緊急経済対策で日本人は奴隷化する?困窮者給付2つの問題点【前編】
https://youtu.be/pdBf7NYdvDc
(4月28日収録)
幸福実現党党首 釈量子
◆一時給付金ではなく雇用拡大を
4月26日、政府は物価上昇への緊急対策ですが、「ガソリンなどの原油価格への対策」「生活困窮者への支援」「中小企業への支援」「エネルギー・食料などへの安定供給」の4つの柱を掲げ、6.2兆円の国費を投じることを決めました。
今回は、特に「生活困窮者への支援」に給付金を出すことの是非に焦点を絞ってみたいと思います。
「低所得の子育て世帯へ、子ども一人あたり5万円給付」は、困っている家庭にはありがたいかもしれません。しかし、給付金は一時しのぎにしかなりません。
朝日新聞デジタルが26日の記事で今回の5万円支給に対する、あるシングルマザーの声を紹介しています。
「(給付金は)非常に助かる話です。ただ、それだけでは問題解決にはなりません。目先の5万円より、安定した収入を長く確保できる雇用が必要です」
◆手厚い補助金をすれば下がる実質賃金
雇用の重要性としては、今回の緊急対策でも「中小企業への支援」を柱としていますが、ただし「賃上げをしたら、税金を安くする、補助金を上げる」という対策です。
安倍政権から行ってきた政府主導の政策でも、なかなか賃金は上昇しませんでした。実際に物価上昇を考慮した実質賃金は長期的には下がっています。
リーマンショックとコロナ不況の2つに共通していることは、不況に対して政府が大量の国費を投じたにもかかわらず、実質賃金は下落しました。
◆企業の活力を奪う補助金
実質賃金が上がっていくためには、企業が付加価値の高い仕事、つまり、お客さんの役に立つ仕事を増やしていかなければいけません。
しかし、例えば飲食店は面倒なコロナの休業補助金の申請で、1円の富も生まない政府とのやりとりで、経営資源がどんどん浪費されていきます。
しかも、いざ支給されたのは数カ月後で、目の前のお店の危機に全く間に合わなかったという話はたくさんあります。
ひどい場合は、政府に取り入って補助金をたくさんもらったり、自分の企業に有利な規制をするよう政府と癒着していきます。
◆経済を停滞させる電力自由化
最近の事例では、太陽光発電の事業者が気候変動対策のためと言って、土砂崩れが起きそうな場所でもどんどんソーラーパネルを敷き詰めています。
さらに、固定価格買取制度FITで、高い電気を国民に無理やり買わせ、2020年段階では、日本全体で2.4兆円も負担しており、一人あたり約2万円です。
それだけではなく、電力の自由化と称して、太陽光発電が苦手な安定供給の問題を、大手電力系の送配電部門に押し付ける規制を法制化しました。
つまり、規制や補助金で、政府の権限は大きくなり、利権が生まれてきます。こうなると、国の経済が停滞して、賃金が上がるどころの話ではなくなります。
◆「働き方改革」の実態は「働かせない改革」
他にも「働き方改革」の規制で、労務管理が大変になり社会保険労務士の仕事は増えたそうです。
しかし「働き方改革」の実態は、国民を「働かせない改革」で、残業などで長く働いてお金を稼ぐ手段を奪ってしまいました。
約340万人の雇用(全体の5.6%に相当)を抱える運送業では、「働き方改革」によって、ドライバー不足がより深刻になり悲鳴も上がっています。
重ねて、コロナ・パンデミックに入ってからは、感染症対策の名目で、過剰な規制が課されています。
◆いらない仕事の減量を
今、やるべき緊急対策は、無駄な仕事を政府がやるのではなく、いらない仕事を減量していくことで、民間がより付加価値の高い仕事に集中できるようにするためです。
そうすれば、自ずと雇用も増え、賃金も上がっていくでしょう。
ただ現在は円安の状況なので、中国資本が日本を経済面から侵略しないよう、外資の規制はしっかりとやるべきです。利権を温存させる理由に外資規制が使われないように注意しなければいけません。
(後編につづく)