このエントリーをはてなブックマークに追加

迫り来る「2012年問題」―自主防衛を急げ!

2012年は日本を取り巻く主要国トップが一斉に交代する激動の一年になりそうです。日本としては、以下のような各国のトップ交代に関するリスクを認識し、外交・防衛の備えを強化すべきです。

【北朝鮮】金正日総書記の死去に伴い、金正恩氏への権力継承が進み、昨年12月30日、北朝鮮労働党は金正恩氏を人民軍最高司令官に任命。「金正日同志が示した先軍政治(注:軍事優先の国家方針)の道に沿って力強く歩む」と宣言しました。

国際人権擁護団体アムネスティは、金正恩体制強化のために数百人が粛清されていることを報告していますが、金正恩氏の傲慢で権力欲が強く、好戦的な性格は『北朝鮮―終わりの始まり―』の霊言や様々な証言等によって露見しています。

特に、日本が警戒すべきことは、北朝鮮は既に二度、核実験を強行し、「核保有」を自ら認めるに至っていることです。核の小型化に成功していれば、間違いなく、日本全土に届くノドンミサイルに核が搭載されます。

320発ものノドンミサイルが日本に同時に襲来した場合、日本のミサイル防衛(MD)では対応できません。一刻も早く北朝鮮の「先軍政治」を終わらせるべく、日本は日米同盟を基軸とした外交努力を展開すべきです。

【台湾】1月14日投開票の台湾総統選では、再選を目指す中国寄りの国民党・馬英九(ばえいきゅう)総統と民進党初の女性党首・蔡英文(さいえいぶん)主席とが互角の戦いを展開しています。

馬総統は、10年以内に中国との「平和協定」について交渉、締結する可能性を示唆しています。台湾では6割が「対中平和協定を支持」していると報道されていますが、これは民進党が批判しているように危険な協定です。

1951年、チベット政府が中国との間で「チベット平和解放協定」に署名し、中国軍のチベット入りを許可した結果、中国軍が易々とチベットに入り、武力鎮圧を行いました。

馬総統が勝利すれば、チベットと同じく、中国が戦わずして「台湾併合」を成し遂げる可能性が出て来ます。そうなれば台湾海峡は中国の「内海」となり、日本のシーレーンは分断され、日本の生命線が断たれる危険が高くなります。

【ロシア】3月4日にはロシアの大統領選が予定されており、プーチン首相の返り咲きが確実視されています。

プーチン氏は2001年に中国との間で「中露善隣友好協力基本条約」を締結するなど、「反米」を基軸として中国と連携するスタンスを有しています。

中露連携が強化されることは、日本としては、北と南西からの挟撃を受ける可能性が強まり、安全保障上の脅威がより一層強まります。

【アメリカ】アメリカ大統領選挙の焦点は、オバマ氏が再選されるか否かです。オバマ大統領の再選はかなり厳しい状況にあると言われていますが、対する共和党も候補者選びで混迷が続いています。

財政再建に伴う軍事費削減が迫られる中、米軍普天間飛行場の移設問題が契機となって、「在日米軍撤退」を公約に掲げる共和党候補者も出てきており、大統領選を通じて日米同盟のあり方がクローズアップされる可能性も高まっています。

【中国】秋には、第18回中国共産党大会において、胡錦濤国家主席の後継者として、対日強硬派の習近平国家副主席が党総書記に選出される見通しとなっています。

習近平氏は、反日・強硬路線を取った江沢民氏の「子飼い」であり、2009年7月のウイグル大弾圧・虐殺で陣頭指揮を取った猛悪な人物です。ノーベル平和賞をめぐる西側の中国批判に対しても強硬姿勢を示しており、日米との対立が強まる危険が高くなっています。

【韓国】12月19日、韓国大統領選挙が行われます。親米保守の与党ハンナラ党の次期大統領候補は女性の朴槿恵(パク・クネ)元代表でほぼ決まりと言われていますが、同党は李明博(イ・ミョンバク)政権の不人気により支持率が急降下しています。

その結果、親北・左派勢力が影響を持つ野党が政権奪還に成功すれば、北朝鮮が韓国に対して一定の影響力を持つことになり、朝鮮半島情勢が一層、不透明になることは避けられません。

周辺国の政情が不安定さを増す2012年、今こそ、幸福実現党が政権を担い、日本とアジアの平和を守ることが求められています。

幸福実現党は、国民の生命・財産・安全を守るために「日米同盟」を強化し、諸外国との連携により「中国包囲網」を形成しつつ、「自主防衛」体制を迅速に構築して参ります。
(文責・黒川白雲)

黒川 白雲

執筆者:黒川 白雲

前・政務調査会長

page top