サバクトビバッタの大襲来!――「世界の胃袋・中国」に食糧危機はくるのか?【後編】
https://youtu.be/5mq_rM6ei98
(6月19日収録)
幸福実現党党首 釈量子
◆中国で食糧危機が起こるかもしれない4つの要因
前編では、中国の万全にみえる食糧体制を紹介しましたが、それを根底から揺るがしかねない要因が、今回のサバクトビバッタです。それ以外にもいくつか出てきました。
(1)国内穀倉地(黒龍江省)でのイナゴの大量発生?
6月に入り、中国東北部の黒龍江省、吉林省、また南部の湖南省などでイナゴの大量発生が確認されています。
これはサバクトビバッタとは異なる種類ですが、中国一の穀倉地域と言われる黒龍江省での蝗害発生は中国にとってただ事ではありません。
(2)中国の食糧庫・アフリカのバッタ被害
習近平体制にとって「一帯一路」構想で一気に緊密化してきたアフリカ諸国におけるサバクトビバッタの被害は甚大です。
中国はアフリカを戦略的に「中国の食糧基地」と捉え、農業関連の投資を行ってきました。サバクトビバッタはこうした地域を食い荒らしています。
(3)コロナ責任論による中国への禁輸措置
更に、世界中で巻き起こる中国コロナ責任論が、中国の食料サプライチェーンを破壊する可能性も否めません。
実際に、オーストラリアが新型コロナの発生源について、独立した調査を実施したことに中国が強く反発しました。
その報復としてオーストラリアの大手4社から牛肉の輸入を停止するという強硬措置に出ました。
こうした中国コロナ責任論が更に飛び火し、アメリカや南米諸国など、輸出国から禁輸制裁を受ける可能性もあります。
◆日本はどうすべきか?
世界を襲う食糧危機問題は、日本にとって対岸の火事では絶対に済まされません。
なぜなら、日本の食料自給率は37%、また飼料自給率は25%という低水準で、食料の自給率を少なくとも7割ぐらいを目指すべきではないかと思います。
まず、調達先を多角化し、あらゆる状況に応じてリスク分散を図ることができる供給体制を構築することが肝要です。
その有力候補がロシアです。小麦においては世界最大の輸出国です。
ただ、2018年時点で日本はわずか1.8万トンしか輸入出来ておらず、現状は米国、カナダ、オーストラリアの3か国にほとんど依存している状況です。
今後、中国包囲網を強化する意味でも、ロシアとのさらなる関係強化に力を入れてもいいと思います。
また、大豆やトウモロコシについてはウクライナという販路を開拓することも大事です。
国民の生命・安全を守るためにも、国内における食糧の自給体制をエネルギー自給率と合わせて一刻も早く整えることこそ、日本が採るべき「国家戦略」です。