恐れ「核心的利益」との表現から若干のトーン調整を図っているようですが、中国が尖閣諸島の領有権を主張していることに変わりはありません。(4/28 産経「『尖閣は核心的利益』発言をあいまいに修正」)

このような中国の野心丸出しの行為に対して、現在のところ、日本は日米同盟に頼るしかない状況です。

小野寺防衛大臣は、4月29日、アメリカのヘーゲル国防長官と会談し、尖閣諸島が日米同盟の適用対象であることを改めて確認。ヘーゲル国防長官は「アメリカは、一方的、抑圧的な行動や、日本の行政コントロールを軽視する目的の行動には反対する」と述べて中国をけん制しました。

沖縄の反米運動と日米同盟の危機

日本にとっては歓迎すべきことではありますが、日米同盟自体が、現在、危うい状況に置かれているため、決して安心することはできません。

その理由の一つは、日本国内に日米同盟を脅かす勢力があるということです。

極東地域の防衛に欠かせないオスプレイ導入に反対する勢力があることはその一例で、反対派の意見を無視できない地方自治体の長も難しい対応を迫られています。

昨年7月、オスプレイが山口県の岩国基地に陸揚げされた後、普天間基地に配備されましたが、今年も追加配備が予定されています。

岩国基地容認派である岩国市の福田市長も、最終的には岩国基地への搬入を認めたものの、4月26日時点では反対派に配慮してか「(オスプレイは)岩国を経由せず、沖縄の那覇港湾施設に陸揚げすることが筋だ」と難色を示しました。(4/27 中国新聞「オスプレイ『那覇に直接搬入を』 岩国市長 追加配備控え言及」)

「正論」(2013年6月号)によれば、沖縄県普天間基地周辺では基地に反対する「活動家」たちが、アメリカ兵に対して罵声を浴びせ、自動車を蹴飛ばすといった暴力行為を起こしていますが、警察は適切な取締りをしておらず、エスカレートしています。

ある米海兵隊員は胸を殴られ、診断書を持って被害届を出したのに、宜野湾署に受理されなかったといいます。

米中接近を警戒せよ!

二つ目の理由は、米中接近の動きが加速しているということです。アメリカは、財政面でも世界の警察官としての機能を失いつつありますが、現政権の思想傾向からも、親中の動きが出始めています。

オバマ大統領が国務長官(日本の外務大臣にあたる)に指名したジョン・ケリー氏は、ベトナム戦争に従軍後、ベトナム戦争で得た勲章を投げつけるといった反戦運動を行っているリベラル色の強い人物です。

さらにケリー長官は、中国はアメリカの最大の債権国であり、最もありがたい「銀行」であるとして、米中経済一体論を提唱するなど「親中」の思想を持っています。

ケリー長官は北朝鮮のミサイル発射問題に際し、アジア諸国を歴訪した際も、中国に対し、「中国がより強く北朝鮮を説得しようと努力するなら、ミサイル防衛システムや北朝鮮沖合に派遣されているイージス艦などの米軍事力を撤回する」との趣旨の発言をしています。(4/15 ウォールストリートジャーナル「北朝鮮が核廃棄開始なら、対話の用意=米国務長官」)

このことからも、ケリー長官は、北朝鮮や中国が理性的な交渉に応じ、軍事力を放棄するような国であるという誤った認識を持っていると考えられます。

一方、同盟国である韓国に対して「北朝鮮の挑発的行為を阻止するために連携する」と言いながら、北朝鮮が反発を強めていた米韓軍事演習で多くの訓練を中止したことを明らかにしました。

これは、同盟国を守るより、好戦的な態度の北朝鮮に屈したことを意味します。「中国包囲網」を形成して来たヒラリー・クリントン前国務長官時代から一転、米国が親中姿勢を強めていることは要注意です。

このような思想傾向を持っている人物が国務長官にいる以上、今後、中国が日本に脅しをかけてきた際、米国は日本より中国を選択する可能性もあり得ます。

早急に自主防衛体制を築け!

北朝鮮のミサイルはもちろん脅威ですが、北朝鮮問題をきっかけに米中が接近し、中国に圧力をかけてきたアメリカの軍事力が失われることを、日本は何よりも恐れるべきでしょう。

実際、日米同盟は、1年前に相手国に予告することによって、一方的に廃棄できることになっています。すなわち、いつアメリカから「破棄する」と言われてもおかしくないのです。

たとえ、今まで通り日米同盟が存続されるとしても、日本が早急に集団的自衛権の行使を認め、同盟国としての義務を果たすとともに、「自分の国は自分で守る」という自助努力の姿勢を見せなくては機能しません。

日本は一刻も早く、「自分の国は自分で守る」という自主防衛体制を築き、自由主義・民主主義の価値観を共有する諸外国とも力を合わせ、自由を抑圧する国の脅威を打ち破らねばなりません。
(文責・政務調査会部長代理 小川 佳世子)

小川 佳世子

執筆者:小川 佳世子

政務調査会 部長代理

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