自称「世界最大級の緊急支援」より本気で中小企業を守れ!【前編】
幸福実現党外務局長 及川幸久
◆政府に本気で中小企業を守る気概はあるのか
今、世界はロックダウンの解除へ向かっていますが、経済的な損失はどんどん大きくなりつつあります。日本も例外ではありません。
日本の中小企業は、新型コロナウイルスの対策として営業の自粛を強いられ、安倍総理が自称する「世界最大級の経済支援」が機能しているとは言えません。
この問題に関して、アメリカの緊急経済対策のケースと比較して、日本は何が問題なのかを考えてみたいと思います。
結論から申し上げますと、「日本政府は中小企業を本気で守る気概はあるのか」ということです。
◆中小企業を救ったアメリカの緊急経済対策
まず、アメリカのケースを紹介します。
アメリカに非営利法人Bitty & Beau’s Coffee(コーヒーショップ)のエイミー・ライトという経営者がいます。
この方は120人の従業員を雇っていますが、その従業員は全員が知的障害、発達障害を持っています。自身の2人のお子さんも知的障害です(店の名前は2人の子供の名前)。
雇われている障害を持つ方々は、ここで初めて雇用され給料をもらった経験をしています。そういう人たちがコーヒーショップでエプロンをつけて働いているのです。
アメリカでも大変話題になって、彼女はCNNが主催の社会に貢献するヒーローを表彰する「ヒーローオブザイヤー」に選ばれています。
Amy Wright founder of Bitty & Beau’s: CNN Hero of the year
https://www.youtube.com/watch?v=FbeFRd_u9KM
彼女のモットーは「Not Broken」です。
「心は折れていない」とは、障害者と言われている人たちは決して壊れているわけではない。そうではなく、「壊れているのは人々の彼らに対する見方なのだ」という意味です。
「見方を変えることによって世界を変えられる」というのが彼女のメッセージです。この素晴らしいコーヒーショップは、話題を呼んで全米で5店舗を展開するまでになりました。
ところが、コロナウイルスが発生しロックダウンしたことで、5つの店を一時休業せざるを得なくなりました。従業員も全員解雇することになったのです。
その中で、3月にアメリカの政府と議会が一生懸命に話し合って緊急で作り上げたのがPaycheck Protection Program (PPP) ローン、いわゆる「給与保証プログラム貸付」です。
エイミーはPPPローンに申し込み、そのおかげで従業員全員を再雇用することができました。
この後、PPPローンはどんな効果が出ているのかについてトランプ大統領の記者会見があった時に、そこにエイミーが招かれスピーチをしています。
彼女は、コーヒーショップは単なるコーヒーショップではなく社会運動であることを話し、一緒に働いている障害者のマイケルを紹介しました。
そこでマイケルは、大変感動を呼ぶスピーチを行いました。
「私たちの合言葉はNot Broken。私たちは決して壊れているわけではありません。私たちは、他の人に与えられるものがたくさんあるのです。そして偉大な国アメリカも壊れていません。」
スポーチが終わると、トランプ大統領に向かって指を立て感謝を表しました。
President Trump Delivers Remarks on Supporting Our Nation’s Small Businesses
https://www.youtube.com/watch?v=id3s95FB7CI
どんな障害があったとしても「働ける喜び」は、何にも代えがたい。これは、すべての人にとって必要な幸福感だと思うのです。
(つづく)
執筆者:及川幸久