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「脱原発」は民主運動か?―日本から自由を奪う「エセ革命」

2012年5月末、エジプトでは60年ぶりに大統領選挙が実施され、その結果、ムスリム同胞団が推すモルシ氏が国民の幅広い支持を受け、大統領に就任しました。

この発端となったのは、チュニジアから始まり、中東の若者の心に革命の炎を灯した「ジャスミン革命」です。

「王政打倒による民主化」の名の下に、既にチュニジア、リビア、そしてエジプトなどが民主国家への道を歩み始めています。

一方、日本では「脱原発デモ運動」が「紫陽花(あじさい)革命」と呼ばれ、一部の国内メディアにおいては、「あじさい革命」のような運動こそ民主主義の原点であり、「安保闘争を超える」と礼賛する論調も出ています。

しかしながら、この「あじさい革命」は二つの大きな矛盾をはらんだ「エセ革命」であると言えます。

1.「あじさい革命」は「日本の民主主義の死」をもたらす

なぜなら、民主国家に必要不可欠なはずの「国にとって何が正しいのか」という「見識」が欠落しているからです。

「脱原発」運動は、マスコミや一部の意図的な扇動者が作りだした「科学的根拠なき感情論」により、多くの人々が「大衆化」された運動です。

既に原発敷地外では、誰も健康被害を受けないという「科学的見解」と、原発事故による死者はまだゼロであるという紛れもない「客観的事実」は揃っています。(高田純著『放射能・原発、これだけ知れば怖くない!』)

にもかかわらず、先月その事実を述べたに過ぎない中部電力社員に対する多数の苦情など、大衆扇動による実質的な「言論封殺」がまかり通っています。

一方で、脱原発を推進するドイツなど一部の国を除いた政府、そして海外メディアは一様に「今まで3割の電力を原子力に頼ってきた日本にとって原発再開は当然、脱原発は道理にかなわない」と冷静な反応を示しております。

また、収監中の元ライブドア代表の堀江貴文氏は、原発集会で坂本龍一氏が「たかが電気のために命が危険にさらされなければいけないのか」と発言したのに対し、「原発による電気がどれほどの命を救っているか、考えたことがあるのだろうか?」と述べています。

「2年半で2000冊読書できたらいい」と収監された「読書家」の堀江氏だからこそ、社会と隔絶された環境にあっても、正しい見識を得ることが出来たと言えますが、多くの人々が扇動者に盲信追従する「大衆化」が進めば、日本においてナチスドイツのような「全体主義国家」すら発生しかねません。

2.「あじさい革命」は、日本から「自由」を徹底的に奪う

政治哲学者ハンナ・アーレントは「革命とは自由の創設であり、自由を創設できなければ革命としては失敗である」(Hannah Arendt『革命について』(1963))と述べています。

中東の「ジャスミン革命」の背景には、多くの人々が自らの生命を賭し、「自由」を獲得せんとした「革命」であると言えましょう。

しかし、「あじさい革命」を「ジャスミン革命」と同一視し、自己陶酔に陥るような風潮は断固許すことができません。

なぜなら、脱原発推進者たちが訴える「原発からの自由」は、少なくとも年間10兆円の経済的損失、そこから所得減少、企業倒産、大量解雇という経済破壊を引き起こし、国民の「自由」の領域を劇的に狭めてしまうからです。

突然の失業など、生活環境の激変を余儀なくされることで、年間3万人以上の日本の自殺者が更に急増することが大いに予想されております。(『正論』京都大学大学院教授・藤井聡著「原発が止まる『地獄』こそ直視を」)

「あじさい革命」に参加される方々には、「死者の出ていない原発汚染」は許されず、「景気悪化による自殺者増加」はなぜ許されるのかということをこそ、まず問いたいと思います。

以上のように、「民主主義と革命」という美名の下で、人々の自由を奪っていく「エセ革命」に騙されてはいけません。

そのためには、まず原発がどれだけ「人類にとって有益なものであるか」という正しい知識を持つことが大切です。

第一に、原子力エネルギーはほぼ資源を必要とせず、化石燃料に依存しないため、国家戦略における独立性を担保できるという点が挙げられます。

原発が更に普及し、化石燃料への依存度が低下させることで、国際政治の混迷の原因となっていた「戦略物資としての原油」という変数を減らすことができ、国際平和への道が近づくと言えます。

中東においても、安価で継続的な原子力エネルギーが民主化後の国力を支えながら、産油国の体制内民主化をも後押しすることにも繋がります。

第二に、日本の原発技術・安全性は名実ともに世界No.1であるという事実です。震災以降もその評価は変わりません。

なぜなら、福島の原発事故は原発自体の性能ではなく、菅前首相をはじめとする人為的な判断ミスの集積によるものであることを、各国の政府筋は既に見抜いているからであります。

だからこそ、日本の「国富」の基となる原子力技術を更に高めるためにも、国内での「原子力の火」を止めてはならないのです。

「日本が誇る原発技術は、世界中の人々の生命と世界平和にも貢献する秘密兵器である」という正しい認識に基づいて、幸福実現党は「脱原発反対」「原発輸出推進」を引き続き訴えて参ります。

日本の「自由」を守りぬくためにも、原発の継続を問う政府のパブリックコメントに原発の必要性を投稿して参りましょう!(詳細は「エネルギー・環境に関する選択肢」への意見投稿(パブリックコメント)について(締め切り迫る■8月12日)」⇒http://www.hr-party.jp/new/2012/27467.html

幸福実現党は立場や組織に関わらず、ご賛同いただける皆様と力を合わせて、日本を正しい方向へ導いて参ります。今後ともご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

ちなみに、私、城取良太は、来る8月24日(金)20時より、ユートピア活動推進館において「誰でも分かる中東事情と日本が果たすべき役割」というテーマでウィークデー政策研究会を開催させて頂きます。皆様のご参集お待ち申し上げております。
(HS政経塾1期生・城取良太)

しろとり 良太

執筆者:しろとり 良太

幸福実現党広報本部

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