このエントリーをはてなブックマークに追加

現代の魔女狩り――根拠無き「活断層=原子炉停止」という短絡思想

今回の衆議院選で「原発ゼロ」「脱原発」「卒原発」を公約に掲げた民主党230議席⇒57議席、日本未来の党62議席⇒9議席、社民党5議席⇒2議席、共産党9議席⇒8議席と議席を激減しました(306議席⇒76議席)。

今回の選挙で「脱原発にNO!」こそが日本国民の総意であることがハッキリしたにもかかわらず、「脱原発」に向かうことは民主主義を無視した暴挙です。

「原発廃止ありき」の活断層調査

原子力規制委員会は、これまで原発の耐震設計審査指針で12万~13万年前以降に動くこととされてきた「活断層」の定義について、40万年前以降の地形や地質を検討して認定するとした「40万年基準」を提案しました。(12/7 時事「『40万年前以降」追加提案=活断層、時期で定義拡大-円滑な認定促す目的・規制委」)

昭和53年策定の原発の耐震設計審査指針では、活断層を「5万年前以降」動いた断層と定義して原発建設を進めてきました。

その後、平成18年に「後期更新世(13万~12万年前)以降」と変更、さらに今回、原子力規制委員会は「40万年前以降」と活断層の定義を拡大する見解を示しました。

今回の規制委の見解は、活断層の断材料が乏しい場合でも、スムーズに活断層の認定ができるように「40万年前以降の定義」の認識を示したものです。

大飯原発の活断層の現地調査に専門家として参加した渡辺満久東洋大教授(変動地形学)は、活断層の認定について「追加調査でもはっきりしない場合は『(活断層)可能性が否定できない』」とする提案をしています。(10/24 中国新聞)

実際に調査を行う渡辺満久教授の提案と今回の規制委の「40万年基準」を合わせれば、地震列島日本のどこの原発を調査しても、「活断層の可能性は否定できない」という報告を上げることが出来ます。

実際、敦賀原発(福井県)、東通原発(青森県)の調査で原子炉直下、また原発近くの海域で活断層の可能性が指摘され再稼動が非常に困難になっています。

「安全が優先」というよりは、「原発の廃炉」が目的で、「活断層の定義を40万年前まで拡大したから、活断層を何が何でも捜し出せ!」と言う、「現代の魔女狩り」が横行しています。

民主党政権の「事業仕分け」では、「200年に1度の災害」に備えたスーパー堤防を廃止しましたが、一方で、民主党政権の置き土産とも言うべき「原子力規制委員会」が、「40万年前に1度の災害」を論拠に廃炉に追い込もうとしているのです。

本当に活断層と地震は関係があるのか?

日本活断層学会副会長の熊木洋太・専修大教授(変動地形学)は「13万年前は(気候が)暖かい年代なので、地層ははっきりした状態で残っている。それより前になると、正直言って分からない」、福井大の山本博文教授(地質学)も「専門家によって活断層かどうか見方が分かれ、水掛け論で終わってしまうだけ」と指摘しています。(11/5 産経)

それだけ活断層の認定には曖昧さが伴うということです。

当たり前のように言われている「活断層と地震」の関係について、疑ってかかるべきです。

日本地震学会は「活断層で起こる大地震については,南海地震や東南海地震のような精度で予測することはできません」と述べ、活断層による地震予測は確立されていません。(日本地震学会FAQ⇒http://www.zisin.jp/modules/pico/index.php?content_id=2192

地震学はまだ未熟な学問であることを忘れてはならないのです。(読売12/22「社説・規制委は説明責任を果たせ」)

活断層近くにあった柏崎刈羽原発は安全に停止している

また、日本の原発の地震耐性の高さはこれまでの事例からも明らかになっています。実際に、活断層の近くにあった柏崎刈谷原発を例に見てみましょう。

原子力改革監視委員会の大前研一氏は、新潟県中越沖地震が発生の際は、無事制御棒が挿入され原発は安全停止したことを挙げ、「冷源と電源が確保されていれば、冷温停止に持ち込むことが可能で活断層がどんなものであっても原子炉を停止させることが出来る」と述べています。(大前研一ニュースの視点~「活断層=危険=原子炉停止は短絡的に過ぎる」http://www.lt-empower.com/koblog/viewpoint/2404.php

地震でも安全に停止した原発技術にこそ注目すべき

福島原発の事故の原因は、活断層が原因ではありません。

地震で原発が爆発したのではなく、事故の原因は津波により発電所内の電源が失われ原子炉冷却に関わるバルプが操作不能になったからです。

ですから、「活断層を探して原発を無くす」ことが解決策ではなく、原発を安全に停止させる技術を高め、冷却装置の機能を失わない対策こそが必要なのです。

既に福島原発の教訓から各原発では防波堤の建設、浸水防止ドアの設置、高台への非常用電源の確保などの対策が進められています(12/7 読売)。

ほとんどのマスコミは「活断層」ばかりを取り上げ、この点は全く報じていません。

マグネチュード9の震源地に最も近かった女川原発は安全に停止し、避難所にまでなっています。

安全に停止した原発技術に注目すれば、さらに地震に強い原発をつくることが可能です。なぜ、そのような発想が何故出てこないのでしょう?

自民党安倍総裁は、原発の新設について、「民主党が決めた原発新設の凍結を再検討する」と述べています(読売12/22)。

自民党の政権公約では「10年以内に、将来にわたって持続可能な電源構成のベストミックスを確立する」としていますが、新設以外の既存の原発も曖昧な活断層の判断ではなく、しっかりした安全処置、安全技術を高める方向性を打ち出し、日本の安定的な電力供給を維持するため早急な原発稼動を決断すべきです。
(文責・佐々木勝浩)

佐々木 勝浩

執筆者:佐々木 勝浩

幸福実現党 広報本部スタッフ

page top