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現在の国際連合は世界平和を守れるのか?――日本は自由主義・民主主義に基づく新・国際秩序を構築せよ!

中国共産党が「戦争の準備」を指示する等、日中関係の緊張が続く中、安倍首相・麻生副首相・岸田外相はASEAN諸国等を外遊して「中国包囲網」の布石を打っています。

それに先立ち、東アジアを実効支配するために中国が押し進めている「真珠の首飾り」構想を断ち切るために、民主党政権下における外交危機に際して、幸福実現党・大川隆法総裁は中国包囲網構築の外交を行ってきました。

自民党政権においても、安部首相が提言する「セキュリティ・ダイアモンド」構想、麻生副首相が提唱する「自由と繁栄の弧」構想として、中国の封じ込めに向けて具体的外交努力として実現されていることは評価されます。

日本の対ASEAN貿易は、対世界貿易(約134兆円)の14.8%を占め、中国20.6%に次ぐ、第2位で、日系企業の中国からの撤退が加速し、ASEAN諸国への移転が増加する中、経済的に連携を強化することは、外交上、大きなプレッシャーをかけることになります。(外務省『目で見るASEAN―ASEAN経済統計基礎資料―』)

しかし、中国の覇権を封じ込めるためには、日本は国際政治において、更なる努力が求められます。

まず、TPPへの参加表明をなすべきです。安倍首相が日米同盟強化の第一歩として強く望んだ訪米が実現しなかった背景には、TPP参加に慎重姿勢であることが要因となっています。

TPPに対抗して、アメリカを排除し、日本に対して戦争準備を指示する中国が主導権を握る「日中韓FTA」や「RCEP」は大きな危険を内包しています。

国内法を押し付ける強権的姿勢、反日教育、人権弾圧、言論統制など、法治国家とは到底言える状況ではない中国と正常な経済活動は行うことは出来ません。

事実上、自由経済圏構築による中国包囲網であるTPPを優先して押し進めていくことが、安全保障上、日本の国益に適うものであり、懸念される論点を早急に整理し、国家戦略を持って決断すべきです。

次に、国連外交です。日本は国連分担金の減少により、国際政治におけるプレゼンスの低下が懸念されていますが、事実として長年にわたって第2位の巨額の分担金を受け持ち、責任を果たしており、もっと発言力を持つ必要があります。(2012/12/25 毎日「国連分担金:日本は大幅減…13〜15年加盟国中最大」)

昨年9月11日の尖閣諸島国有化を受けて、国連を舞台に日中の応酬が報道されましたが、中国・秦局長は「(第2次世界大戦の)敗戦国が戦勝国の領土を占領するなど、もってのほかだ」などと日本を名指しで非難しました。

中国側の論理は「国際平和を侵した日本を戦勝国が封じ込めたにもかかわらず、また、日本は懲りずに国際秩序に対して挑戦をしている」というものです。

事実、国連憲章第五十三条、第百七条が「敵国条項」として規定され、日本は敵国とされています。

日本はドイツとともに、1995年の国連総会において、敵国条項を憲章から削除する決議案を提出し、賛成多数によって採択され、さらに、国連総会特別首脳会合で2005年9月16日採択された「成果文書」において「『敵国』への言及の削除を決意する」と明記されたことをもって、既に死文化されていると認識されていますが、現に文言が残っており、中国は、国連や米国議会でロビー活動を行い、法的実効力を持たせようとしています。

京都大学名誉教授・中西輝政氏は、中国がこの敵国条項を「日米安保を無効化する“必殺兵器”と考えている可能性が高い」と指摘しています。

国連憲章の53条と107条は、日独など旧敵国が侵略行動や国際秩序の現状を破壊する行動に出たとき、加盟国は「安保理の許可なく、独自の軍事行動ができることを容認」しています。

日本の尖閣国有化を憲章の「旧敵国による侵略政策の再現」と見なされるなら、中国の対日武力行使が正当化されることになります。

中国はこの敵国条項を援用して、日米安保条約を発動しようとする米国を上位の法的権威で封じ込めようとする策謀と警鐘を鳴らしています。(2012.12.12 産経「日米安保は無効?国連の『敵国条項』かざす中国の危険」)

日本政府は「国連憲章における敵国条項を削除しなければ、分担金は支払えない」ことを主張して、各国の批准を推進し、国連憲章を改定すべきです。

さらに、「国連常任理事国入りを実現しなければ、分担金は不相応」である旨を加盟国に呼びかけて、分担金相応に国際政治力を獲得すべきです。

日本は常任理事国となって、中国やロシアの拒否権で機能不全に陥っている国連を改革し、真の意味で国際平和を実現するための実効力を持つ「新たなる国際連合」を樹立するべく「世界一の経済力」と「自主防衛の強化」を目指すべきです。
(文責・幸福実現党 三重県本部参議院選挙区代表 小川俊介)

小川 俊介

執筆者:小川 俊介

幸福実現党 三重県本部参議院選挙区代表

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