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米大統領選挙の仕組みを簡単解説、トランプ再選の可能性【前編】

https://youtu.be/cMW334BQZXo
(9月15日収録)

幸福実現党外務局長 及川幸久
◆トランプ再選はあるのか

今回のテーマは、アメリカ大統領選挙直前に控えて、「果たしてトランプ再選はあるのか」です。

まず、アメリカ大統領選挙の仕組みを説明します。

アメリカ大統領選挙は、日本のように街頭演説や政見放送はありません。基本的にはテレビコマーシャルによる選挙が中心です。

両陣営ともテレビコマーシャルをいくつも作り、それをテレビやネットで流します。
(※両陣営のコマーシャルは、下記の動画(02:29〜06:31)で紹介しています。)

◆バイデン陣営のトランプ批判

バイデン陣営のテレビコマーシャルのテーマは「コロナウイルス」です。

この映像の内容は、バイデンは、1月の段階でコロナウイルスに関して中国を批判するスピーチを行ったのとは対照的に、トランプは、2月に「中国がコロナ対策で一生懸命やっている」と讃えていたというものです。

そして映像では、トランプがアメリカ疾病予防管理センター(CDC)のアドバイスを聞かずにウイルスを甘く見た結果、アメリカ人に感染者が広がり、死亡者が増えたと批判しています。

「これを変えるのは、バイデンだ」というのが、民主党のコマーシャルです。

◆トランプ陣営のバイデン批判

対してトランプ陣営のコマーシャルは、オバマ政権でバイデンが副大統領であった時にアメリカの製造業をどんどん中国に移すよう促したため、6万以上のアメリカの工場が潰れた様子を流しています。

その結果、アメリカ人の雇用は減少しますが、そんな時にバイデンが中国に訪問した映像と続きます。

工場が潰れ中産階級以下の人たちが仕事を失っていった中で、それを元に戻したのがトランプ政権だった。「バイデンが大統領になったら、同じことがまた繰り返される」、これがトランプ陣営のテレビコマーシャルです。

このように、大統領選挙のテレビコマーシャルは相手方の批判しかしていません。この雰囲気を知っていただいた上で、「アメリカ大統領選挙の仕組み」を説明します。

◆支持率ではバイデンが優位だが

去年の10月からの米各社の世論調査の支持率の平均を見ると、終始バイデンが上回っています。

9月14日時点で、バイデンがトランプに対して「プラス7.1%リード」しています。このリードはかなり大きいものですが、最大で14%もの差ありました。

日本のマスコミは、それをうのみにして「バイデンが勝つだろう」と報道しています。

しかし、4年前の大統領選挙の時も民主党のヒラリーがリードしていました。現在のバイデンよりもっとリードしていたのです。

そのリードは投票当日まで変わりませんでした。しかし結果はトランプが勝利したのです。その最大の理由は、大統領選挙は「個人の票数」ではなく、「選挙人の票」で決まるからです。

◆複雑な大統領選挙の仕組み

選挙人は、アメリカ50州にそれぞれ割り当てられています。

選挙人は、田舎の州は3人とか4人ですが、カリフォルニア州は55人、テキサス州は38人、ニューヨーク州は29人で、人口の多いところは割り当ての選挙人が多いのです。

アメリカは連邦国家で、州は基本的に独立した国のようなものです。だから大統領選挙は、それぞれの州がそれぞれの州の大統領を選ぶのです。

例えば、カリフォルニア州はカリフォルニア州として大統領選挙をやって、1票でも多く取った候補者がカリフォルニア州の勝者です。

1票でも多く得票した候補がその州に割り当てられた「選挙人」の票数をすべて獲得する「勝者総取り方式(ウィナーテイクオール方式)」で行われます。

例えば、カリフォルニア州は選挙人が55人ですが、仮にバイデンが6割取って、トランプが4割取っても、バイデンが票数の55を全部取るルールです。

各州に割り当てられた選挙人の合計は538人ですが、過半数の270を超えた方が勝利します。

(つづく)

及川幸久

執筆者:及川幸久

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