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福島県における放射能「除染基準の緩和」を求める

厳しすぎる除染基準

戦後最大の被害をもたらした東日本大震災から二年あまり。大きな爪痕を残した天災でありましたが、時間を経るに従って、人災の側面も大きかったのが明らかになってきています。

原発事故の起きた福島では、今も数多くの被災者が避難生活を強いられています。

住民の帰還と、地域の復興を妨げている大きな要因に、「年間1ミリシーベルト」という、放射能の厳し過ぎる除染基準がありますので、本日はこの点に絞って言及いたします。

通常、私達が病院で受けるCTスキャン1回あたりの被ばく線量は「10ミリシーベルト」前後と言われています。

この線量が人体に与える影響は一概には判りかねますが、そのせいで病気になったという話は聞きません。

また、「年間100ミリシーベルト」までは特に人体に影響はないとする専門家も多く、実際、インドやイランには高自然放射線量地域がありますが、そこの住民のがん発生率が、他の地域と比較して特に高いという報告もありません。

要は、「年間1ミリシーベルト」で健康被害が発生することはまずあり得ないのですが、いつしか、この厳し過ぎる数値が除染の目標数値になっていたのです。

厳し過ぎる除染基準は「人災」をもたらす

そこには、「故郷の美しい山河と、従来の生活を取り戻したい」という地元自治体の強い意向がありましたが(地元としては当然の要求であったと思います)、もっと根深い問題として、正確な科学的知識を提供するのではなく、やたらと放射能の恐怖を煽って視聴率や部数を伸ばそうとしたマスコミの報道姿勢や、根っからの原発反対論者であった菅直人元首相をはじめとする、当時の民主党首脳の意向がありました。

CTスキャン1回分に遠く及ばない、「1ミリシーベルト」という微量の放射線を除染の目標としたことで、必要以上に広大な区域が、放射能による危険な区域となりました。

その結果、(1)緊急ではない過剰な除染作業が税金によって延々と行われ、(2)被災者の帰還がさらに遅れ、(3)福島産の農産物に対する風評被害もいっそう強まることになったのです。まさに、「人災」であります。

「除染基準の緩和」を求める

ここはせめて、国際基準に照らし復旧時の許容範囲である「20ミリシーベルト」に、除染基準を変更すべきではないでしょうか。

実際、2011年12月に、福島原発の原子炉が安定状態を達成し、発電所の事故そのものは収束に至ったことから、原子力災害対策本部は「警戒区域」および「避難指示区域」の見直しについて、下記方針を発表しています。(2011/12/16 原子力災害対策本部「ステップ2の完了を受けた警戒区域及び避難指示区域の見直しに関する基本的考え方及び今後の検討課題について」)

・原子力安全委員会は、本年8月4日に示した解除に関する考え方において、解除日以降年間20ミリシーベルト以下となることが確実であることを、避難指示を解除するための必須の要件であるとの考えを示した。

・年間20ミリシーベルトは、除染や食品の安全管理の継続的な実施など適切な放射線防護措置を講ずることにより十分リスクを回避出来る水準であることから、今後より一層の線量低減を目指すに当たってのスタートとして用いることが適当であるとの評価が得られた。

・こうした議論も経て、政府は、今回の区域の見直しに当たっても、年間20ミリシーベルト基準を用いることが適当であるとの結論に達した。

すなわち、原子力安全委員会は「年間20ミリシーベルト」以下は安全であると宣言しているのであり、今のまま「1ミリシーベルト」を除染の目標値とし続けることは、避難住民の帰還を遅らせるばかりか、除染作業にかかる人員・費用の浪費にもなりかねません。

また、先に述べたとおり、そもそも100ミリシーベルト未満では健康への影響はないという専門家の意見も多いことから、年間20ミリシーベルトを超える地域であっても、住民の皆様の帰還が可能かどうかについて、改めて冷静な議論が行われてしかるべきです。

「被災者の方は、つらいでしょうが、広島・長崎は、その後、きちんと復興していますので、“将来的な心配はない。実は、もっと被害は少ないのだ”と思っていただいて結構です。」(大川隆法党総裁著『されど光はここにある』第5章より抜粋)

被災地の一日も早い復興を祈念しつつ、福島県における「除染基準の緩和」を自民党政権に求める次第です。(文責・加藤文康 党総務会長)

加藤 文康

執筆者:加藤 文康

幸福実現党総務会長

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