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「特定秘密保護法の是非 ~日本の「自由」を守るのはどちらの選択か~」

◆反対意見続出の特定秘密保護法案

今国会で成立が見込まれている特定秘密保護法への反対意見がマスコミ界はもちろん、法曹界や言論界などからも続出しています。

日本弁護士連合会(以下、日弁連)では26日、山岸会長が日弁連のホームページで「同法案が国民の知る権利を侵害する危険性を有しており、廃案にされるべき」と述べ、12月1日にはJR新宿駅西口において「特定秘密保護法案に反対する緊急街頭宣伝」を主催しております。

また、ジャーナリストの田原総一郎氏や鳥越俊太郎氏なども、11月下旬に同法案に反対する集会に130名以上を集め、廃案を求める要請文を政府に提出したと言われております。

国内と同様、法案可決を歓迎するアメリカを除いた、海外メディア各社も「『知る権利』と『報道の自由』を侵害しかねない」という国内世論の懸念を各国で報じています。

そんなメディアの報道の影響を受けてか、安倍内閣支持率は先月と比べ、2.8%下落し、57.9%に高止まりしております。

◆特定秘密保護法によって比較すべき法益とは?

特定秘密保護法とは、日本の安全保障に関する情報(防衛、外交、スパイ活動、テロの4分野)のうち「特に秘匿する必要があるもの」を「特定秘密」とし、取り扱う者を適正な評価で規制し、その秘密を漏えいした場合の罰則等を定めた法案です。

一つ目のポイントは「守秘義務違反の厳罰化」であり、現在の国家公務員法においては懲役1年以下、罰金50万円以下であったものを、「特定秘密」を漏えいした公務員に対して、懲役10年以下とした点です。

二つ目のポイントは「秘密を取得する側も罰則対象となる」ことであり、今まで自衛隊法、国家公務員法でも、特定秘密を取得する側への罰則規定がなく、国際社会においては「非常識」と言わざるを得ない状況でありました。

同法案の制定によって漏えいした者と同様、懲役10年以下の罰則に処することができるようになります。

前述したように、世論では特定秘密保護法への懸念が高まっているようですが、科学的根拠のない「脱原発」運動のように、情緒論や空気感に支配された軽挙妄動は慎まなければなりません。

同法案が本当に国民の「知る権利」を奪うのか、または同法案なくして「日本の安全保障体制」を守ることができるのか、どちらの法益を守るべきであるのかを冷静に比較衡量していく必要があります。

◆特定秘密保護法は本当に国民の「知る権利」を奪うのか?

「知る権利」とは憲法21条で保障される表現の自由の延長線上で認められている権利でありますが、特定秘密保護法によって「知る権利」を侵害するかどうかには2つの観点から疑義を挟まざるを得ません。

第一に、国民の「知る権利」を保障する法律として、すでに「情報公開法」も制定されているという点です。

一方、特定秘密保護法は「公務員の特定秘密へのアクセスを制限する法律」という目的があることを忘れてはなりません。

すなわち、官僚組織内において、防衛や外交など極めて機密性の高い情報を適格な公務員にのみアクセスを許可し、漏えいした場合は厳罰に処するというものであり、どんな会社組織などでも「トップシークレット」があるように、元々国民が知りようもない情報への取り扱いを定めているものなのです。

第二に、既に同法案においてマスコミの「報道の自由」への配慮もされているという点です。

同法第22条では「国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない」と書かれており、国際社会から見ても極めて穏当で、常識に適ったものであるのです。

同法案をもって、マスコミ各社が「知る権利」の侵害と主張するのであれば、「知る権利」には「公平性の担保」が前提であることを認識しなければなりません。

特に歴史認識や原発問題などを巡って、著しい偏向報道をすることで、国民の「知る権利」を損なっていないかを見直すべきであります。

◆特定秘密保護法なしで本当に日本の安全保障体制を守れるのか?

中国は東シナ海上空に設定した防空識別圏で官制機や主力戦闘機による哨戒飛行を28日から始めたと明らかにし、この哨戒を常態化させると宣言していますが(11/30産経)、これから更に緊迫化する極東情勢の中で、同法案なくして日本をしっかり守っていくことは出来ないと言えます。

その理由としては、まず「スパイ天国」と揶揄され続けるほど、対外的な機密情報の管理がずさんで、情報を取得する側を処罰する法律がなかった点であります。

一方、アメリカの防諜法、イギリスの公務秘密法をはじめ、フランス、ドイツ、韓国などでもスパイ行為を防止する法律は制定されており、アメリカでは死刑にもなり得る重大な犯罪であり、防衛用の暗号や外交上の機密情報などをしっかりと防衛している現状があります。

また、日本の機密情報管理がずさんなために、アメリカなどの同盟国から信用を損なっており、安全保障上、極めて重要であると考えられる情報を得ることが出来ないという弊害もあります。

国内の機密情報をしっかりと防御し、対外的な信頼感を勝ち得る事こそ、憲法9条の足かせによって、自国を主体的に防衛することが出来ない現在の日本にとって必要不可欠なのです。

◆急がれる法案制定と求められる安倍首相の更なる勇気

同法案が「戦争準備法」と揶揄されておりますが、日本を取り巻く環境は今、応戦準備を怠らないことが必要であり、その為には国際政治の常識に照らした現実主義(リアリズム)的観点から考えていくことが必要です。

また、法律の使命が国民の自由を守ることだとするなら、この法律が制定されることで、国の安全が保たれ、「知る権利」を含めた国民のあらゆる自由が保障されるのです。

安倍首相は是非ともこの法案成立を急ぐと共に、踏込みの足りない憲法9条の改正にしっかりと向き合って、国の善悪の基準を糺し、国民の自由を守る勇気を持って頂きたいと思います。(HS政経塾第1期生 城取良太)

しろとり 良太

執筆者:しろとり 良太

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